紙の本
端正な暮らしの中の言葉
2017/04/04 12:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BHUTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むと、言葉を大切にしている日本の真っ当な人の暮らしが見えてくる。
言葉は生き物とはいうものの、乱れようが尋常でない昨今、いい加減な言葉、意味ない擬音の数々、ら抜き言葉 などが疎ましくなる。
幸田文さんと、一度お会いしたかった。
、
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突飛な話、電子辞書が欲しくなりました。
幸田文は大好きなんだけど、辞書が必須なので。
家だったら紙の広辞苑も新解さんもあるけど、まさか5キロある広辞苑抱えて外で文庫を読む訳にもいきません。勿論スマホは使いますが、不思議と辞書アプリやGoogleだと出てこない言葉が時々あるのです。
以前「きずみ」はまぁ虫眼鏡やルーペだろう、と思いつつあたったら用例でモロに私が読んだその「きずみ」の下りが出てきたという見事なループに出くわしました。
それ以来、分からない言葉をそのままに読み進むのも消化不良で、外で読めなくなってしまったのです。もっと気楽にせっかくのご本を読みたいのに。
と、それだけ幸田家のことばはとても豊かです。
もっともっとことばに溺れたいです。辞書を伴に。
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青木奈緒さんの「幸田家のことば」、2017.2発行です。青木奈緒さん、64歳からもの書きを始めたお母さんの青木玉さんから「文章はすらっと滞りなくわかってもらえるのが一番」と教わったそうです。この作品、確かに、すらっと滞りなく理解できました(^-^) 著者は、小学生の頃、一人で道を尋ねるとき、「つかぬことを伺いますが・・・」と切り出して「おかしな子だね」と笑われた経験があるそうです。小学生の頃から「幸田家のことば」に馴染んでたんですね! 素晴らしいことと思います!薀蓄のあることばがおさめられています。
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美しい日本語をつかいたいと思う
幸田家の美しい言葉
奇をてらうのではなく日常の中の言葉
凛としていてユーモアもあって
背筋を伸ばして体を動かして丁寧に考えてきたからだろう
すごいなあ 幸田家の女性
≪ 運命を踏んで立つ など メモをする ≫
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ひとつ一つのことばが美しい。
暮らし方、そこにある
心の置き方が美しい。
ことばこそが、人の心を創り、
くらしを紡いでいくのだと
よりよく生きるために
大切にしたいことを
かみしめるように読んだ。
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幸田家に代々伝わる言葉について、幸田露伴の曾孫であり、幸田文の孫である青木奈緒さんが語っている。
全部で40近くの言葉が挙げられているが、祖母である幸田文の言葉が多い印象。
そのため、それぞれの言葉の説明部分では、幸田文の作品が多く引用されているが、併せて実際に祖母や母が、その言葉を使った場面も回顧されている。そこはやはり親族ならではの視点だ。
そして何より、現代の方だから言葉が分かりやすく、幸田文の言葉を通訳してくれている感じもある。
この本を残してもらえてよかったと感謝したくなる。
先日、幸田文の随筆も読んだが、奈緒さんが思い出す祖母・幸田文と、本人の書く文章から受ける印象とまた違う。私は幸田文はもっと厳しい人かと思っていた。奈緒さん目線だとすごく優しいおばあさんに感じる。なぜか大好きな祖母を思い出しながら読んでしまった。
奈緒さんは祖母幸田文のことを「内に弱さ、哀しさ、やさしさを心の内にいっぱい抱えたがゆえのきかん気、反抗心、強さを持っている。みそっかすのみそっかすたるゆえんであり、天性の明さが救いだろう。陰の暗い部分があるからこそ、そこをバネにして明るい高見へも飛び上がれるのだと思う。」とも評されていた。そんな客観的な視点も面白かった。
もっと幸田家の世界を知りたいと思った。
そして作品は多くはないが、母である青木玉さんの文章も読んでみたいと思った