紙の本
なんかちょっと古くない?
2017/05/07 07:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
てっきり筆者をエッセイストだと思っていて、「おぉ、全女性に対して煽情的なタイトル!」とつい手に取ったが・・・小説だった。
エッセイだけじゃなく小説も書いていたんですね、すみません。
帯には<妊娠と出産をめぐる「心の葛藤と選択」を描いた8つの物語>とあり、作中人物の言葉から「出産が女の人生のすべてとは考えないようにしませんか?」という台詞が引用されている。
いや、女の人が全員、「子どもを産まなきゃ!」という呪縛にとりつかれているわけじゃないんだけどな・・・。
連作短編、といってもいいのでは。 各短編の主人公は別だが、同じ人が登場したりして、読者だけがわかる仕掛けもある。
ちなみに、引用されている台詞はレディースクリニックの医師によるもの。
あっさりと読めてしまったのだが・・・正直、既視感満載というか、「これ、いつの時代?」という感覚が拭えない。
まぁ、それだけそういう女性たちをめぐる環境が変化していない、ということなのかもしれないけれど・・・あまりに古くないか、と。 戦後とかの価値観に比べたらそりゃだいぶ進みましたが、それでも十年・二十年単位ぐらい古い気がする。 そんなのに縛られている女性たち、かわいそ過ぎるだろ!
というか自分も含めてわたしのまわりには「子供、いらない」という考えの人が結構いるので・・・「命に代えても子供がほしい」とか「子供を産まなきゃ自分に価値などない」と考える人たちが理解できない。 理解できないまでも共感できればと思って読んでみたのだが・・・かなしいかな、作者もまた「子供を産まなきゃならないと思っていない」タイプの人であるため、子供を願う女性たちの姿があまりにも類型的であり、ときにエキセントリックすぎる。 いろいろ取材したみたいだけど・・・所詮他人事、みたいな気がしないでもない雰囲気を感じる。
作者あとがきによれば、この短編の連載から本になるまで9年かかっているそうである。 そりゃ古いのは仕方がない。
9年かかった原因は、身内にダウン症の子が生まれてショックを受けたからとか。 他人事であったことが、作者にとって初めて当事者意識としてつきつけられたのかもしれない。 でもそれを消化するのにそんなに時間がかかるとは・・・覚悟を持って「子供のいない人生」を選択した人じゃないんだろうな、というのも感じた。
小説としては、作者の姿が見えてしまうものはちょっと残念な気がする(作者の体験を背景にしたものは別にして)。
やはりこの人の本質はエッセイストなのではないかしら。
でもそのわりには、「産まない」選択をした女性は出てこない。 自分を掘り下げることを無意識に避けた?
もしかしたら、次に書くもののほうが面白いんじゃないか、と期待してみる。
投稿元:
レビューを見る
妊娠と出産をめぐる「人生の選択」を描いた8つの物語 四十歳独身での妊娠に戸惑う桜子、不妊治療を続けるが子どもを授からない重美……。妊娠・出産をめぐる女性の心の葛藤と人生の選択を描いた短編集。さまざまな悩みや迷いに寄り添い、優しく背中を押してくれる。
投稿元:
レビューを見る
妊娠・出産にまつわる短編集。
女性にとって妊娠・出産は様々な意味を持つ。
40歳で独身のキャリアウーマンが妊娠してシングルマザーになったり。
代々続く暖簾を守るために不妊治療に臨む夫婦の姿だったり。
男性が育児休業を取ったり・・・結構リアルな話が多い。
結局選ぶのは自分たちだし、それぞれの生き方がある。
2018.4.25
投稿元:
レビューを見る
出産や妊娠にまつわる女性たちのお話短編集。
予定外の妊娠に、「産む」ことを決める桜子。夫の連れ子を引き取ることになった結衣子。老舗の呉服屋に嫁いだが「産めない」重美。待望の第一子を死産した佐和子。ダウン症の兄の子供を受け入れることに苦悩する百合子。。。
扱うトピックはどれも深刻で苦しく辛く、時には長い道のりなのだけれど、苦しみながらも前を向いて、一生懸命に新しい命と向き合おうとしている女性たちがみな健気で、胸にじいんときて泣けた。子供を産み育てるられることは、幸せなことだな、としみじみと思った。
