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紙の本
古墳時代の歴史を国家という視点から捉え直した画期的な一冊です!
2020/09/04 10:59
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『日本考古学の通説を疑う』、『古墳時代政治構造の研究』、『前方後円墳の世界』、『カミ観念と古代国家』、『古墳時代像を再考する』などの著作で知られる考古学者で、弥生時代・古墳時代の政治構造を研究領域とされている広瀬和雄氏の作品です。同書によれば、3世紀半ばから7世紀初めまでの約350年間にわたって、日本列島各地で前方後円墳が造営され続けたということです。その数はおよそ5,200基にも上ります。前方後円墳の特質は、可視性、画一性、階層性の3点にあると言われているということです。仁徳陵古墳を頂点とする巨大古墳が列島各地で、共通する墳形と歴然たる規模の階層性をもって造られたのはなぜなのでしょうか?それらは大和政権を中心とする各地の首長層の利益共同体のメンバーシップを表象するものだったようです。この古墳時代の歴史を「国家」という視点から捉え直し、新しい歴史像を提示した画期的な一冊です。
紙の本
刺激的な古墳時代論
2017/09/22 15:07
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古墳時代の政治体制を、論理的に検証した意欲作。中央と地方との関係が古墳時代に成立し、それを大和川水系の首長層が担ったとする指摘は説得的。政治関係を二重的に捉える見解は、後の律令国家の二重構造論と類似する内容であり、著者があまり重視しない「前方後円墳国家」と律令国家との連続性を感じてしまう。古墳時代について、認識を新たにさせられた。
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