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主人公の奈々自身を含め、多くの作中人物達が“嘘”を重ね、秘密を抱える状況であり、事態は二転三転し、奈々は牙をむく凶悪な敵を向こうに回す羽目になる。そして、誰が敵で、誰が味方なのかさえも不明朗になって行ってしまう…
他方…変な型で失ったことが契機で、奈々が秘密の他方に謳歌していた女性としての幸せの尊さを深く実感して行くというような一面も在る物語だ…
硝煙や血煙が立つアクションを交えながら、嘘や秘密が多い世界での複雑な謎解きと、幸せや愛を何処かで追うような感じ…重厚な物語だ!!
本作は、この文庫本で3回目の書籍化だということなのだが…なるほど“名作”である…或いは、「この物語の後の奈々?」ということを考えさせる余韻も強い…
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夫の死の謎を究明しようとする、暗殺者である妻の物語。
重厚ではあるが、逆にそこが現実的でない。というか、ヒューマニティーでないというか。
原因を探るまでの過程が機械的というか、うーん、なんて言ったらいいんだろう。
ハードボイルドに特化しすぎて、心情が心に響かない。
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神村奈々という名を持つ女の秘密の仕事。彼女から見た人間模様は読めるけれど、夫から見たそれは想像してみるしかない。洋祐さん本人はどんな風に眺めていたのだろうか
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大勢の嘘つき(ライアー)が登場するが、主人公の神村奈々、夫の洋祐、義父の元警察官僚、研究所の大場などなど、それぞれ表と裏がある.殺人を仕事としている神村は息子智の前では普通の母親だが、義父は内情を知っている.夫の洋祐が突然死亡したことから話が展開する.冷静な神村に疑念を抱いた新宿署の駒形と神村が夫と一緒に焼け死んだ女の身元調査をする中で、研究所が国外での作業(殺人)だけを実施しているのに対して、国内でそれを行っている連合会の存在が明らかになる.弾丸が飛び交う場面が次々に登場し、スリルが味わえるが、神村のスキルの凄さが実証されることになる.連合会の連中との戦いでわずかに傷を負った神村が、最後に息子の智との生活を掴み取ったのは、彼女の母性本能が優ったのだと感じた.一番のライアーは妻の仕事内容を知っていながら、統計学の教授として立ち回っていた夫の洋祐だと思う.
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この前久しぶりに大沢在昌さんの新宿鮫シリーズの最新刊「黒石」を読んだところですが、本書はちょっと前の作品です。
なかなかの力作、文庫本でも700ページを越えるボリュームで、正直冗長に感じるところもありましたが、ストーリーにはしっかりと一本芯が通っています。「ライアー」というタイトルもシンプルですが、秀逸ですね。
この作品なら、映画化されても十分エンターテインメント作品として楽しめそうです。
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国家が非公式に運営する暗殺組織の話。
設定自体に現実味はないけれど、組織に所属する工作員の行動や心理状態は何故か生々しく、迫力ある作品に仕上がっています。
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穏やかな研究者の夫。素直に育った息子。幸せな家庭に恵まれた神村奈々の真の姿は対象人物の「国外処理」を行う秘密機関の工作員だ。ある日、夫が身元不明の女と怪死を遂げた。運命の歯車は軋みを立て廻り始める。次々と立ちはだかる謎。牙を剥く襲撃者たち。硝煙と血飛沫を浴び、美しき暗殺者はひとり煉獄を歩む。愛とは何か―真実は何処に?アクション・ハードボイルドの最高傑作。
期待して読んだのだが、アクション少な目の会話劇。うーむ。
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対象人物の「国外処理」を行う秘密機関の工作員である主人公の夫が、身元不明の女と怪死を遂げた真相を探るアクション・ハードボイルド。
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時々、理屈っぽすぎる作品もあるけど、この作品はナイスな設定だった。続きを読みたくて最後まで一気に読んでしまった。
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ムッサ久々の大沢在昌。鮫シリーズあたりは結構入れ込んで読んでたのだが、いつの間にやら疎遠になってしもてた。
久々に読んだが、アクションシーンはさすがの筆力。ハラハラドキドキでも大逆転的な展開を描かせるとホンマ上手い。ページ繰る手に力が入って、どんどん進むなぁ…
なんだが、クドさもある。主人公の旦那さんが大きなポイントになってくるのは前半に分かってしまうんだから、そこのネタは引っ張りすぎると「もうエエねん」ってなる。主人公は「主人がなぜ死んだかを知りたい」って何回言うた?
似たような組織の対立も大きな読ませ所だが、似すぎてる上、どっちにも絡むキャラクターもいるからか、登場人物の読みわけが難しい。結局、主人公と息子と警察官1名以外は全員敵!って割り切るまでに時間がかかりすぎたんかなぁ。
難点もあるが、解説に出てくるような海外エンタメ作品と比してもアクションシーンの出来は負けてない。そこ中心に読んでも楽しめるので、甘めに星4つで
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女殺し屋を主人公にしたハードボイルトアクション、というイメージだったが…。
とにかく話がまだるっこしい。同じ所で会話がぐるぐる堂々巡り。”主人が何で殺されたか知りたい”ってセリフが20回くらい出てくるかも。
政府が運用する、国内での暗殺組織と国外での暗殺組織、この二つの狭間でヒロインは右往左往するのだけど、なんか殺し屋組織の割には妙に公務員的で緊迫感ゼロ。
政治的にリアルと言えばそうかもしれないが、そもそもあり得ない設定なんだからもっとテンポよくないと、結局オチも想像通り。
数少ないアクションシーンのキレはいいけど、退屈な一作。
生頼さんを真似たようなジャケットが中身を物語る…。
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もしかしたら世界のどこかで起こっているハードボイルドなのかも。スピード感があり、あっという間に読了。エンターテイメントとして面白かった。3.5
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女性の殺し屋が、一般の男性と結婚するも家族に隠れて殺し屋稼業を続ける「嘘」。
夫の死に対して、「愛していたわけじゃない」と自分につく「嘘」。
神村の今後が気になる。
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刑事、詐欺師、運び屋、殺し屋…と、作品ごとにまったく異なるハードボイルドの世界が
繰り広げられる。
そして、今回は女殺し屋。
感情を動かさず人を殺す、神村奈々はチームの一員として仕事をこなす。
「処理担当」としての顔とは別に、夫と子どもを持つ主婦の顔も併せ持つ。
神村のもとに、夫が女性と一緒に死亡したという知らせが入った。
いつもながら、スピーディーなストーリー展開で、
一気に読んでしまった。
だが、組織から追われることになるだろう、神村と駒形の今後が気になる…。
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大沢在昌さん得意のハードボイルド作品です。主人公が女性で母親です。
かなり早い段階で黒幕が分かってしまいますがストーリーは結構面白かったです。