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紙の本
封印作品の悲哀
2017/05/05 17:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
封印作品の謎に迫る第二弾。
今回は、ブラックジャックの2話、キャンディ・キャンディ、ジャングル黒べえ、オバケのQ太郎の封印に迫る力作でした。ロボトミー抗議事件の人身御供となったブラックジャック。共作・合作ゆえに封印に追い込まれたキャンディとQ太郎。ねじ曲がった正義感を持つ独りよがりな「有田家」による抗議運動と、事なかれ主義の出版社の犠牲となったジャングル黒べえ。作品の内容と関係のない思惑や欲望で封印された名作たちの悲哀を感じました。
なお、ジャングル黒べえとQ太郎の封印は最近解かれたようで、少し安堵しました。
ところで、私の妻もキャンディ・キャンディは少女漫画の名作中の名作と言っており、私も読んでみたいと思いました。しかし、今のままでは、二人(原作者と漫画家)の死後50年経過して著作権が切れないと、封印は解かれないようです。そもそも、唯一の代表作で稼ぐしかない漫画家「いがらし氏」の私利私欲が発端であり、作品には罪はありません。いがらし氏は裁判でも負け続け、誰一人として味方はいないわけですから、読みたいと思っているファンのためにも、自分が死ぬまでに自分の過ちを認め、復刻してもらえないものかと思いました。
紙の本
ぱっと見
2017/03/28 22:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットの噂を集めたような便乗コンビニ本のように見えるが(失礼^^;)、きちんと念入りな取材に基づいて書かれたものだった。特に『キャンディ・キャンディ』の裁判の経緯、争点を整理してくれたのは助かった。そしてあとがきにみるに、ノンフィクションライターの世界はやはり厳しいのね。
紙の本
削除しないところは残してほしい
2017/07/10 20:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「オバケのQ太郎」について書かれた個所で、文庫本の「封印作品の闇」で加筆した個所が削除されている。加筆した個所で「新オバケのQ太郎」はAが著作権を持っているが、「あれは小学館側が、意図的に出さなかった」。一度、再版しようとして「旧」がらみでダメになった事(「新しい装丁まで考えていたんだが……」とあるから、ある程度企画が進んでいたらしい)も書いていて、「新オバQ」なら一話なら収録されていた本が出版されていた事や「コロコロコミック」の創刊30周年で「新オバQ」の1巻が旧装丁で附録についていた事も書いているのに、何故削除するのか?「私が『オバQ』を取り上げたことがきっかけで、広く封印の実態が世間に知れ渡ったのは確かだろう」と「自負」するなら、この加筆個所は残すべきだった。でないと読者に誤解を与えるだろうに。
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