紙の本
読む前からワクワクが止まらない!
2017/01/30 16:03
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投稿者:ぷにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「生物と無生物のあいだ」の続編などと書かれている。これだけでまんまとやられてしまう。それほどあの本には興奮させられたものです。もとより福岡さんの本は大好きですが、アレは別格です。繰り返します。そう、アレの続編(とコマーシャルされているもの)です。
じつはまだ読んでいません。お楽しみはこれからです。皆さんも一緒に体験しましょう。生物学のワクワク・ドキドキツアーを。
紙の本
楽しめたよ
2017/05/30 22:16
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アマゾンの書評がさんざんだったので買うのを躊躇したが,それなりに楽しめた。もちろん“生物と無生物のあいだ”ほどのインパクトはない。それでも大学の研究者の物語を好む読者(って何人いるかはさておいて)には歓迎されるし,それでもロックフェラー大学の客員教授なのだから,その辺の二流大学の教授よりもすぐれた業績を挙げているにちがいない。たかが新書ですから…。
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2017/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2018/5/21〜5/23
空きも空いたり8年ぶりの福岡作品。福岡先生がポスドクとして働いていたロックフェラー大学の生命科学の研究者たちへのインタビューを中心に福岡先生自身の研究についても語られる。しかし、ロックフェラー大学の環境は素晴らしいな。日本ではなぜこういう組織ができないのだろうか。
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生命科学について、毎回わかりやすく新しい知見に触れることができる福岡先生の著書。ロックフェラー大学を一度見に行ってみたくなった。
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ロックフェラー大学の存在理由を背景に,生命科学の意味を繙く.その存在理由に賛同し自発的に支える優秀な研究者が集まるということに納得する.
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DNA、細胞の神秘の一端に迫る生命科学をこのように一般的に読めるレベルに落とし込んでくれるとは素晴らしい。
第1章はここ数十年の生命科学界のブレークスルーについてわかりやすく解説(とは言ってもそれなりに専門的)
第2章は生命科学の分野で世界的にリードし続けるロックフェラー大学の偉大な科学者達との対談(著者もロックフェラー出身!)
第3章からあとがきにかけて著者自身の研究過程を交えた今後の展望を見て、あらためてまだ未読で同じ著者の「動的平衡」を読みたくなった。
DNA、細胞の地道すぎる研究過程を見て、ビュアなタンパク質を取り出すために、科学者自身もどこかピュアではないとこの世界で偉業を成し遂げるのは難しいのではないかと改めて思う。ついついSTAP細胞事件思い出し、あれは真偽はともかくとして基本的な研究姿勢としてまだまだあらゆる点でそのピュアさが足りないと感じてしまった。
それにしても、このレベルの内容を平易な日本語で読めることに感謝です!
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久しぶりに福島先生の本を読んだ。アマゾンレビューには辛辣な言葉が踊っているようであるが、素直に面白いと思った。
ただし、生物学(それも分子生物学の初歩)がわかっていないと内容の半分はわからない。かく言うわたしも初学者であるため、内容の面白さが半減している。
ただ、其れを勘案しても、福島先生の文才には敬服する。サイエンスライターとしては一級の腕前でしょう。教育者でもあるわけですし、高校の生物学や大学初等教育用の分子生物学の教科書を書いていただきたい。特に医療系には好むと好まざるに関わらず、生物学や生理学は必須であるため、強制的に勉強する。しかしお世辞にも読んでわかりやすいとはいえない代物ばかりである。学問的に厳格であり、間違いない書き方が結構わかりにくかったりする。かといって、今はやりの漫画を書けばよいかといえば、絵は親しみやすいがシナリオが面白くないために、ますますわかりにくい状態となっている。
改めて「生物と無生物のあいだ」を読み返してみようと思う。
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現在、筆者が研究中の膵臓内に存在するGP2タンパク質は、特定はできたが存在理由が分からなかった。
GP2タンパク質だけ排除したマウスは、普通のマウスと比べても健康上問題が見られない。
いったいGP2タンパク質の働きとは何なのか。
しかし、とあるきっかけでGP2タンパク質の働きを確認した。
細胞の振舞いは、一見ではわからない。
それは、社会でも同じだと思う。
一人一人は社会全体を俯瞰しても、何の働きをしているのか分からない。
それでも、何か意味があって存在しているに違いないのだ。
生命とは何か。
ロックフェラー大学の生命科学のフロントランナーたちとの対談集。
生命とは何か。
ノーベル生理学、医学賞受賞者のグリーンガードの回答が印象に残った。
曰く「これは哲学者に訊く質問であり、科学者に訊く質問ではありません」
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ロックフェラー大学での著者の経験や研究環境など、興味深い内容は多々あり。
DNAの発見に至る経緯は楽しく読むことができました。
ただ、ロックフェラー大学の科学者へのインタビューで、生命とは何か?と尋ねるところは、少し自身の研究視野に閉じた問いで異質な内容に感じ、相手によってはおそらく著者が求める回答とはほど遠いものもあるように思いました。
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細胞に含まれる高分子のうち、一番複雑なのはタンパク質だ。だから遺伝子は特殊なタンパク質であるに違いない。これが当時の常識だった。
