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【アニメ「鬼平」観てから読むか、読んでから観るか】鬼平誕生五十年を記念し、より読みやすい文字の文庫決定版を順次刊行中。カバーも一新、二〇一七年は鬼平で明け、鬼平で暮れる。
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脇役たちの魅力は、密偵に尽きる。善も悪も知ったうえで鬼平と世の平穏に尽くす。しかし、かつての仲間を売る彼らの心境は複雑だろう。「乞食坊主」「兇賊」「山吹屋お勝」などを収録。
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鬼平誕生50年を記念してより読みやすい文字の決定版として登場。後年、池波氏が著者自身の鬼平ベスト5に選んだ「山吹屋お勝」ほか全7編を収録。
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悪人さえも魅了する長谷川平蔵さんの人間臭さが魅力的なシリーズの第5巻。
悪いヤツは平蔵さんの胸三寸でいたぶって即刻処刑とか、ある意味まどろっこしさがなくて良いなぁ!
冤罪ではない場合に限るわけだけれども…。
犯罪者が生きているってだけで、被害者やその遺族はものすごいストレスになったりするし、今の日本も私的な報復を国家が禁じて、国が処罰権限を独占するのであれば、それだけ国民の感情に沿った対応をしないとダメだと思う。
机上の道徳理論で、自分が犯罪被害に遭ったわけでもない理想主義をほざく自分が大好き人間の声も壊滅する必要はないけれど、そこばかり大きくとらえてもいけないと思いました。
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池波正太郎 著「鬼平犯科帳 5」、2017.2発行、7話。いよいよ佳境でしょうか! 7話中、5話が☆5つです。「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「兇賊」「山吹屋お勝」。今回は侠義のある賊が多かったです。信念のある?賊、それを認める平蔵、なかなか読んでて楽しいです。
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“「気に入った‼︎」
「なんとね?」
「いや。気に入りましたよ、平蔵さん」
「なにが?」
「その、いのちがけというやつがね」
「ほほう、そうか」
「その、いのちがけというやつを、私は、もう二十年もさがしつづけて来たのですよ」ーーー「乞食坊主」より”
池波正太郎の『鬼平犯科帳』を
ぽつぽつと読み続けている。
シリーズ物は長続きしない自分だが
なんとも珍しい。
どの作品も味があって面白いが
とりわけ『乞食坊主』がよかった。
小さな社の裏手で、怪しい二人の男の
会話を立ち聞きしてしまった乞食坊主。
身なりこそ見すぼらしいが、
乞食坊主の正体、井関録之助は元剣士。
怪しい男たちの足取りを追ううちに
昔の旧友菅野伊介が、今は悪党の
手先のようなことをしていると知る。
録之助は平蔵のもとを訪れ
なんとか菅野を救い出そうとするという話。
人殺しなどなんとも思わず
盗みを働く悪いやつらがいる。
一方で、身を持ち崩してしまい
止むに止まれぬ事情で
悪事を繰り返す者もいる。
悪者だって時には被害者だ。
平蔵の判断は公明正大だが
時として正しさだけでは
測りきれないことを
自らの物差しで裁くこともある。
“「この御役目はな、善と悪との境目にあるのだ。
それでなくてはつとまらぬのだ。」”
悪党も正義も、
筋が通っていなければ
なんの美学もない。
確固たる意志を、生き様を、
こんなにも貫けるだろうか。
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内容(「BOOK」データベースより)
妻を亡くし、隠居の身であった平蔵の従兄・三沢仙右衛門が突如、茶屋女を「嫁にもらいたい」と言い出した。老父の情熱をもてあました長男に頼まれ、平蔵はその女に会いに行く(「山吹屋お勝」)。後年、著者自身が鬼平ベスト5に選んだ本作ほか、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「鈍牛」の全七篇を収録。
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厳密にいうと、読んだのは1978年5月25日代一刷の文字がまだ小さい時のもの。収録作品は新しいものと同じ。別の版で一回別に読んでいるから、二度目。久しぶりではあるけれど、骨太のようで実に書き込んであって、それでいて無駄がない。前読んだとき泥棒の年表とプロフィールを抜き書きしたら、人物関係がわかって面白いかもと思ったのだが、実行していない。でてくる泥棒グループは大元をたどると、地域、人殺しをするかどうか、ひとりばたらき、縁故関係などで、わかれるのか。親子関係、男女関係、人間関係は泥棒さんたちのほうがバリエーションに富んでいる。
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▼「鬼平犯科帳5」池波正太郎、文春文庫。初出は1967−1989、月刊誌「オール讀物」連載。江戸時代に実在した「火付盗賊改・長谷川平蔵」を主人公として、平蔵とその仲間、そして捕物相手になる盗賊たちを描いた連作捕物帳小説。
▼この巻収録は以下の7篇。
・深川・千鳥橋
・乞食坊主
・女賊
・おしゃべりの源八
・兇賊
・山吹屋お勝
・鈍牛
【深川・千鳥橋】は盗賊に図面を売っていた大工が死病に冒されて余生を静かに過ごそうと金を工面するが・・・という話で、設定からして味わい深かった。
【乞食坊主】は「平蔵の頼りになる仲間が意外なところから現れるシリーズ」とでも言うべき一編。ゲストの乞食坊主キャラが光る。
【女賊】この話に味をしめた(失礼)のか、同じような女賊が今後も出てくる。
【おしゃべり源八】このシリーズ2度目だと思うのだけど、記憶喪失ネタ。
【兇賊】この話で出てくる九平という芋酒屋の親父(元盗賊)がいかにも池波正太郎テイスト。
【山吹屋のお勝】現役盗賊と密偵が焼け木杭で・・・という珍しい一編。
【鈍牛】この一冊の中でいちばん個人的に記憶に残る作品。いわゆる知的障害の若者が冤罪に問われる内容。一方で同心同士の手柄争いも大変だなあ、と思わせられる。木村忠吾なんて何だかんだミスをしていても「お頭のエコひいき、あいつは羨ましい」とか言われているんだろうなあ。