紙の本
聖の文字は「セイント」と読む。車田正美に影響与えた可能性もなくはない。
2023/02/24 12:28
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画は古い。
本書は、80代になった作者による加筆が施されているが、基本的に24年組以前の世代による古典的少女漫画である。
『王家の紋章』や、楳図かずお初期少女漫画がそうであるように、視野を狭め、次から次へと事件が起き、周辺人物は振り回されるばかりで、主役とごくわずかな人以外、本筋にずっと関わる人も出てこない。
本作は、怪奇ロマンになるのだろうか?
ピカレスクの一緒なのだろうか。
どうも、グラン=ギニョル、残酷演劇の見せ物性が一番近いように思う。
ホラーとしては失敗してる、明らかにやりすぎてる。
なんなら、サド的な逸脱と言っていいかもしれない。
スラッシャー映画のような大量殺戮漫画であり、モンスタームーヴィー。
ロザリンドは『フランケンシュタイン』の怪物の影響があるように思う。
この本には初出などの基本情報がないものの、24年組が活動を開始してからの『週刊少女フレンド』に第1部1973年12 - 19・20号、第2部1973年33号 - 41号掲載。2017年に0話書き下ろされてる
『週刊少年マガジン』(講談社)に1970年32号から1971年22号まで『アシュラ』連載、『ススムちゃん大ショック』『週刊少年マガジン』1971年3月7日号に掲載。
1976年10月2日『オーメン』日本公開、
1977年5月14日『ザ・チャイルド』日本公開。
時代の空気も関連するのだろう。サイコパス的であるとともに、悪魔の子でもある、古典。
紙の本
読み応えあり
2019/01/30 20:45
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投稿者:わた - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生の頃に、友達から借りて読んで以来でした。当時、とても怖い内容でどきどきしながら読んだのを覚えています。
大人になってから改めて読んでみても、ロザリンドのかわいらしい表情の中の残酷さに引き込まれ、一気に読んでしまいました。お薦めです。
紙の本
殺す理由が……
2020/11/11 16:22
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供のとき、初めて読んで、「えーこんな理由で人を殺すの?!」でした。
でも、今、読むと……
この子は、死亡とか、殺人の意味がわかっていなかったのねーと。
納得。
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
ロザリンドはサイコパスとかそういう感じでもないんだよなー。
狂気のようなものはなくてただ無邪気というか死の概念が良くわかってない子の犯行って感じなのであまり怖くはなかったです。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容を読んだ後に表紙を見ると新たな恐怖があります。この可愛らしい雰囲気とは全く違う。面白い。おすすめ。
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前々から気になっていたにも関わらずなかなか見つけることができなかったのですが。書き下ろし新作も追加して復刊、ってので即買い。
個人的に絵の怖いホラー漫画は苦手。でもこれは絵は可愛いし、だけど怖いって評判だったので期待して読みました。だけどあまり怖いとは思わなかったかも。
天使のような愛らしい容姿で、何の罪悪感もなく凶行を繰り返すロザリンド。凶行の理由は実にシンプルなもので、ひたすらにまっすぐな動機は「純粋」とさえ言えるものです。だからこそこれを、恐怖の物語と言うのは間違いではないけれど。それ以上に悲劇の物語として読みました。
特に修道院での犯行なんて、あれ、生半可な気持ちでやれるものじゃないですよ。とても真剣に、一生懸命取り組んだ結果があれなんだよなあ……と思うと、ロザリンドが可哀想でしかたありません。誰のせいでもないのにね。
ただひとつの救いは、ロザリンドが殺人鬼であると知った後も両親の愛情が薄れなかったこと。そのせいで余計に切ないということもあるけれど。後味の悪い物語にはなりませんでした。
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201703/復刊とはいえ書下ろしあり、そして今なお現役素晴らしい…。昔読んだ時より、歳を経たせいもあり切なさ悲しさが一層感じられた。
