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さまざまな動物の世界を紹介するという本書。じゃあ、どんな動物が紹介されるのかというと、軟体動物とか棘皮動物などの海にいるグニャグニャした感じのものが多い。著者の専門領域がそっちの方だからのようで、あまり馴染みはないが、キャッチ結合組織という筋肉ではないが筋肉よりも効率的に強い力を発揮する組織の仕組みや役割など、興味深いものはある。ただ、いかに工夫された説明であっても、形状などでイメージが掴めないものや、細部にこだわらず流して読みたい部分もあった。
身近なもので興味深かったのは、昆虫の脱皮。特に、気門という呼吸器官の絶妙な仕組みと、それゆえに、脱皮のときに失敗するリスクということは初めて知った。今度、セミの抜け殻の内部をじっくり観察してみたい。
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『ゾウの時間、ネズミの時間』はおもしろかった。あれから25年経っていると。今回は、ウニも、バッタも、ホヤも、ヒトデもいろいろと登場する。なるほどなあと思うことが多く、生き物を見る目がちょっと変わるかも。
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what a revolutionary world! every creature fantastic! bugs fail in taking of their shell and dies.
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空を飛ぶ動物といえば鳥と昆虫。
鳥は骨が体内にあり、骨が支えている筋肉を動かすことで羽ばたく。からだを飛ばすためにはたくさんの酸素が必要なので、肺呼吸で取り入れた酸素を血液にのせてからだの隅々まで行き渡らせる。一方、昆虫の体内には骨がない。かわりにキチン質の硬い皮で体を覆い、素早く羽ばたくのに筋肉とクチクラを組み合わせたバネ振り子を使う。昆虫も飛ぶために酸素を必要とするが、肺をもたない。では、どのようにして酸素をからだにとりこんでいるのだろうか――。
同じ飛ぶ動物でも体のつくりがまるで違う。
本書は、刺胞動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物、脊索動物の五つのグループを取り上げ、それぞれに異なる体のつくりを持ち、それぞれに繁栄しているその多彩な世界を紹介する。
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多様な生物(群)の身体の構造・仕組みに注目した記述。生物学の基礎に、化学、物理学があることがよく分かる。
専門用語が多いのと対象がマニアックすぎるのが玉に瑕だが、昆虫や群体、人間・哺乳類についての解説は面白かった。
生物の仕組みに学び、現実に応用ができるならば、この分野(バイオミメティクス)はとてもエキサイティングだ。かつて上野の科学博物館で、昆虫の知恵を応用するみたいな企画あったなー。
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昨年あたりからのストレス解消は、およそ仕事にも生活にも関係ない、どうでもいい知識を仕入れて悦に入ること。誰かに話すこともせず、「なるほど、すごいな」と思うだけで満足しています。
という意味では、この本は最高の時間を与えてくれました。著者は歌う動物生理学者の本川達雄さん。「ゾウの時間 ネズミの時間」の中で「ゾウさんもネコもネズミも心臓はドッキンドッキンドッキンと20億回打って止まる」と忘れられない歌を作詞作曲しています。
現在、知られている動物の種の数はおよそ130万、その95%が背骨を持たない無脊椎動物。本書はサンゴ礁、昆虫、貝、ヒトデ、ナマコ、ホヤなどを取り上げ、なぜ今のようなデザイン、機能を得るようになったのかを説明します。
面白いと思ったのは、昆虫は筋肉とクチクラという素材をバネに、羽という錘をつけてバネ振り子を構成。最初にちょっとだけ筋肉を収縮させてやれば、あとは自動的に羽の上下振動を繰り返すという話。貝殻の対数ラセンの話。体中に不味く感じさせる物資を持ったウミウシの話。ヒトデが星型(五放射相称)となった誰もが納得できる理由などなど。
圧巻は、ナマコの話。
ナマコの皮はキャッチ結合という組織により少ないエネルギーで長時間硬くすることが出来ます。「毒を備えており、捕食者の心配はほとんどない」。「動くといっても、砂を食べる場所を少々移動するくらい。そのための筋肉はごくわずかでかまわない。おかげで筋肉が少なくなり、体の大部分は身を守る皮ばかり。そんなもの、食べても栄養にならないから」「ますますナマコは安全になる」。そして著者は、そのような環境を「ナマコ天国」と名付けます。
最近、ジャカルタの都心に水族館が出来ました。タッチコーナーなるものがあり、サメの赤ちゃん、ウミウシ、ヒトデ、小型の熱帯魚に触れることができます。ナマコがいたので手で包んでみました。なるほど、幸せそうでした(笑)。
本書は再読に値する本と思います。著者の作詞作曲した楽譜も十分楽しめます。動物生理の学術書ですが、読書が娯楽であることを認識させてくれる新書らしい新書です。お勧めの★★★★。
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その昔読んだ「ゾウの時間 ネズミの時間」の著者が出した本がまた話題だっていうので読んでみた。
我々哺乳類が一番だと思っていたけれど、いきものみんなそれぞれの環境で生きていくように形も大きさも違うんだなぁと改めて認識。
五角形っていうか五芒星の形の最強性にも驚いた。
