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ムイシキンばかりがなぜもてる
2021/08/07 23:42
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
白痴とまで噂されるムイシキンのような男がなぜ美女にもてるのか、でも今の日本での「少年のよう」とか「純粋な人」とかいわれる男が持てたりする、悲しいことであるが事実だ
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「貧しき騎士」の朗読前後の、A.M.D. A.N.D. A.N.B. N.F.B. の違いのくだりは、亀山さんの解説を読まない限り絶対に分からない。。。
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第2巻では、主人公・ムイシキン公爵について「黄金時代にすら聞いたこともない純真さ、無垢さを披露したかと思うと、今みたいにとてつもなく深い心理観察でもって、いきなり弓矢みたいにぷすりと人の心を射貫く」という人物評が語られる。その評は的を射ているが前巻のムイシキン像に近く、本巻でのムイシキンはそのように聖人然とした様子だけでいることはできず、懐疑や嫉妬といった人間的な感情に苦しんでおり、物語全体にも不安感が漂う。
本巻では、ムイシキンとロゴージンとの対話が印象的だった。特にロゴージンがどのようにムイシキンのことを感じているか語る場面が面白い。
「レフ、おれはな、あんたが目の前からいなくなると、とたんにあんたが憎くなってくる」「ところがいま、あんたといっしょにいて十五分と経っていねえのに、憎しみなんぞまるで消えちまって、あんたのことが、また元どおり好きになっている」「あんたといっしょにいるとき、おれが信じているのは、あんたの声なんだよ」
ここには友情というだけに留まらず、神に対して背を向けようとしている人間の(それでも美しいものから逃れ得ず、背を向け切ることのできない罪人としての)告白の趣きさえあるように感じられる。
次巻以降、2人の関係がどのように変化するか、もしくは変化しないのか、続きを読み進めたい。
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1巻と違って2巻はやや話が停滞気味でしたが、中二病みたいな集団の不毛なやり取りも、段々と彼らの言い分にも同意は出来ないけど共感は出来なくもないような不思議な感情が芽生えてきたりしたところが面白かったかな☆
一見すると明らかに間違っているように思われるデタラメな主張も、言ってる本人からしてみたら正当な主張である可能性もあるので、まずはそれに対して最後まで耳を傾ける事の大事さみたいなのもちょっぴり感じました♪
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作者が語り手となり始まる第2巻。第1巻の半年後から始まる。この半年の間の出来事は後から薄っすらと提示される。
遺産を手にして大金持ちになったムイシキンは公爵はロゴージンと再会し十字架を交換するが、ホテルでロゴージンに襲われ癇癪の発作を起こす。別荘に移り住み、訪問客に囲まれた公爵の前に、遺産の正式な相続人と自称するブルドフスキーが現れるが、公爵はそれは虚偽であると釈明、その後ナスターシヤが突然現れて去っていく。
この2巻で目立つのは前半はロゴージン、後半はガヴリーラの弟の友人イッポリート。特にイッポリートは結核を患い、あと数週間の命というところだが、お金を貸してくれる叔父(レーベジェフ)に悪態をつき、ブルドフスキーとともにやってきて演説を始める。その内容が自分勝手を極めた内容で共感できない…。
巻末の「読書ガイド」を読まないとアグラーヤが朗読する詩の意味がさっぱり分からないので、巻末は読むべきですね。
ロシア作家ウリツカヤが「第二部には、若干、辟易させられるところがある」(P360)と言うだけあってこの巻はやや冗長と感じました。