投稿元:
レビューを見る
この本に出会って、瀬尾ワールドにどっぷりつかることになりました。
この本の舞台は中学校だけど、小学校のときに似たような(といってもこんなに激しくないし、当事者でもない)体験をして、この本を読んで、そうか、こういうことだったのかと思った本。
自分が思っていたけどできなかったことを主人公がやった。
主人公は私が想像していたことと同じ結果を作った。
暗い話かもしれないけど、とても大事なことが詰まっている本だと思う。
投稿元:
レビューを見る
何とも言えない終わり方。すっきりしない。
でも、教育に携わる者として学校での問題に目を背けてはいけないと思った。
投稿元:
レビューを見る
暗いね、珍しく。
いじめについて、救いもなく淡々と。
耐えるみちると逃げる優子。
人の心はすこぅし変わるけど、
いじめはなくならない、卒業まで。
なんだかなぁ。
いじめってどうやってもなくならんよな。
それを冷静に突きつけられたら何も言えない。
投稿元:
レビューを見る
いじめ、学級崩壊の題材は親として人ごとではない不安で、胸が痛む。
陰湿ないじめを描きつつもどこか爽やかさが漂う文章なので少し遠くの立場から読むことができたが、いろいろ考えさせられた。
・いじめられる側に問題がある
・教師がなさけない
・学校なんていかなくてよい
・家庭に問題がある
様々ないじめの言い訳や対策に対して弁護も糾弾もあり、いじめ問題の複雑さに目がくらみそうだ。
予定調和のハッピーエンドを迎えるわけではなく、事情を抱えるそれぞれが少しだけ大きく成長して状況を飲み込めるようになったとしたところが小説として良。単純なハッピーエンドでは現実はそんな甘くないと思ってしまったところだろう(十分甘い結末かもしれないが)。
ただ、もし自分の子がと思うとどうしたらよいのか悩んでしまう。
結局なるようにしかならないということか。。。
投稿元:
レビューを見る
地味だと思っていた主人公が、あっと驚く活躍をするラストは爽快感があって、いい雰囲気で読める作品。教室を温室に例えたところもよかったです。
投稿元:
レビューを見る
110106
子どもの豊かな心を生かす場所であってほしいと感じる一方、学校がすべてではないと、教員志望ながら思います。また温室はぬるいだけでなく、自分を熟成させるところなのではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!
短いし、サラッと読めた!
ほんとに中学って温室みたいなもんで、
そのなかでバタバタしてて、
それぞれが悩んで、なんかよくわかんないけど
もっと楽しいことがあるはずだ、とか思いながら
大きな変化はなく…
っていうのはどこの温室でも何となく共有できる思い出な気がする。
なにが言いたかったのか自分でもよくわかんないけど、
中学とか高校とか、
そういう場所で進んで行く物語がどうやら自分は好きらしい
投稿元:
レビューを見る
あったあった、そうなのそうなの、などの共感のオンパレード。「温室」と言われる共同体の中で、生きていた時、あたしたちは、決してぬるま湯で生きているなんて自覚はなかった。むしろ、自分が不憫だった。いじめられていても、いじめていても、いじめられてなくても、どっかしらで、やり場のないもやもやを持って生活していた気がする。無知の特権とも言えるかもしれないが、はたして、「世界には、多くの道が延びている一方で、決して快適ではないけれどそれなりに安全な場所選ぶ」、ということは、この時期に限ったことなのか。そうでもない気が。もしぬるま湯に浸っていたとして、それについて外からとやかく言うのではなくて、その中で生きている自分を大事にしたいし、「ぬるいところだ」と悟りたくないと思った。こう思うのは、自分がまだ子供だからなのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
とても読みやすい文章で、読むのが遅い私も1日で読めた。
みちるは正義感が強くていじめに屈しない。そしてその強さこそがいじめられる原因になっていることに胸が痛んだ。
子供たちはなんと冷たい温室にいることか。
