紙の本
今となっては当たり前の話
2022/08/03 19:14
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時も割と知られている話だったので、特に目新しさはない。教育改革を行うのは何のためなのか、よく吟味しなければならないとは思います。
これからの時代のためというけれど、PISAをはじめ欧米的な価値観への追従は本当に正しいのか、欧米の理念まで理解できているかといったことは、今後も大きな課題になりそうです。そして、予測不能なのに、こういった力が必要になるという予測ができているのはそもそも矛盾では?とも思います。
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2020年の大学入試改革に伴う教育改革に対して、現場の教師はどのように変容していく必要があるのか、その指針を示した新書。
大学入試改革の必要性、教育改革の必然性、そして教育現場の問題点が、非常に論理的に、かつ現場の状況を正確に捉えて書かれている。特に現場の教師が「知的好奇心を忘れている」という指摘は、本当に的を射ている。実際多くの教員が本を読まない。授業の準備はしても、それ以外の時間は趣味に消えていく。プライベートを充実させることはもちろん重要なことだが、「学ぶことの大切さ」を持たない教員が多すぎる。そこの意識が変わらなければ、どんな改革も上滑りに終わりそうな気がしてしまう…。
ただ、自分自身にとっても心の片隅で常に意識しておきたいこともあった。「教師なのに主役感を持ってしまう」。金八先生やGTOなど、教師が主役のドラマは多い。それに憧れて教師になった者も多いだろう。私もあそこまでは理想論者ではないが、学級を主役級の力で導いていこうとすることはやはりある。主役は生徒なのだ。学ぶのは生徒たちなのだ。
「教育」とは「教え育てる」のではなく、「教え合い育つ」ものであるという、誰かの言葉を思い出した。若手教師は一度読んでおくことをお勧めする。
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石川一郎先生の著作第2弾。今度は2020年の教育大改革に向けて、我々教師はどうあるべきかについて。読んでいて、そうそうと思える内容で、今様々な所で議論され、実施が促されている施策や方法論についてを分かりやすく、かつ深くまとめられている。頭の中がすっきり整理されたとともに、いわゆる「もや感」も残っている。それはきっと、これからではどうあるべきなのかの自分に対する「もや感」なのか。答えのない『問い』を自分にも投げかけられている。答えはないが方向性は模索していかなくては。何よりも自分軸は何か、ぶれない自信はあるのか。でもそれも揺れ動いていいのか?それも実はあやふや。悩むところだが、その悩みも全て、未来に向いている。
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とてもわかりやすく書いてあり、一気に読めました。
入試問題が、2020年から変わっていく、という話は受験に関心のある方ならなんとなくわかっていると思いますが、その入試問題の変化に、教師の側がどう対処していくべきか、という観点から具体策について触れた記述は今までみたことがありませんでした。私は教師ではありませんが、教師の方に読んでいただく、というよりこういった観点で今後、どんどん議論が進んでいくことがとても大事だと思い、埋もれないように祈るばかりです。
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次期、学習指導要領の改訂に伴う諸問題を
教員にフォーカスして書かれている。
諸問題は、現場の教員からすると
自明のことばかりではあるが、
教員集団にシェアされているかと言えば
疑わしい面もある。
どこか「対岸の火事」の雰囲気が
漂っているのも事実だ。
作問の仕方について、中学受験の例を
取り上げていたが、大変参考になった。
アクティブラーニング型授業や定期考査においても
このような制度設計が求められることは
想像に難くない。
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間近に迫ってまいりました。
2020年大学センター入試の変革。
もう他人事では済まされません。
でも、ここに書いてあることを鵜呑みにするのも変。
なぜなら、目の前で書かれていることを
「本当にそうなのか」と考えることが
結局、今回の教育改革の肝だから。
どういう教師としてあるべきなのか、
これからも考え続けていかねばなりません。
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2017/04/20
とても分かりやすく、腑に落ちる内容だった。確かに、現代社会は高齢社会、自国主義、環境問題など、答えが簡単に出ないであろう問題が山積み。その社会をよりよくするために仲間と協働して行動を起こせる人を育成することが求められる。私は学年末が近づくといつも自分の理想とするラインまで学級を育てなきゃと焦ってたなー。もっと大きな視点で、私自身も楽しみながら子どもと関わればよかったんだ。答えのない問いについて議論を交わすのは、想像するだけでもわくわくする。でも、それにはそのテーマに関する知識が多ければ多いほどいいわけで、要はバランスが求められる。私自身も気になったことはもっと徹底的に調べ上げて、良質な問いを投げかけられる教師になりたい。