核酸は高分子であるけれども、4種の構成単位だけを持つある意味で単純な物質だった。だからこそそこに複雑な情報が含まれているなどとは誰も考えていなかった。
20世紀、生命科学の最も劇的な変革は、生物を単なる個物として考えるのではなく、情報の流れだと捉え直したことにある。
糸巻きのようにDNAを巻きつけるためのタンパク質としてヒストンがある。ミルスキー(エイブリーの核酸説を否定していた)は、DNA結合タンパク質であるヒストンの状態と、遺伝子のスイッチのオン・オフが関係するのではないかという問題について、1950ー60年代に早くも示唆的な洞察を行っているのだ。
これはエピジェネティックスという。
ES細胞やiPS細胞では、エピジェネティックな変化がいかに初期化されているのか。
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著者である福岡伸一さんが若き頃学んだロックフェラー大学。この大学で学んだ科学者との対談も楽しいが、生命科学は何を解明してきたのか?の章は序章と合わせて、必見。平易な言葉で科学の最前線を知ることができる。
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『生命科学の静かなる革命』 福岡伸一
生命科学の権威である福岡教授による、近年の生命科学の革命的偉業についての概略書。氏がかつて在籍していた“科学村”ことロックフェラー大学を中心に、ストーリー形式で親しみやすい文章で偉業が説明される。
近年の生命科学におけるパラダイムシフトは、「生命を情報として捉えるという新たな思考方式」にあった。ワトソン・クリックによるDNAの二重らせん構造の発見は、ACGTによる特異的な「対」によって情報の相補性が保たれるという構造の発見であり、生命現象の根幹である自己複製において、情報がどのように保存され、どのような形で流れるのかを指し示していた。
DNAが遺伝情報の根幹であるという着想は、ロックフェラー大学のオズワルト・エイブリー氏による発見であり、ワトソン・クリックの発見もさることながら、エイブリー氏の功績も大きい。
そして、DNAの二重らせん構造の発見以上の革命的な発見が、本書で中心的に語られるヒューベル・ウィーゼルのコンビによる発見である。HWは「脳がどのように世界を捉えているか=この世界を構成する要素をどのように取り出し、そんな形でコード化されているか、そして、コード化された情報をいかにデ・コードしているのか」ということを発見した。
我々は、自分の眼球が捉えた映像は、そのままシャッターを切るように網膜に映り込み、脳内に投影されることによって、ありのままの世界が見えていると思っている。しかし、それは事実ではない。
画素数1億のセンサーが捉えた情報が150万程の神経細胞によって受け取られ、それが脳の奥へ伝えられている。しかし、この150万程の神経細胞は写像を平等に切り分けているわけではない。HWが発見したのは、ある一定の傾きを持つ線だけに反応している神経細胞があるということであった。様々な反応特性を持った神経細胞は、フラットな光情報を、それぞれが対応する特別な性質にいちいち徹底的にバラしている。そして、一旦バラした光情報を再構築することによって、世界を捉えている。アナログで、切れ目のない情報を一度徹底的にデジタルに切り刻み、そしてそれを一定の基準で再構築することによって、人間は世界を捉えている。決してアナログをアナログのまま捉えているわけではない。
筆者は、この発見を元に、この革命についてこう結論付ける。
生物を単なる個物として考えるのではなく、情報の流れだと捉え直したことに、革命の本質はある。外界からの情報を取り入れて適切な応答をすることが、生きているということである。別のところでは、生命とは絶え間なくエントロピーを汲み出す「動的平衡」(=相反する二つの逆反応が、同時に存在することで保たれる平衡状態のこと)であると筆者は言う。世界の捉え方も、一種の動的で可変的な仕組みによってなりたっており、生命とは、たしかに、情報の流れ(運動的な何か)であるということは十分に理解できた。福岡氏は、動的平衡や相補性という概念と、生命科学の二つ革命が、ワトソン・クリックやヒューベル・ウィーゼルのような、二人の偉大なコンビによって成し遂げられていることの類似性も指摘していた。生命というもの自��が、相補的な「対」による動的ものであるというのであれば、それは人間社会においても、そうなのかもしれない。二大政党制や、ヘーゲルのテーゼ/アンチテーゼ、中世ヨーロッパの楕円的世界(ランケ)などなど、二つの相反する概念や考え方の動的平衡によって保たれた均衡状態というものはいくつか挙げることができる。W・リップマンは、社会学や哲学は、科学の発見をフォローしていると『世論』に書いていたが、動的平衡という概念も社会や人間の生き方を捉える上で、重要な示唆となることだろう。
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ロックフェラー大学の研究者へのインタビューがまとめられている。各研究者がどのような思いで研究をしているのか、研究環境についての考えについて語る。
それぞれの専門分野がありつつ、生命のなぞについて解明しようという熱い姿勢は変わらない。
生命とは、という問いへの答えには、それぞれの科学者としての専門や研究内容にとどまらず、これまでの生い立ちや価値観が反映されているように思った。
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福岡氏の筆力のお陰でエイブリー、ウィーゼル、ヒューベルといった科学者の存在をとても身近に感じられるようになりました。さすがです。
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私自身は高校の理科の知識(の残り滓)しかないから、分かったような分からんような感じです。
でも、ロックフェラー大学院の研究者との対話を通じて、研究者ってどんな人たちなのか、垣間見えた。
研究者って好きな研究ばかりやってお金もらえて…なんで仕事では全くない。
福岡さん自身の研究は、「日の当たらない研究室に籠もり」「仮説の大半は間違ってるし」「実験の九十九パーセントは落胆に終わる」「心が折れて、すべてを投げ出したくなることもある」そうだ。
報われるのは本当に一瞬。
それでも、科学にまだ分かっていないことがある限り、研究者は実験に挑んでいく、冒険者だ。