以前不登校の子供を指導したこともあり、学校に行かれなくなった子供たちの受け皿がきちんと用意されている今のシステムがはたしていいのか悪いのか、悩んでいた頃のことを思い出した。
最後の2ページで救われた気持ちになった。
投稿元:
レビューを見る
主人公の女の子2人が学級崩壊した学校で
それぞれが学校を元の状態に戻そうとするが
それが反感を買いクラスのいじめの対象になってしまう。
女の子の成長物語だと思います。
一方は不登校になり、カウンセリングを通し外側から
学校、クラス、友人を見守る。
一方は陰湿ないじめに耐え、内側からクラスを変えようと
する(途中で諦めてしまう記述もあるが)
薄くてとても読みやすいです。
小説初心者に是非薦めたい作品です。
投稿元:
レビューを見る
「平気なわけない。もう、学校なんか行くな」
さすが教師だけあって、登場人物の性格や考えなどはとてもリアルに描かれている。
誰もそこまで悪ではないくせに、残酷で、勝手で、矛盾している。
けれど、扱う話題が重すぎて、展開の綺麗さ・優しさが不自然に感じられてしまった。
瀬尾さんはどの作品も綺麗に終わるけど、それが不自然で無いのがよかったので少し残念。
しかし扱う話題が話題なだけに、このページ数では描写不足になってしまうのは仕方がないとも思う。
丁寧で優しい文章はかわらず読みやすく、すらすら読める。
しかし、中・高生時代は、本当にくだらないことで仲間はずれにしたり、悪口を言ったり言われたりしたなあ、と思いだした。
投稿元:
レビューを見る
特に凝った文章技法が使われているというわけではないが、非常に読みやすい文章で、肩がこることなく気持ちよく読むことができた。主人公である2名の女子中学生各々の目線から物語が書かれており、なかなかおもしろかった。
荒れ晴れた中学校が舞台で、そこに立ち向かう女子中学生2人。一人は、いじめの対象になってしまうことを覚悟で、その状況に立ち向かう。強い正義を胸に秘め、立ち向かう彼女の姿は非常に勇敢であった。この小説の良い所は、現実がうまく反映された話になっているという点である。正義感の強い主人公は、荒れ果てた学校の立て直しに立ち向かうが、やはりいじめの対象にあってしまい、小説の最後もハッピーエンドなのか微妙な終わり方であり、単なる美談で終わらせていないあたりが逆に良かった。
組織を変えようと立ち上がったり、皆と違うことに取り掛かる際には、それなりの力と忍耐がいる。中学校が舞台になってはいるが、組織を変えることに奮闘するとはどういうことか…現実問題を踏まえて描かれている点が魅力的な作品であった。
投稿元:
レビューを見る
今より少し前、公立学校が荒れていた時代のお話。ちっとも温室じゃない荒れた中学校が描かれる。小学校時代はいじめる側、そして中学では逆にいじめられる側になった主人公のみちると幼なじみのワル・瞬、そして小学校時代にいじめの対象だった同級生・優子が登場。荒れ始めた中学校の行方が1年間のいくつかのエピソードで綴られ、やがて卒業式目前に、、、瀬尾さんの作品には、ヒューマンタッチな視点といくばくかの理想主義的な側面がある。陰惨ないじめを描いていても、人生ってまだまだ捨てたもんじゃないぜというメッセージが伝わってくる。
投稿元:
レビューを見る
中学校が舞台、シンプルな話だと思う。
今の状況をどうにかしたい、損するのは自分だと分かっててもどうにかしたいという思いが勝って行動する主人公の女の子は凄いと感じた。
何より、自分の為ではなく周り為にというのが凄いところ。
投稿元:
レビューを見る
崩壊の合図。
教室に紙飛行機が飛び、授業も聞かない、しかし教師たちは何もしない。
そんな中学校のどうしようもない場面から、この小説は始まる。
この状況を「温室」と例えたのは言い得て妙。
作者の瀬尾さんが、実際に先生だということもあって、すごくリアルさを持って物語が進んで行く。
いじめ、不登校、不良。
そんなのはきっと別世界のことではなくて。すごく身近なところに転がってて。誰にでもありうることだから。
主人公のみちるの言葉が強く印象に残った。
「私は強くならなくちゃいけない。強がって取り繕うのではなく、本気でだ。」
柄にもなくかっこいいと思ってしまった自分がそこにいた。
ハッピーエンドではないけれど、一人一人の想いと行動が実を結ぶ、ちょっといい話でした。