紙の本
振り返れば猫がいた
2023/08/30 21:55
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻が面白かったので、シリーズ2巻目の本作に足を踏み入れることにした。
よくある江戸の裏長屋の店子たちの人情もの、という側面もあるが、本シリーズの醍醐味は、主人公である猫描き拾楽の隠された秘密と、そのことが様々な異質な人間たちを長屋に引き寄せ、事件が起こるという設定だ。
さて本作では、またも正体不明の人物の独り語りが舞台の幕開けを告げる。
この独り語りが独特な味わいをこのシリーズに与えつつ、舞台の袖でつぶやく狂言回しのような役割も果たしていることから、江戸庶民の最大の娯楽であった芝居小屋の雰囲気を濃厚に放っている。
独り語りが終わると同時に舞台は一瞬暗くなり、そしてぱっと鯖猫長屋が現れる・・・という印象を読者に与えるのが舞台的な味わいがある。
本作の敵役は、またも拾楽の過去に関わりのある人物らしい。前作と同様、この影の人物は別の顔で表舞台にすでに登場しているようだ。この人物の正体を見極められるかどうかが、次々と起こる事件の解決の糸口になる。
そしてこのシリ-ズに輝きを添えるのがハシバミ色の瞳ですべてを見通す力を持つ鯖猫の「大将」ことサバである。肝心な場面になると首筋の毛を逆立てたり、瞳をきらめかせたり、「なーお」と合いの手をいれる。どれも実にいいタイミングでついつい顔が綻んでしまう。
実際猫というのは人間の目に見えないもの、耳に聞こえないものが感知できる能力があるのは猫好きな皆さんにはお馴染みのこと。
閉じた扉の向こうに神経を尖らせ、聞き耳を立てているときは絶対何かいるのだ。
「暗い廊下になんか何もいないよね~」と恐る恐る私たちが問いかけても、猫は真剣な顔でわずかな気配を探っている。
「何もいないと思いたいならそういうことにしとこう」なんて猫は腹の中で呟いている。
たとえそれがゴキブリのささやきであっても、猫にとっては重大事件なのだ。
紙の本
人情と猫の活躍に心が暖まる
2017/12/13 11:28
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投稿者:チョコ74 - この投稿者のレビュー一覧を見る
田牧大和三ヶ森好きで、この鯖猫シリーズも愛読シテルノデ購入。下町の人々の人情に心がホッコリします。猫好きの方にもお薦め
紙の本
そこまでする?
2018/10/22 18:11
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
翡翠の話はちょっといただけなかった。○○、目的があるとはいえやる事が極端。軽い気持ちで行ったほどこしが悲劇を呼んだくだりには頷いてしまった。
鯖猫長屋にもう一匹の猫が。今後が楽しみ。
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いまいちだった別の作品の続編と勘違いしたまま読んだら面白かったので、先入観がどうであれ面白いものは面白いと当たり前のことを実感。サバがいいわ~。猫が謎解きを誘導する小説は多々あるけれど、この存在感は独特。
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購入。
ようやく読了。
いつの間にかさくらちゃんが。可愛いね。
読む暇なくて長引いたけど、楽しく読了。
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鯖縞模様の三毛猫サバが一番いばっている
「鯖猫長屋」が、住人が減って存続の危機に!
そんな折、団扇売りを生業にする色男が
長屋に引っ越してくる。どうやらサバが
一枚噛んでいるらしく…。
「鯖猫長屋」シリーズ第2弾。
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新しい住人涼太とサバの弟子?さくらが登場。サバとさくらを見て、猫いいな~、「猫描き、預かる」の嵐を見て、犬もいいな~と思いながら、お話も面白く読んだ。今巻もよかったです。
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サバってば本当に素敵。
さすが大将。
子猫の面倒も見ちゃうし、終盤の掛井との掛け合いは最高!拾楽がぼやくのが、また愉快。
おてるさん、智さんも魅力的だし。
今回は、拾楽の過去が追いかけてきて色んな事が起こったけど、それも一段落。よかった、よかった。
おはまちゃんとの関係は進展するや否や。続きが楽しみ。
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翡翠の玉の持ち主を探す話に登場した嵐の話がとても切ない。一人で暮らす男にとって、嵐はかけがえのない相方だったのだろう。嵐にとっても、大切なご主人だから守ってあげたんだろう。
サバの新しい子分、さくらの甘えん坊っぷりもまたかわいい。
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鯖猫長屋シリーズ第二弾
三毛猫ホームズの様に長く続いてくれるだろうか?
ん?
三毛猫-鯖猫
ホームズ-ホーム(家)の複数形=長屋 だったのか。
わけありの色男も加わり、子猫のさくらも登場した。
さくらがサバと連れ立つくらいになると、拾楽はかなり苦労しそうな気がする。
拾楽は気持ちを整理できた感じがするけれど、しかし、このまま、歯切れが悪く消極的で、サバとさくらに背中を押される拾楽であって欲しいな。
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シリーズ第二弾。
前作を(単行本にて)読んだのが2013年なので、忘れていた内容を、思い出しながら読みました。
サバと拾楽の関係が良いですね。仔猫のさくらも登場し、今後どのような活躍を見せてくれるのか、成田屋の旦那は猫達と仲良くなれるのか(笑)。第三弾も出ているようなので、早く読まねば!
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シリーズ第二弾。猫のサバを含め、登場人物のキャラが立っていて面白い。著者は猫好きなんだろうな~。ユーモアもあって、拾楽のぼやきや成田屋の旦那との掛け合いにはクスリと笑ってしまう。時代劇ライトミステリーって感じで、時代物をあまり読まない方も楽しめそうなシリーズ。気に入ったので次巻も読もう。
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1巻を読んだとおもって二巻を選んだのに、一巻を読んでいなかった・・・うっかり。
しかしにゃんこかわいい
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「鯖猫長屋」シリーズ第2弾
サバの子分がアジだったように、子猫の名前も魚シリーズでいってほしかった。
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鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第二弾。
其の一 色男、来る・・・鯖猫長屋存亡の危機に、長屋を買い取る
者が現れる。一方、入居した団扇売りの涼太には難儀な事が・・・。
其の二 戯作者、憑かれる・・・ニセ「黒ひょっとこ」が与えた
金が原因で、大工一家に禍が。戯作者豊山から頼まれる拾楽。
其の三 猫描き、預かる・・・拾楽が預かった翠の玉の持ち主は、
三人の内の誰か?ちょっぴり怪異だが犬の話が秀逸。
其の四 縞三毛、世話を焼く・・・ニセ「黒ひょっとこ」の正体を
暴くために動く、拾楽と掛井。
ちょっとした過ちが家族と人生を狂わせてしまう怖さ。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の2冊目。
最初の1冊は7つの話でしたが、今回は4つ。
各話の奥行きが深くなりました。そして、裏に潜む謎を示す、
各話の冒頭にある“問わず語り”も効いてます。
成田屋こと定廻り同心の掛井は、この巻で男振りが向上。
元・盗賊の拾楽と良いコンビとなってきました。
相変わらずの、長屋のまとめ役おてると差配の磯兵衛。
新登場の深川の主と手伝いの太市は今後の登場が楽しみです。
個性豊かな登場人物に、猫たち。
サバの力量は1冊目以上に発揮されていますね。
そして其の四最後の後日譚となる長屋の今後と其の三の後始末。
これまた良かった!続きを読みたくなってしまうじゃないの(^^♪