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2020年という節目の年に向けてオリンピックを始め様々なことが動き出している中、教育界での一番の問題といえば「教育改革」である。具体的に言えばセンター試験撤廃と新方式での試験の実施であろうか。これらはセンター試験撤廃を前提としているわけではなく、いままでの詰め込み型教育を刷新していく上で重要なポイントとなるものである。
教育がどうなっていくか、現場の教師がどうしていかなくてはいけないか、作問のポイントとは、など非常にわかりやすく解説されており、非常に参考になった。
クリティカル・シンキングやアクティブ・ラーニングなど未だに共有できていないような現場の中でこれからは教員だけでなく我々家庭や地域も考えていかなくてはいけない問題なのかも知れない。
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2020年大学入試問題からの第2弾である。
帯には「新しい教育に適応できている先生は、ごくわずか。今こそ教える人間の資質が問われる」としている。つまり、文科省の改革を是としている立場である。また、はやりのアクティブラーニングの良さも書いている。
現役の教員(校長)であるらしいが、はっきり言って現状の子供を試ているとは思えない。
この本は高校を対象とした話であると思うが、アクティブラーニングやディベートを行う。または問のない答えを考え、自分の意見を述べる授業をしたらいいという。一見良さそうであるが、前提となる基礎学力には何も触れていない。
きちんとした議論や話し合いが成り立つには、グループの知識レベルがある程度一定でないと、成り立たない。大学生と中学生と小学生をグループにして、まともな授業が成り立つのかを考えればわかる。三度の飯よりも勉強が好きという子供もいれば、苦痛で仕方のない子供もいる。その嫌いである子供も含めて、これまでの教育で知識の強制をすることで一定の教養が身についてきた事実も無視されている。
また、この手の本にありがちなのは、外国の例を出して日本のダメさを指摘することである。これもまともな引用ならばよいが、やり方の一部を取り出して、結果と無理やり結びつけている。今以上の学力向上には、アクティブラーニングや答えのない問題を議論することではなく、教員が教育に集中できる環境を作ることであると確信している。
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05.12.2017
今の教育時事をわかりやすく解説。
現場以外の人でもよくわかると思う。
これから教員になる人は必読。
この本を一番読んでほしい中年以上の教員はきっと読まないんだと思う。
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<目次>
第1章 センター試験廃止は教育改革の序章に過ぎない
第2章 知識の「習得」から「活用」へ~変わる学校教育
第3章 日本の学校教育に欠落しているものは何か
第4章 教師の精神性こそが弊害となる
第5章 教師の役割はもう「教えること」ではない
<内容>
最近、もやもやしていた点をすっきりさせてくれた本。ただし、前作と違い、著者の筆は重い。理由は著者の周りの環境の変化もあるだろうが、第4章の所であろう。今までの「いい教師」が、この教育改革(がうまくいけば)で「ダメ教師」となる。教師が「教えること」から「プロデュース」することへ(もしくは「ファシリエーター」へ)変わること。言い換えると、「教えない」。課題を出したら見守る、サポートする、アドバイスする。答えは1つではない。答えを「教える」訳ではないからだ。そこについて、著者はまだしっくり来ていないのではないか。ベテランの教師は基本的に要らなくなる。
一方、現場にいる私にはこの本でも解けない疑問がある。この改革をきちんとやった問、どれくらいの生徒が付いてこれるのか。この教育改革には、基本的な「学力」が必要と思われるが、小中でちゃんと身につけてくるのだろうか?それなら思う存分、新しい「LEARNING」ができるのだが…
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2020年の大学入試改革、高大接続改革を受けた、小学校~高校までの教師向けの本。
ただ、現役教員で普通に関心を持っていればこのくらいの問題意識はあるのでは、と、思う。
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入試改革に関する教師問題に触れた本である。
改革に向けて一番の障壁となるのは現場の教師に相違ない。
あくまで学校の主役は生徒であり,教師は支えるだけの立場に過ぎない。
教師は学校内でこれからどのような立場で職務を果たすべきかを鋭くえぐっており,反省させられた。
普段教育関係の本を読んでも反論したくなる内容のものばかりが多いが,本書については珍しくそのようなことはなかった。
インプットができていない現状は本当に考えなければいけいないと思う。
何度も読み返し,今後どうやるべきか考察を重ねていきたい。
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新しい教育への提案。「考える力」を教えるとは何なのか。「日本の教育は時代遅れだ」と言い続ける時代遅れな人に捧ぐ。
これからの教師は「教えないこと」で子どもを伸ばしていかなきゃいけないから、大変なんだぞー!
ポイントは「モヤ感」