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生物のデザインが長い間生き残ってきたことには、きちんとした理由があるのだ、ということ。ロジカルかつ分かり易い名著。
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「デザインの生物学」と銘打ち、様々な動物、特に無脊椎動物の体のつくりの違いを中心に、多彩な動物たちの世界を紹介。代表的な5つの門(刺胞動物門(サンゴなど)、節足動物門(昆虫など)、軟体動物門(貝、タコ、イカなど)、棘皮動物門(ヒトデ、ウニ、ナマコなど)、脊索動物門(ホヤなど)、脊椎動物亜門(魚、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)を取り上げている。
進化の先にいる哺乳類がもっとも優れているというわけではなく、どの動物たちも他とは異なる工夫された体のつくりをもち、他とは異なる生き方をしながらそれぞれに繁栄しているということがよく理解できた。まさに、みんな違ってみんないい、という感じだ。「造礁サンゴは体内に藻を住まわせ共生している」「昆虫の体を覆うクチクラは軽量かつ丈夫できわめて高性能」「ヒトデなどの棘皮動物には脳も心臓もない」など、個々の動物たちのエピソードもとても興味深かった。非常に知的に面白い1冊だった。
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クチクラの素晴らしさがよく分かった。原クチクラをタンニングすると水分が抜けて硬くなる。キノン硬化。蛋白質同士の橋架が行われる。クチクラは初め白くしなやかだがタンニングによって茶色→黒と強度が増してくる。軽量なので昆虫の羽にもなっている。
水分の蒸発を抑える事が陸上の昆虫の課題で、気管を別に作ったり、クチクラで外骨格を作った。小さな生き物ほど体表面からの蒸発が多い。
脱皮をしなければ大きくなれないが、リスクは大きい。気管の1つでも引っかかってクチクラが脱げなければ、脱皮の最中に死んでしまう。
動物の中で1番種類の多いのは昆虫。全動物の7割以上。生物全体でみても昆虫が半数を占めている。
昆虫の変態は完全変態(バッタなど)と不完全変態(チョウなど)の2種類で、不完全変態が進化的には新しいもの。そして昆虫の83%を占めている。
花と蝶。幼虫の餌は葉など消化に時間と労力を伴うがいつでもあるもの、体も腸が長く重くても良い。反対に成虫は限られた時期にしかない少量の花の蜜、燃料として吸収が良く飛ぶのに使うエネルギーとして軽くて便利良い。
ナマコは殻も骨も持たないが、真皮が分厚く、その中に微細に砕いた骨をいれ、すり減らないようにしている。また、強度を3種類設定でき、1番柔らかい時は引っ張られれば引っ張られるだけ、伸びて千切れたり溶けたりする事もできる。
棘皮動物のキャッチ靭帯。疲れを知らない筋肉。柔らかくなる時に通常の10倍エネルギーを使うが硬くなる時は通常の1.5倍。中でもキャッチ結合組織は更に利点が多い。
脳、心臓(血管系)、肺、目もない。代わりに半分にすればナマコは2つに分かれるし、1つの腕から5本足を再生するヒトデもいる。
動かない生き物は奇数の花弁などを持つ物が多く、動く生き物は割り切れる偶数の足などを持つ物が多い。
三角形と五角形を繋ぎ合わせれば、球体に近い物体ができる。
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ウニとバッタがどうつながるのか?
読む前は、なっちゅうタイトル?って思ったけど、
体の作りから、進化をからめて、内容の濃い面白い本だった。
専門知識がなくても気軽に読める。
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ゾウの時間ネズミの時間の先生の最新著書
動物トリビア本の流れに乗ってベストセラーになっている。
面白いが棘皮動物などマイナーなジャンルにかなりページが割かれており、かなり専門的で難しい。
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地球上の生物は如何に分類され、それぞれの生物はどのような戦略で最適化されているのか。
生物に本当に本質的な能力は何で、それを得るために本当に必然的な機能は何かについて一歩下がった広い視野での知見を与えてくれる。
特に生存戦略と密接に繋がった体の構造のそれぞれの優位性や特徴など。
トンボの羽ばたきは各ストロークが神経でコントロールされているが、
ハチや蚊などの羽ばたきはバネのような機構で動いており、連続した運動としてコントロールされている。
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2018/5/4
2017/06/05 今度読みたい本に登録 したまま 保留。
2018/5/11 読み始める
これまで読んだ本川 達雄氏の本
絵とき ゾウの時間とネズミの時間 (たくさんのふしぎ傑作集)
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)
「長生き」が地球を滅ぼす ― 現代人の時間とエネルギー ―",自然
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イソギンチャクやサンゴやウニやナマコといった棘皮動物が主役の一冊。
あんまり動かないし、一見植物と見分けがつかないような連中も珍しくない、地味な一族だが、彼らなりに工夫をして、一生懸命生きているんだね。出るを制してミニマムなエネルギー循環の輪を作り、ほかの連中にはちょっと真似のできないエコな生き方。すげえなあ。