紙の本
お楽しみの
2018/05/31 17:02
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投稿者:靴下ネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊も文庫化も楽しみな作家さんの一人で、この作品もわくわくしながら買い求め読みました。単行本にはない「Blue moon」が収録されています。単行本の表紙も素敵でしたが、文庫の表紙デザインも可愛らしく、やっぱり川上弘美さん大好きだわ。。。と改めて実感しました。
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文庫化で再読。単行本から1篇が追加されている。
はっきりとエッセイらしい散文と、小説のような散文とが混じり合っていて、本書の独特の雰囲気を作り出している。特に前半にその傾向が強かった。
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じんわりと心あたたまる、短編小説のような読み応え 「さくら餅の、あの葉っぱはどうするのか」「寝そべってものを読む癖のある子供だった」……日常のこと、読書のこと、子供のころの思い出。優しさと可愛さと愉快さが同居する、エッセイ集。新作も一編、特別収録!
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とても柔らかくてしみじみとしたエッセイ。言葉が水のように染み込んできます。ゆるゆると日々を過ごしてらっしゃるようで、でもそんな中で、離婚されたり、悪性の腫瘍が見つかって手術されたりしていたことを知り驚きました。死を、身近に感じます。生きていく中でスランプに陥っても、この川上弘美さんのエッセイを読んでしんと沈んでやり過ごそうと思います。読めて良かったです。
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作者の日常を綴ったエッセイ集です。
弘美さんのふうわりとして、宙を揺蕩うような文体が好きで、ず~っと読ませていただいております。いつまでも初々しく、キュンとくるような文章が書けるのは、きっと思春期の頃の感受性を衰えずに持ち続けておられるからでしょうネ。上手に年齢を重ねておられるなぁと嬉しくなりました。
日常を綴るという行為は、いま生きているということの記録でもあるのですネ。くれぐれも健康に留意され、ますますご活躍くださいますよう、心からお祈り申し上げます。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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結局作家は陽に陰に自分を切り取って作品に投影することでしか産み出す行為は出来ないのだろうか.私生活でどんなことがあろうと,それらを含めて言の葉を紡ぐしかない,因果な商売だとも感じる.
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川上弘美を久しぶりに読んだ。
獺祭ということばについて初めて知って、思わず雑記帳にメモした。かわうそ、、、獲った魚を岸に並べるなんて想像するだけでかわいい。。
ブルームーンもすごくよかった。
生きるってほんとにすごいことなんだ。
あと、当事者になってみないとわからないっていう話も。当事者にしかわからない苦しみがあるし喜びがあるんだよね。周りの人があーだこーだ言えることじゃない。
よい一冊でした。
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ふんわりつかみどころない川上さんの日常をこっそりのぞいている気分。
ウニは私の仲間である。
の文章は泣けてきた。
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さらっと(それでいてわくわくして)読んだが、今までの中で一番心に残ったエッセイだと思う(著者の中で)。
川上弘美さんが小説を書かれるとき、まずはじめに全体の「雰囲気」を決められていることを知った。
内容や筋道については曖昧なままでいいのだが、雰囲気が決っていないと書き始められないと。
笑えばいいのか悲しめばいいのか判断のつかない微妙な、
道端の空き缶を蹴ってみたが外れて気まずい、
世の中の全部を許してしまいたくなるうきうきした、
例えば、そういう様な雰囲気。
著者の小説を読むと、それぞれ独特の空気がある、と伝わってくるのはそのせいなのだと思った。ふわふわして掴みどころがなく、時々奇妙でそれでいてその中には現実の問題、その先に希望が見える。一つ一つ違う雰囲気。
背筋がぴんと伸びておられ真面目でそれでいて、(天然系の)面白さ、ときに少女のような可愛らしい雰囲気(私などがいうのはとても僭越なのですが)。少し向こうから微笑んでおられるような川上さんのイメージがそのまま表されているエッセイだと思った。
セーター 霜月
毛玉ができた男の子のセーターのお話。(私も)男性がセーターを着ることがなんかいいな、と思っている。のでとても印象に残った。
スランプのお話
時々スランプはやってくる。仕事、人間関係でなく「生きていること自体」のスランプ。助けて、と誰かに言っても、誰も助けてくれない。誰かに助けられるのも、本当は困るし(そうだ!時と場合にもよるが、自分で乗り越えなきゃ、ですよね、助けてもらったとしたら後にひくし。ただ言ってみたいだけ、誰か助けてって)。
そういう時はどうするか。
そういう時には、水のたまった瓶の底に沈む小石のように、ただ一人しんとしている。
(そうか、ただ一人しんとする!)
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00~12年掲載のエッセイ集でしたが、文庫解説だけは分かりやすくかしこまってて、なんだか笑ってしまった。
真面目な人なんだなあ。
エッセイに関してはこんなに1冊の収録作で作風が変わるのもすごいな、と思った。
12年も経ったらそりゃそうかもだけども。
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エッセイはその人の素の部分が見られるから、怖くもあるけどハマった時には一気に好きになります。
小説家は難しい堅いことを考えていそうなイメージ。もちろん、それで間違ってはいないと思うけれど、結構変わり者だったりもするものですね。
川上さんの著作は、不思議な世界観で、その不思議さが垣間見えた気もするし、そうでもない気もするし。
秋の散歩道で、これまでに出会った人や想い出、考えたことがとりとめもなく際限なく蘇ってくる感覚が分かる気がしました。
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「不純で鈍感な大人。けっこうわたしは、好きだ」「ときどきスランプは、やって来る」「さくら餅の、あの葉っぱはどうするのか」「寝そべってものを読む癖のある子供だった」……日常のこと、読書のこと、子供のころの思い出。優しさと可愛さと愉快さが同居する、心が温かくなるエッセイ集。未収録の一編も書籍初収録!