紙の本
読んだ後も楽しい
2017/03/29 12:52
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kawa - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の一行までたどりついてもまだ謎が消えない!考察サイトやブログを見て回って、「あれはなんだったの」と考えるのが楽しい極上のミステリーでした
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平成26年刊行の単行本を文庫化。
角川ホラー文庫から出ていた『放送禁止』が面白かったので購入。満足感は本書の方が高かった。
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謎解き、考察、分析、等々が大好きな方は必読の本、本家『放送禁止』シリーズが好きな人も同じ感覚で存分に楽しめる。
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半分を超えても盛り上がりがなく退屈。もう心中の真相どうでもいいよって気にさえなってくる。
ラストはちゃんと爆弾が投下されているのだが、引っ張った割に炸裂が弱すぎて「そうですか…」で終わってしまった。
ネタバレサイトで後からわかった細かい仕掛けが作中で最後に明かされていたら、だいぶ感想は違ったかもしれないなぁ。せっかく練った仕掛けが気づかれないままなのはもったいないし、ネタバレのタイミングでもっとゾワゾワできたと思うと惜しい。
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自分の愛情を相手に知らせるために、相手の想いを疑いようもないものだと信じるために、
私たちはありとあらゆる手を尽くす。
言葉で伝えたり目線や手の温度で示したり、
値の張る贈り物に込めたり、
時には素っ気なさやワガママによって気づいてもらおうとする。
またある時は第三者への態度によって回りくどく表現したり、携帯を見たり日記を見たりという行き過ぎた束縛術を駆使したりする。
不器用さゆえなのか、暴力によってようやく解き放てる人もいるのだろう。
命を賭して、
などという領域にはそこから何ステップ踏んだとしても行き着きそうにない。
例え不倫や近親といった道ならぬ関係性であっても、だ。
経験したことがない人には想像できないだろう、と人は言うだろう。
だけど、不倫でまいってしまっている数々の友人から、自殺願望や相手を殺したいという気持ちを聞いたことがない。
相手のことが好きでともに幸せになりたいという願いは、ともに命を落とすこととはストレートに繋がらないはずだ。
そこに行き着くには、
何らかの別の思惑が影響するように思う。
想像もつかないけれど。
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2017.11.25読了。
読み終わった瞬間に再読したくなった。これはすごい…。ストーリーはもちろん、"仕掛け"にも衝撃。
お気に入り。
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長江俊和『出版禁止』(新潮文庫、2017年3月)読了。
賛否両論が出そうな内容である。
個人的には嫌いではない。
本書の構成は実にユニークである。
著者である長江氏がルポルタージュの原稿を入手する。その内容があまりに衝撃的過ぎるので出版禁止となったいわく付きの原稿。長江氏は内容の裏取りをして何とか出版にこぎ着けたというところからスタートする。
その原稿名は「カミュの刺客」。ルポライターは若橋呉成。
本書はこの「カミュの刺客」で展開される。つまり『出版禁止』という本のなかに「カミュの刺客」が入れ子になっている。ちなみにカミュと聞けば『異邦人』を連想するが、これとは無関係。
ざっくりいえば、いわゆる心中もので、冒頭、近松門左衛門の心中ものについて記載され、太宰治の心中も採り上げられる。心中とはどういうことなのか、心中失敗で生き延びた者がどうなるのかなどの考察が加えられる(そういえば、太宰の小説の中で「上司幾太」という名前の人物が出てきたことがあったな。「上司幾太=情死生きた」である)。
売れっ子映像作家、熊切敏と、その秘書、新藤七緒が心中する。しかし死んだのは熊切だけで、七緒は生き残る。その7年後、ルポライター若橋は、心中ではなく何か訳ありではないかと七緒にインタビューして事の真相を探ろうとする。
やがて事の真相に迫りつつ、若橋と七緒は情を通じるようになる。そして心中生き残りとして精神不安定になっている七緒を救おうとして、若橋が取った道は心中。
結局、死んだのは「女性」だけで若橋は生き残り逮捕される。しかし若橋も拘留中に自殺を遂げる。
「カミュの刺客」ではふたつの心中が採り上げられるが、ルポルタージュの記述が終わったあと、「『カミュの刺客』出版にあたって」と題した長江氏による「解説」が行われる。つまり謎解きである。
一見、ミステリ風でもありホラー風でもあり、ミステリとして見れば、叙述トリックが多用されている。そのトリックを隠すために、入れ子構造にしたり、アナグラムなども援用されている。「解説」を読むと、不完全ながら折句(文章の最初の文字を繋げて読むと意味が現れる)なども使われている。
ひとつ分かったアナグラムを紹介すると、若橋呉成という名前はいかにも何かありそうな名前である。わかはしくれなり。ひらがなを入れ替えると、「我は刺客なり」となる。しかし最後の長江氏の「解説」を読むまでは気付かない(もちろん、新藤七緒もアナグラムが隠されている)。
ネットで検索してみると、謎解きをしている人が何と多いことか。(苦笑)
いわばこの小説は、通り一遍で読むのではなく、何度も何度も読み込むことで新しい発見ができるような内容になっているといえる。もちろん、「カミュの刺客」というタイトルにもある意味が込められている。
サクサク読めるだけに、本書に本格ミステリやホラーを求めている人には『なんだこれ!』と思われてしまうだろうと思う。小生自身も「解説」を読むまではそんな印象を持っていた。
しかし文章の読み方には別の読み方もある、という��とを理解すると、俄然面白くなる。叙述トリックの妙である。
以前読んだ、『向日葵の咲かない夏』(道尾秀介)や『葉桜の季節に君を想うということ』(歌野晶午)などでは、結論部分で叙述トリックが示され、『ああなるほど』と思ったが、本書のように、入れ子構造の場合、『どこからどこまでがトリックなのか』『他にトリックはないのか』と疑いは尽きない。著者はそれを狙っているのであろう。
いいたいことは他にもあるが、どなたか、グラスを傾けながら謎解き読書会でもしませんか。(笑)
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映像作家と愛人女性との心中事件が発生した。男は死に、女は一命をとりとめた。
本当は、誰かに殺されたのではないか?
