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技術や歴史の記述もあるが、ドライバーレス・カーの時代が間もなく到来しようとする中で、何が起きようとしているのか、どのような影響が起こるのかの考察が面白い。
様々な今日的知識が散りばめられ、極めて啓発的な書であった。
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人工知能の現在について、自動運転車(ドライバーレスカー)を具体例として取り上げて解説した本としても読める。
日本にいるとわからないが、自動運転車はもう思いのほか現実性のあるものとなっていることがよくわかる。日本が世界に(少なくともアメリカには)大きく後れをとっている、という現実を認識させられる。
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「自動運転」の現在のみにフォーカスをあてず、長年の研究の系譜に置こうとしていることが分かり、バズワードさが消えていて冷静に捉えている印象を受けた。
ようやく自動運転カーを実現するための環境や技術がととのってきた、という論旨になっている。
何が欠けていたのか、というと「物体を認識するための中位制御技術」であり、カメラやセンサーの類いと、それを理解するための人工知能。
生物の進化と重ね合わせている点も面白く、視覚情報を獲得したことにより爆発的に進化が起ったように、自動運転でも「センサー」という視覚とそれを理解する頭脳を得たことで、実現に向けた環境が整い始めている。
著者は(安全な)自動運転の実現に向けては、グーグルと同じアプローチを採ることが良いという認識のようだ。
つまり人間とソフトウェアが混在しない形での自動運転システム。
いわゆる定義されているレベル3からこの状態に入っていくが、確かにグーグルの実験にもあるように、当初は慣れていないこともあり、慎重になるだろうが慣れちゃうと確かに怖い。気を抜けないくらいなら、自分で運転しようか、ともなりかねない。
と、欠点や危険性の指摘もなされている一方で、採用の基準なども提言がされており、体系的な理解に非常に役に立った。
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最近話題の自動運転について
自動運転によるメリットは相当に大きく
・交通事故関係の医療に係るコスト(米国で年間180億ドル)およびそれに関連する賃金(330億ドル)が節約される。そのかわり医療、保険、臓器提供などの産業は大きな収入源を失う。
・ドライバーのコスト(トラック、タクシーなど)を削減する。輸送コストの問題で地方でしか販売できなかった食材などを他地域で売ることができるようになる。
流通業も現在は集荷センターに一旦集めて輸送するというハブ・アンド・スポークの形を取っているとことが多い。これはドライバーのコストが高いためこれを減らそうとしているのだが、走行距離が長くなり、配送も遅くなるなど効率は良くない。自動配送車が普及すれば、店から直接消費者の所に商品を届けるようになるだろう
・運転に費やす時間を削減する。平均的な米国人は1日3時間を運転に費やし、年間63時間渋滞にはまっている。こうした時間を生産的な労働時間やプライベートに当てられる。
・事故の可能性が少ないため車体は小型化、軽量化できる。無人配送車は配送物並みの大きさで事足りる。
現在、交通事故による死亡者は毎年世界中で120万人にのぼる。
米国人が交通事故による怪我で入院する日数は年間述べ100万日になる。
臓器移植の約20%が交通事故の犠牲者からによる。
飲酒運転による犯罪は刑務所の入所者の7%を占めている。
駐車違反などの取締は自治体の財源にとって、大きな比重を占める
・人間が運転しなくなれば道路標識や信号もいらなくなる。デジタル3次元モデルの中に仮想的な「標識」が表示されるだけになる
ただし、実現に向けての課題も多い
・まず部分的な自動運転を実現し、その後段階的に全自動運転を、という考え方は一見自然なのだがうまくいかないだろう。人間と機械が協調することは難しい。運転のように退屈な作業では人間が責任を機械に譲り勝ちになるからだ。一気に完全自動化を目指す方がよい。
・現在の技術もかなりよいところまで来ているが、ソフトウェアに自分の命を預けるためにはその制度を99%ではなく、99.9999%にしなければならない。これはかなりの難題である。
・車同士で通信するという考えもあるがこれは難しい。例えば10%の車に通信機能が普及したとしても相互に情報を伝達し合える車と出会う確率は1%にしかならない。それにこの手の分散型の通信方式は脆弱で、セキュリティ上の問題を抱えている。不正アクセスを防げないだろう。
・事故が不可避であるとき、右側にいる子供と左側にいる老人をそれぞれどのように数値化し、どちらを選ぶのか、という問題も出てくる
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とても丁寧に分かりやすく書かれている。教養として読んでおくには◎。
