紙の本
読み応えたっぷり
2022/04/10 23:13
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒュウゴがいかにして<鷹>となったのかを描く「炎路の旅人」
ヨゴ皇国がタルシュ帝国に滅ぼされ、国を守る上級武人の家の長男だったヒュウゴが喪った誇りややり場のない怒り、皇国が健在のころに抱いていた想い、これらとどう向き合って<鷹>となる選択をしたか。読み応え十分なストーリーだし、ヒュウゴのような過酷な状況じゃなくとも、誰もが大なり小なり抱えるであろう葛藤があり、感情移入しやすい。
バルサが若かりし頃の用心棒としての姿を描く「十五の我には」
傷ついたバルサに、ジグロが贈った詩がとにかく秀逸。
紙の本
あとがき
2017/01/08 11:10
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投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒュウゴの物語もバルサの若いころのエピソードもジンと胸を打ちます。そしてあとがき、上橋さんの家庭の事情などが淡々と書かれており、その大変さにふーっと思いが募りました。
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タルシュ帝国との戦いに負けたヨゴ皇国。
帝の盾は全員殺され、その家族や親族にも一人残らず追手がかかっていた。
その中で唯一生き残ったヒュウゴが、生き延び、そして枝国となったヨゴで、この先をどう生き抜いていくかを模索していく。
なぜヒュウゴはタルシュの鷹になったのか。
ヒュウゴの目指しているものは何なのか。
その根底にあるものが何なのかが、この物語を読むと分かるような気がする。
なぜ、ヨゴ帝は処刑されず、タルシュ帝国の帝都に移送されたのか。
皇子たちは、いま、どこで何をしているのか。
星読博士たちは、この結末を読み取ることができなかったのか。
そして星読博士たちは、いま、何をしているのか。
なぜ帝の盾だけが、殺されなければならなかったのか.....
この国にいったい何があったのか、知りたい、もっと読んでみたい、そう思った。
いつかまた、もう一つのヨゴ皇国の話が読める日が来ることを願って☆
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ヒュウゴ・・・!本心の見えない男の少年時代。まっさらな心で、目の前のものを信じられた幸せな時代が、確かにこの人にもあったのだと思うと切なさがいや増す。
初めての給金でヨアル、リュアン親子のもとへ駆けるシーンは、その後の激変ぶりを読み進めるに従ってどんどん印象的なものになった。きっと本人もこの時代の思い出を大切にしていて、でも後悔はしていなくて・・・という感じなんだろうなぁ。
どんな路でも、自分で選んで進んできたか、そうでないか、はモチベーションに大きく影響するはずだ。これを読んでまた本編を読み直すと、新たな感想を持ちそう。
バッタと碗を見て物思うシーンも良かった。
「割れ目の向こうにあるのが、風が吹きわたる草原ではなくて、別の碗だと思ったからだ。しかも、その中に入るのではなく、碗をかぶせて、故郷の人びとを闇の中におさえつける側にまわるのだと思ったからだ。――碗の外側に出ないかぎり、碗の形は見えないのだから。」
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『精霊の守り人』から始まる長い長い物語が終わってしまった。
抜き身の剣のようなバルサやヒュウゴ。彼らにも(それは私たちにも言えることなのだけれど)、その身に自分ではどうしても飼いならすことのできない野生を宿しているのだということを感じさせてくれる。
若かったあの日、私は沢山のことに苛立ち日々を送っていた。今となっては下らぬ自尊心のために失うものも多かった。
それを改めて突きつけられる、お前はどう生きてきたのかと。
それを考えることができるだけでも、この本には価値がある。
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歯噛みし、迷い、うちふるえ、暗い夜道を歩きおる、あの日の我に会えるなら、五年の月日のふしぎさを 十五の我に 語りたや……
大好きなシリーズの外伝。
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ヒュウゴの生い立ちとバルサの15の出来事をつつった物語。
中はともかく心がほのぼのとする。結構な良書です。
おすすめです。
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読み終わって・・・深いため息が出る。
すごいよ,このシリーズは。
シリーズ本編は完結した。その後の作品集。
ヨゴ皇国のヒュウゴがなぜタルシュ帝国に仕えるようになったのか,その一連のストーリと,バルサが15歳のときの話。
登場人物一人一人に,しっかりと人生という命が宿っていると感じられる小説は他にないよ。ホント,この登場人物たちはみんな生きてるよ。
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単行本を持っているのに、文庫版あとがきがどうしても読みたくて買い求めました。
この作品を読むとヒヨウゴのことが好きになるように思います。
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思えば2008年の年頭に「おすすめ文庫王国 2008」でベスト1とされた「精霊の守り人」に出会って以来のこのシリーズ、この本も年頭に読む。
漆黒の闇、紅蓮の炎、山の蒼さ、海の碧さ…、相変わらず色彩感豊かに描かれる物語は、ヒュウゴがタルシュ帝国の密偵になる前の経緯を語る。
正直言って、ヒュウゴがどのような役回しになっていたか定かに覚えてないのだけれど、自分の「天と地の守り人〈第3部〉」の感想を読むと、『苦い思いを胸に抱きながらそれでも拷問に耐えるヒュウゴの信念』と書いてあり、この前日譚に繋がるものがあるんだろうなと感じた。
シリーズが大団円を迎えた後にこうしてぽつぽつと出される短いお話は、勿論それぞれに味わい深いものがあるけれど、この程度ではなかなか満足出来ず、最早良く覚えていないこともあって、いつかもう一度、シリーズ通して読み返そう。
短いバルサの話で紹介された“ロルアの詩”は、なかなか味わい深いなぁ。
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久しぶりに守り人の世界。短編でも、あの世界の様子が見えてきて、さすがです。
これを機にもう一度精霊の守り人シリーズをこの年末に読み直すことにした。
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シリーズを読み終えてから
どれくらい経ったのだろう。
私には長い年月だった。
なのに
読んでいくうちに
あの懐かしい日々が胸の中によみがえり
あたたかい思いが湧き起こる。
獣の奏者シリーズと守り人シリーズで
わたしはファンタジーに目覚めたのです。
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面白かった!
ヒュウゴがどんなふうに関わっていたかが思い出せない!もう一度、もりびとシリーズをこの年末年始に読み返そうと思う。
ヒュウゴの歩んできた道、決意がわかってから読み返すとちがう風景が見えてくるかもしれない。
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単行本で読んだ気がするんだけれど、まったく覚えてn(自主規制)
ヒューゴの少年期と、バルサの少女期の短編二編。
それぞれ違ったやり方でチャグムを護り導いたふたりの共通項に気づいた。
そのふたりが別々に辿ってきた道は険しくてまったく容赦がない、まさに炎の路である。
「炎路を行く者」
もともとヒューゴのことは好きだったのだけれど、気高く、鷹のように誇り高い彼のことをもっともっと好きになった。
久しぶりに本を読んで泣いてしまったかも。
「十五の我には」
まだ未熟なバルサ。まぁ、そりゃそうだな。
今のバルサがあるのは、間違いなくジグロのおかげだ。
もう一度、本編を最初から読みたい。
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守り人シリーズ外伝。ヒュウゴの少年時代を描く中編とバルサの少女時代を描いた短編。
文庫版あとがき+解説(NHKドラマディレクター片岡敬司)付き。