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紙の本
蓋は開けられた
2017/05/30 05:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹のこの長編小説は総ページ数にして1000ページを超えているが、ありがたいことに第1部と第2部に、ほぼ500ページずつに分かれている。
ただこの第1部と第2部は何か独立しているかといえば決してそうではない。
やはりこの長編小説は1000ページを超える作品として、全体を評価すべきものだと思う。
それでもやはりありがたいことに、第1部第2部それぞれにサブタイトルがついていて、そのあたりをヒントに(この難解な小説にはたくさんのヒントがいる)読むのも悪くない。
まずこの第1部にはこんなサブタイトルがついている。
「顕れるイデア編」。
そうなると、イデアとは何だと考えたくなる。その答えは第2部に出てくる。
「イデアは観念であり、観念は姿かたちを持たない。ただの抽象的なものだ」。
それが、第1部では顕れるのだ。
長い作品の主人公は肖像画を描くことを生業にしている画家。
ある日、妻から離婚を宣言され、傷つき、自ら家を出てしまう。彼がたどり着いたのは学生時代からの親友の父親の住居。
この父親は日本画家として名を馳せた人物だが、今は高齢で混濁した意識で施設に入っている。
主人公はその住居で「騎士団長殺し」と名付けられた一枚の絵を見つける。
まるで、その絵に誘われるようにして起こるさまざまなこと。
第1部の終り近くにこうある。
「うまく説明のつかない様々なものたちが、この家の中で私をじわじわと捉えようとしていた」。
それは読者も同じ。
主人公に近づく免色(めんしき)という不思議な人物。
そして、その男のもしかしたら娘かもしれない少女の登場で、物語は間違いなく、動き出す。
もう蓋は開けられたのだ。
紙の本
何か不思議な感じが
2017/03/30 17:40
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミックぱぱ - この投稿者のレビュー一覧を見る
淡々と進んでいるようで、気がつくと緊張感が高まっている。そんな不思議な手触りでした。
紙の本
流れ流れて止まらない文体
2017/03/06 22:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どや - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は一人称の文体で本書ほど読みやすい本を読んだことがない
20~30ページ程度で章が変わるので小休止が取りやすい
章の題名も章のどこかで出てくる表現や台詞が用いられているため
どこで表現が出てくるのかと読む前の楽しみになる
同時にや読んだあと内容を記憶に残しやすい
謎は謎のままで1部では解決しない
私は1部の読後には2部をすぐに読みたくなった
1部と2部まとめて用意して読書をはじめて正解だった
紙の本
感じて読む
2017/02/26 16:18
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこから切り取っても完全なる村上春樹。いささか、あるいは、便宜上、ブラックコーヒー、サンドウィッチ、ブランデー、クラッシク、そして対義語で語られる本質のようなもの。意味を探りながら読んではいけない、常に感じ取る小説。騎士団長が顕れたあたりから、ちょっと物語の方向が変わってきた。私的には面白くなってきた。いろいろな出来事が多くおこるが、劇的スピードで何かが変わる訳ではない。全部、布石といえばそんなようなものなんだろう。主人公はとりとめなく、とても受動的だ。判断しているようでいて、流されている。さて下巻。
紙の本
表紙を開き、目次のあの書体を目にしたとき、遠くにかすかに見えたあの灯台の光にまた出会えたような感動を覚えた。 日本が誇る村上春樹の世界、ここに。
2021/11/09 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
2011年の秋頃。突然、本が読めなくなった。
その2~3年前から、体調は良くなかった。
だましだまし仕事を続け、上手く休みながら切り抜けているつもりだった。
外回りにいくといっては、図書館で借りた本を片手に一人旅をしていたこともあった。
だが、その本が読めなくなった。年間で50~100冊の本を読んでいたのに。
あんなに大好きな小説が読めない。
心の病は、脳の病気だという。
ならば、自力でなおすのは無理だ。きちんと治療を受けよう。
心療内科の門を叩くハラが決まった。
例外的に、ベイスターズやプロレスについての本は読めた。
趣味の本は読むのが楽だったからだ。
そんなとき、「1Q84」が文庫化されるニュースを目にした。
小説を読みたい!
図書館では2000人待ちだとか。
ならば、買うしかない。
数年ぶりに書店に足を運び、「BOOK1前編」を手に入れた。
読めた。小説が読めた。実に得難い喜びだった。
青豆と天吾の物語に、魅了された。
その後紆余曲折があり、良き病院、医師、カウンセラー、多くの仲間、そして家族の支えがあり、心の病は寛解した。
本書は、その「1Q84」以来の長編書き下ろし作。
表紙を開き、目次のあの書体を目にしたとき、心の病で苦しむ中、遠くにかすかに見えたあの灯台の光にまた出会えたような感動を覚えた。
物語は、主人公の肖像画家の語りで淡々と進んでいく。
学友の雨田政彦の好意で、ひとり住むことになった狭い谷間の入口近くの山の上の家。
そこで物語は繰り広げられていく。
深くて幅広い知識と教養。
人間の内面を掘り下げようとする探求心。
人と人の出会いがもたらす奇跡のような出来事。
日本が誇る村上春樹の世界、ここに。
この本を読めることこそが、幸せの一つだ。
紙の本
吸い込まれるように読んでしまう
2017/10/01 18:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで村上春樹氏の作品はほとんど読んだことがなく、小澤征爾氏との対談集が面白く、初めて小説を読んでみました。
さすがはノーベル文学賞候補と言われるだけあり、吸い込まれるように読んでしまいました。
作品からは、村上氏が多くの文学、音楽、美術に深い造詣を有していることがわかります。
紙の本
楽しい春樹ワールド
2017/04/10 20:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えるべっく - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんなの書評の評価は低いようだが、
いえいえ楽しい春樹ワールドです。
タイトルが「騎士団長殺し」なので
ドンジョバンニを何回も聞き直した。
結局、ドンナ・アンナの声しか残らず、
騎士団管区長はよくわからなかったが。。
あいかわらす、登場人物は
ハミガキをするように、交わるし
騎士団長もそうだが、
メンシキさんも負けず劣らず謎だし、
どんどんページが進む。
後編が楽しみです。
紙の本
いわゆる春樹の小説
2017/03/08 11:48
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケントマイルド - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が人と交流がうすくて、パートナーがクールで、サブキャラが完璧な人で…って感じです。結構、色々な小説でそうだと思います。でも面白い。読んで損はないかと。