7年後、偽装心中を疑うライター・若橋呉成は生き残った女性に取材し、「カミュの刺客」という題で原稿を書いたが、しかし、そのルポは封印された―。
取材を重ね、真相に迫っていくうちに狂気にダイブしていくライターの猟奇っぷりに怯えながら読みました。
真相は藪の中、ということで若干モヤモヤしましたが、作中の暗示や仕掛けの意味がわからなかったので考察をネットで検索したら、いろいろ腑に落ちました。
作者はフェイク・ドキュメンタリーを得意とする、結末を読み手(観客)に委ねるタイプの映像作家なんですねー、全然知らなかった!
結末を読者に委ねる小説は結構好きですが、この本はちょっと委ねすぎじゃね?と思いました。
もうちょっと示唆に富んだどんでん返しが有るほうが好みです。
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心中事件から生還した女性を男性ルポライラーが取材をしていく。
取材をしていくうちに彼女の魅力に惹かれてしまい・・・
心中事件の真相は意外なものもありましたが、
それよりもラストになっての大どんでん返しの結末が、
もう一度前に戻らないとライターの
あちこちに散りばめられた 言葉のトリックの謎を
解かないといけないと思いました。
けれどライターが起こした行動があまりにもおぞましいので、
もう一度読むには少し勇気がいるかと思います。
ライターがどんどんと彼女の真相に迫ろうという行動は
読んでいて引き込まれていきますが、
読了後は心中の真相がはっきりと分かることがなく、
もやもや感が残ってしまいました。
ただ心中がいかに愛の契りだとしても
今の世の中にはあまり存在できないのかもと思いました。
そして愛とは美しく永遠のものかもしれないですが、
時には非情なものになってしまうかと思えました。
長江さんの作品は初めてで、
このようなタイプの作品も初めてなので斬新でした。
普通のミステリー小説に飽きた方には
時にはこんな異色のミステリー小説も良いかと思います。
かなりラストでは裏切られるので覚悟をして読むのをお勧めします。
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映像作家の心中事件の真相を追い求めるノンフィクションという体で語られるミステリー。
雰囲気とかは好きだし、文体も読みやすい。この心中は殺人ではないのか?というテーマも面白いと思った。
ただ、最後があまり好きではない。真相がわかりづらいということもあるが、最後の着地点が気に入らなかった。あくまで個人的な感想だが。
ただ、わかりづらさゆえいくつかのサイトを見て回り理解の補完をしてしまったのは作者の思惑にはまったということかもしれない。
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やられた、まさかラストそう来るとは(^ ^;
本書は、公開禁止となったルポ原稿を、
作者が紆余曲折の末に出版した、
という体で書かれている。
7年前の心中事件の真相を探る、
というスタートだったルポが、
徐々におかしくなって行く様は鬼気迫る。
しかも、冒頭に書いたが最後の最後で...(^ ^;
ネタバレになるので詳しくは書けないが、
実は読んでてあれ、と引っかかった部分が、
すべて伏線で...しかもオチは想像のナナメ上(^ ^;
いや、これは読んでいただくしか(^ ^;
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ヤバそうなB級ホラーだと思い、読み進めていたら上級なミステリーっぽくどんどん時間を忘れて読みふけってしまいました。後々の展開を迎えぎゃああううおおおおとなり結構楽しめました。でもどうせなら読者を殺しにかかるようなもっともっと深い闇と業の絡まる狂気的な展開が欲しかった気もします。「結局愛故のそれなのか?」というところで終わってしまっているのが惜しい気がしますので。でもこのモキュメンタリータッチは好きなので良かったです!
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長江俊和著「出版禁止」
なんとも頭が混乱する作品だった。
これは小説なのかルポなのか。
小説なのだとすれば「あとがきにかえて」までも含めて小説なのだ。
「心中」が本来意味するものはなんであるのか、本作品のミステリー以外の部分で考えさせられるところがあった。
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モヤモヤ感が残ったので、後半読み返して おぉ…って感じ。
グロ
名前に拘ってたけどなんでだ?
カミュの刺客だったの?
女優の刺客?
読み込めてないわたし。誰か教えてー
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単行本が出た当初から気になってた。
ブランチの紹介も観ていたので、読みはじめから注意深く気を配りながら。。
なんとなーく予想はしてたけど、狂気的な件はそこまでいっていたかと、奥深さを感じた。
心中ネタで太宰治が出てくるくらいだから、一般人感覚ではないんだろうなと、あとで納得。
彼が最後に言った「カミュの刺客としては失格だった」ってどういう意味だったのだろう。あ。しかくのしかく。