投稿元:
レビューを見る
さまざまな女性がいて、もちろんいろんなストーリーがある。重たいテーマだけど、そんなに重くない感じでよめた。でも涙がでた。
投稿元:
レビューを見る
「出産が女の人生のすべてとは考えないようにしませんか?」
それでもどこかで産むことを求めてしまうのは本能なのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
泣ける。それは自分が女性だからか。
子どもが生まれることは奇跡だと思ってる。妊娠して無事に生まれることは当たり前じゃないんだよね。それをたくさんの人にわかってほしい。
初めての作家さんだったけど、タイトルが気になって気になってついに読んでしまった。男性にも読んでほしい本。
投稿元:
レビューを見る
子を持つことが女の幸せ、とは思わない。
でも、少しだけそんな幸せについても分かったような気がした。
産む選択、産まない選択、産めない人生
それぞれとても深く掘り下げて書かれていていろいろ考えた。
子宮体癌の重美は本当に気の毒だったなぁ。。
投稿元:
レビューを見る
女性の数だけ生き方がある。
そう言い切れる時代に私は生きているのだなと実感した。
女性はこうあるべき
だなんて時代遅れなのだ。
でもその生き方を選ぶ自由により、
言葉が持つ軽はずみなナイフが増えたのも事実だ。
私は臨月の今、この作品に出会い、一気に涙をこらえながら読んだが、
その間ずっと脳裏によぎるのは、
妊娠を報告した時に上司に言われた
「これからたくさんの人におめでとうと言われると思うけれど、望んでも授からない人も世の中にたくさんいるということを忘れてはならないよ」という言葉だった。
男女問わず、お勧めできる人生の教科書のような本。
投稿元:
レビューを見る
涙無くしては読みきれない。
まさに、産む、産まない、産めないのである。
私は、産んだし産めなかった。
それぞれの気持ちがイヤと言うほどわかった。
それでも読み進めてよかった。
投稿元:
レビューを見る
凄く考えさせられるというか。
なんだか女性って本当に人生における重大な選択が多い気がする。産む、産まないやら働く、辞めるやら…。逃げ恥じゃないけど、産めよ育てよ働けって随分身勝手。今どれでもない自分は何なんだという感じだけど、そうそう上手くはいかないのも現実。歳を重ねる毎に焦りは募り、でも壊れない様に自分を精一杯包み込んで。今日も私は、授かり物ですからという呪文を唱えて生きていく。
17/4/11
投稿元:
レビューを見る
子供を産むことに対して色々な考え方やその人の人生がある。
わかっていても産まない、産めない人への世間の風当たりはまだ強いのが日本でもある。
ついつい自分を重ねて読んでしまい、涙が出たりも。
選択するのではなく、自然なこと。
それをわかっているようでわかっていないのが女性なのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
「産む、産めない」がタイトルなのでは。。あとがきでも触れていたけれど、「産まない」選択をする女性がいない。出産だけが女の人生ではないことを書いているわりには、産みたい女性を応援しているように感じた(結果産めなかったとしても、自分を否定することはない、という書かれ方)産んだ、にしても産めなかった、にしても、産もうとした女性は強い、みたいな風に感じてしまった。
でも、短編という読みやすい形式で、色々な妊娠・出産について読めたので色々と心にくるものがあって良かった。
ただ、登場人物に、百合香、早百合、百合子が出てくるのは混乱した(笑)
投稿元:
レビューを見る
同じ女としてどれも気持ちは分かる。
けどやっぱり短編なのであっさりしてるというか、どの話も綺麗に終わりすぎてるなーという印象。
投稿元:
レビューを見る
桜子さん、伝えなかったんだなぁ。。。
あのシチュエーションならそうかぁ。。。
産声の放つ光と、
届かない声との影と。
自分も向き合えるのか不安と希望と混ざり合う。