車の運転自動化は予測されるケース内ならば、すぐさま可能らしい。
移動ロボット工学とディープランニングと呼ばれるAIソフトの向上により2025年目標のドライバーレスカー。
①人的被害の問題
②1%の情報処理の多さ(不測の事態、コーナケース)
この二つの問題が実用化を遅くさせている。
ドライバーレスカーに必要なのは、
デジタルカメラ....泥ほこりに弱い
Lidarライダー....光探知測距 3次元デジタルモデル
レーダーセンサー....電磁波利用
レーザーレーダー....音波 風は×
GPS....4基の衛星必須 乱気流は× 高層ビルで反射
IMU 慣性計測装置....GPS補完
ディープランニングのコンテストで2015年、マイクロソフト.北京大学の研究室チームが1位をとる。
イスラエルのモービルアイは視覚認識ソフト
グーグルのフリートランニング
SLAM 交通予測ソフトの精度も上がる(データの取り方.非線形システム このデータの取り方により精度が進化。)
現状は、自動車産業とソフトウェア産業の戦いです。
ハードウェアの価値はなくなると、自動車産業は工場の一つとなってしまう。
グーグルとフォード
マイクロソフトとボルボ
GMとリフト
百度とBMW
自動運転は、ロボットオペレーションシステムから発展。初めは、人間参加型ソフトウェアがベストだと思われていた。(飛行機のように)
現実は×。責任を分け合うことは×だと結論。
道路にではなく、車に知性を持たせている。アメリカの「コネクテッド.システムは×。(GPSの発明による。)
インターネットインフラ...データ処理能力を持たないほうが急成長。データが変わるとインフラも更新しなければならない。交通インフラは単純なほうがベスト。
産業革命は0原理と呼ばれている。
コンピューターは計算コストが0。
ドライバーレスカー
①事故コスト0
②運転に費やす時間0
③環境コスト0(車体の大きさ、エネルギー)
④運転手0
車産業に関わる事業は多く影響を及ぼす問題は大きい。
①電力 リチウムポリマー 電力効率UP
②演算能力の加速度的向上
③センサーテクノロジーの向上
④データ記憶能力の向上
⑤通信能力の向上
政府、監督規制、交通規制、責任法、保険の補償など人的要因による遅れが大きい。
ドライバーレスカーなんて、まだまだ先の話のような気がする。
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実用化が視野に入ってきた自動運転テクノロジーについて、何故、何が可能にしてきたのかを概説。付随する産業構造の変化についても示唆する。
自動運転について、断片的・夢物語的な話を聞くことが増えてきていますが、きちんと取材し現状がしっかりまとめられています。
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自動運転本 2冊目。自動運転の歴史についての詳述は参考になる。全体としてはシリコンバレー派の楽観論に与しつつも、プライバシーの問題やトロッコ問題と保険、セキュリティに関する懸念なども表明。ディープ・ラーニングによるコンピューター・ビジョン発達の影響を、カンブリア大爆発の光スイッチ説のアナロジーと見る観点は面白い。
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「最近、自動運転と鉄道に興味があります」の第五弾(転職するわけではないです)。20世紀から取り組まれている自動運転研究の歴史とディープラーニングによるブレイクスルーや、自動運転が蒸気機関・コンピュータと並ぶ大きなイノベーションになりうることが書かれています。よくまとまっているのです。
続きはこちら↓
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<目次>
第1章 ロボットのドライバー
第2章 ドライバーのいない世界
第3章 究極の移動手段
第4章 独立した知性
第5章 人工知覚の開発
第6章 「電子制御道路」構想
第7章 高性能な道路ではなく高性能な車を
第8章 ロボットの台頭
第9章 ドライバーレス・カーの構造
第10章 ディープラーニング
第11章 ドライバーレス・カーを支えるデータ
第12章 ドライバーレス・カーの波及効果
<内容>
近年クルマは進化が止まらない。ドライブアシスト機能が充実している。著者は、ドライバーレス・カーの推進者の一人なのだろう。そちらを推す文章が続く。ただ、この分野の歴史や技術をコンパクトにまとめてくれているし、実例も豊富なので、イメージがしやすい。多分、技術的にはここ数年で著者の想定するクルマが完成するだろう。特にディープラーニングの進歩により(日々、AIが学習しているから)。問題点は、法律的な規制緩和と、ネットワークを使う以上、ハッキングやソフトへの干渉になるのだろうか?日本は、まず規制緩和だろう。利点の多い、ドライバーレス・カーだが、汎用になるにはまだ十数年はかかるのではないか?