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表紙はとても可愛いけど本編はどちらかというとホラーな作風で8歳の少女のロザリンドが人を殺していく話。殺人をするのだけどその理由が自分が死んだらロザリンドにあげると言っていた物がすぐに欲しいからその相手を殺したりだったり自分に嘘をついたからとか母親を泣かせたからだったりするのだけど特にそれが悪いとも思っていない感じでその無邪気さ、純粋さが読んでいて怖かった。少女漫画だけど人が死んでいるシーンは絵的に怖いのもあって個人的には血液を抜いている所が一番怖かった。
ロザリンド自身も普段は可愛らしくて、だからこそその事実を知ってしまった両親の気持ちや葛藤する様子も分かるし同じ目線で読める話だった。
ラストも今までロザリンドがやってきた事を考えるとこうするしかないのは分かっていても物悲しい気持ちになるし母親に会おうと健気に進んで行く後姿にはグッとくるものがあった。
1冊で綺麗にまとまっているし読み応えのある話で怖いけど面白かった。
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すごく面白かった!私は怖くなかったけど、ホラーやサスペンス慣れしてない人、子供は怖く感じると思う。
子供が殺人鬼でも深い愛を持つ親に感動。執事さんの愛も深く。愛が深い故に哀しい。
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面白くて一気に読めた。一番印象に残ってるのは血を脱いで輸血しようとするところ。2番目は最後の歯車で死ぬ男。終わり方はこんな感じなんだぁってちょっと拍子抜け感があったけどまたいつか同じような子が生まれてくるんだろうなというその後を少し感じたりして。こういう可愛い絵柄で残酷物語っていいなぁ。
ところでこのロザリンド、どんな性格の子なんだか最後までよくわからなかった。純粋でいい子に見えるときもあるしちゃんと人の話を聞いて(自分が死んだらあげると言われたらちゃんと殺してから手に入れたり手を使わないでとれたらって言われたら歯をつかったりだとか)正当な手段を取る割には殺しのときだけ嫌がってる人の声に聞く耳を持たなかったり。時々ご都合主義で性格ブレてないか?なんて思ってしまったところも。
それでもちゃんと面白い。
あと言葉は知りつつも実際に使用されてるのを見たことないルンペンって言葉がでてきて時代を感じた笑
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『悪い種子』などの海外作品を下敷きにしながら、専ら少女漫画として描かれる、8歳の殺人鬼ちゃんのお話です。
いや、ほんとに、びっくりするくらいテンポよく死んでいく(笑)。多分10ページ毎くらいに死んでますよね。それも雑なようで、違う。雑には死なないのです。少女漫画ですのでそこまで過激な表現はありませんが、とはいえど目玉刳り貫きとか、焼却炉に閉じ込めて燃やすとか、壮絶、しょッキングなシーンが続きます。死体もちゃんと描いてあって、ピストル自殺から生首まで豊富な品揃えです。正直少女漫画だったからまだよかったものの(?)、この題材は描く人が描いたらとんでもなくグロいことになりそうです。というかこのままでもちゃんと怖いです。やたらと怖いです。
変な話、「こいつ死ぬな」っていうのが明らかに分かるし、ツッコミどころがある展開もあって、下手したらマンネリ化しそうな作品ですが、終わり方が思った以上にしっかりしていたこともあってか、ずっと楽しく読めました。
ロザリンドちゃんは「うそをついていはいけない」とママに繰り返し言われていたこともあり、ちゃんと言うんですよね「わたしが誰々を殺したの」って。その無邪気さがまた輪をかけて狂気なんです。今の言葉で言うなら、サイコパスなんでしょうね、彼女は。とても魅力的・・・と感じるのは私だけですか? ロザリンドちゃんに殺されたい・・・とまではなりませんが。
すげー印象に残った殺人を3つあげるなら……
●イリアスとマルガリータを焼却炉に閉じ込めて焼いちゃう。理由は嫉妬、というかそう言う感情も自覚してないんだよなぁ
●修道院の井戸に青酸カリを入れて全員を殺した挙句、全員を金槌と釘で磔にする。怖すぎる。修道院という場所がまた……
●注射器で血を抜きまくって殺す。これが1番うぉぉってなったかな。
でも、前に述べたとおり、終わり方がしっかりしているので、なんとも言えない読了感があってクセになります。ロザリンドちゃん、幸せなってね……