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【江戸城に居座り続ける謎の武士の正体は?】江戸城明渡しが迫る中、てこでも動かぬ謎の旗本に、城中は右往左往。今も変わらぬ組織人の悲喜こもごもを描いた奇想天外の感動作。
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六兵衛の正体はいかに・・・といろいろ想像していると、作中でもいろんな人が同じような想像をするようで。
でも、それは、おそらくその想像は違っているってことなのだろうな、と思いながら読み進む。
歴史上の人物がちらほら登場し、彼らと六兵衛の邂逅は浅田さんらしい味付け。塩結びやお粥、うなぎまで登場する。
大政奉還の物語。武士道の物語。
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一体全体どこの誰なのか?
そんなことは二の次三の次になってしまう後半。
永く続いた天下泰平の世を支えた、旗本御家人の矜持が具現化したような人物、なのかな?
なんとも美しく、後味の良いエンディングでござった。
・・・・・映画で見てみたい(ポツリ)。
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何か「幕末奇譚」というような妙な物語なのだが…長く維持された原理原則が捨て去られ、過去の成功体験が陳腐化し、何処となく自信が欠けたような感じの「江戸城最後の日々」に関して、漠然と「現代に通じる?」というような気がした…そういう中での六兵衛の奇怪さ…「時代劇の姿をした寓話」という雰囲気を感じた所以である…
本作はじんわりとした余韻が残る作品だった…
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(上下巻共通)
いまいち、感情移入をすべき人が見当たらない印象。
当事者の考え方はわかるんだけれど、売りがわからないっていうかね。(^^;
最後の武士の矜持を主題とみるべきだとは思うんだけど、どちらかというとドタバタ喜劇的な感じもするしなぁ。
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29年1月25日読了。
無血開城を控えた江戸城に居座る六兵衛。何者なのか。上巻最後辺りからどんどん面白くなっていく。武士という精神像とか、幕臣の姿が時代の流れの中で、変わっていく様子が面白い。幕臣の勝も、薩摩の西郷も、徳川宗家を継いだ田安家達も、そして江戸城入城を果たした新政府軍も、六兵衛の武士の中の武士たる態度に、なす術も無い。彼等は江戸以上の時代を作れたと言えるのだろうか。
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そもそも歴史に詳しくないと前提知識足らずで面白さを理解出来ない のかもしれない
大政奉還に際して引き渡される江戸城に黙して語らずの侍が居座ってしまった というところから始まる。
全体的な語り口はやや当時の口語を意識したもので雰囲気はあるし読みやすかった が、あまりにも良きものを良しとして奉ずる精神が見えてちょっと… というところ。
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『ゴロウ・デラックス』で紹介された浅田次郎氏の「黒書院の六兵衛」読了。
幕末の江戸城引き渡しにおける悲喜劇。
六兵衛は武士の矜持を体現した概念であっただろうから、あのような形の幕引きであり、正体は謎のままなのだろうなと。一時代の終演をこのような切り口で物語った浅田氏の手腕は見事。
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動かぬ六兵衛が周囲を動かす。周りがアタフタしているのに一向に動じない、その対比が面白い。人々は六兵衛を通して何を見るのか、何を恐れるのか。まるで合わせ鏡のように自分を内省する装置のようだ。
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的矢六兵衛とは何者なのか?正体を探ると見え隠れする的矢家の複雑な事情が・・・。天朝様の登城が迫るなか遂に六兵衛は最も高貴な黒書院へ・・・。家康の作り上げた江戸幕府の260余年の平和のバックボーンとは。
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居座り続ける六兵衛を巡って、周りの人々は彼の正体をあれこれと詮索する。
あるいは前将軍家、あるいは公家衆の差し向けた間者、はたまた英国の密偵とまで。
その彼らのドタバタは、著者の『プリズンホテル』を想起する。
騒動の果て、六兵衛とは「流れゆく時と変節せる人心の中にあって、母なる国の花のごとく風のごとくに変わらぬ良心そのもの」と、視点人物を通じて、著者は明かす。
いつの時代でも、目先の物事に惑わされることのない良心を見失ってはいけない、これがこの作品に込めた著者のメッセージか。
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江戸城の奥深くに居座ったままの六兵衛
ついに天朝さまがおこしになり・・
結局、六兵衛は誰で何がしたかったのか。
「武士の良心」みたいなまとめ方で
キツネにつままれたような結末(笑)
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六べえの正体は結局・・・?
今までの経緯から最後につながってほしい。
こういう終わり方は避けてほしい、と思っていた終わり方で何とも。自分が読み切れてないのかも・・・。
旗本になるために支払った大金はどうやって手に入れたのか?
西郷は正体を知っていたみたいなところもあるが。
わからない。誰か頼む。
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面白かった。しかし、ちょっと消化不良です。
江戸城明け渡しが決まった中、一人だけ居座り続ける御書院番士、的矢六兵衛。
彼をめぐるミステリー仕立て?の展開となっています。
下巻では、六兵衛の正体がさまざまな憶測で語られていきます。
誰も顔を見たことのない徳川慶喜説
公家からの間者説
イギリスからのスパイ説
などなど。
そんな中、六兵衛の居座る場所は宿直部屋からどんどん格上げして、ついには、最も高貴なお座敷の黒書院へ。
果たして、天朝様のご到着までに、退城させることが出来るのか?
六兵衛の正体は?
といった展開です。
六兵衛を通して武士の矜持が語られています。
そんな中、ミステリーとしては、その正体含めて、ちょっと納得がいかない設定です。
なので、ミステリー仕立てではありますが、ミステリーとして読んではいけません。
しかし、江戸時代末期に忘れられつつあった武士のあるべき姿や矜持が、新しい時代に変わっていく姿という意味では、とても意味ある終わり方でした。
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うーん、浅田次郎っぽいと言えばそれまでだが、なんとも冗長。もう少し展開があるのかと思ったのだが。ただ、六兵衛の生きざまに貫かれている武士道とそこに加味されている人間味のバランスが、なんともいい。昔の日本人気質や心根、細やかな情を書かせるとこの作家の右に出る人はいない。