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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.0

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

ドイツ司法の「過去の克服」

2018/03/29 22:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

ローラント・フライスラーはナチス政権下で政治犯罪を扱う「人民法廷」長官。数多い判決の殆んどが死刑判決であった裁判官。最近NHK-BSで見た「白バラの祈りゾフィー・ショル、最期の日々」(2005)では、主人公ゾフィー・ショルを法廷で口汚く罵るシーンや1944年7月20日「ヒトラー暗殺未遂事件」のシュタウフェンベルクらに死刑判決を下し即時執行する、などナチスの著名事件に登場する悪名高き人物である。フィクションでも、刑事オッペンハイマーを主人公とするハラルド・ギルバースの警察小説シリーズ「オーディンの末裔」では、史実どおり1945年2月人民法廷がベルリン空襲を受け死亡する、という設定で登場していた。
このようにナチス・ドイツ関連の著作ではよく登場する「ナチ大物」なのだが、その生涯・思想については、よくわからず、「ヒトラーの裁判官」「血の裁判官」といった言葉から得られるイメージ程度でしかなかった。本書は、ナチス・ドイツにおいて司法の独立性が奪われ、政治の道具になっていく司法の「強制的同質化」の過程の中で、新史料や司法関連文書、また、「死刑判決文」を使いながら、フライスラーが権力欲剥き出しで頂点を極めていく様が描かれる。
ナチス時代も一応法治主義の体裁はとっており、刑法もあった。しかし(犯罪者の行為の責任を問う)行為刑法・刑罰の謙抑・罪刑法定主義という近代法治国家の基本原則は無視され、ナチ思想からドイツ民族の中に存在する具体的秩序に反抗する意思と人格、すなわち民族共同体に対する罪に対して応報と贖罪を要求するものであった。犯罪者は民族共同体の「裏切り者」であり、例えば、反戦思想、政府に対する不平・不満という「悪い意思」を有する反抗的人格を形成したこと自体が罪という意思刑法・行為者刑法であった(「ナチズムは夢か ヨーロッパ近代の物語」南利明著、2016、第2部夢の展開-第四章運命共同体の建設-7共同体と犯罪者)。この「悪い」かどうかを、戦時下の国民生活の隅々までカバーした刑法典に当て嵌め、主観的に判断した最高責任者がフライスラーであった。「悪法も法である」として粛々と判決を書いたのではない。その意味では、アイヒマンのような「凡庸な悪」ではなく、まさに「正真正銘の悪」であったわけである。
また、本書はナチス期の司法の強制的同質化やナチス期の裁判官が戦後罪を問われることなくその地位にとどまった事実も明らかにされる。日本語版読者向け特別寄稿「記憶と忘却について」で、「過去の克服」が済んでいないドイツ司法界を告発している。ただ本書は1993年とやや古く、現在の情報は乏しいところは残念である。
最近の刑法理論に「敵味方刑法」Feindstrafrechtがある。近年、組織犯罪やテロリズムへの対策として、一定の範囲で、犯罪成立時期の前倒し、刑罰加重、また、手続的な権利保障の水準の引き下げが各国で見られる。最近の日本では「共謀罪」、飲酒運転による自動車事故の重罰化、また、反社会勢力(暴力団・振り込め詐欺)への詐欺罪適用などもこの思想にもとづいているように感じられる。この現象をドイツ刑法学者ギュンター・ヤコブスGuenther Jakobsは「敵味方刑法」と名付けている。通常の刑法が、処罰する側もされる側も同じ市民であることを前提とする「市民刑法」であるのに対し、「敵味方刑法」では、対象者が被害者や処罰する「市民」側とは異質の「敵」という存在として評価されるのである。ナチスの「共同体に対する犯罪」との類似性は見いだせないだろうか。また、シュミットの「友と敵」、アガンベンの「例外状態」も想起させる。本書の現代に問いかける意味は重い。

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紙の本

無罪判決とヒルデ・ベンヤミン

2017/03/23 22:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

フライスラーは名前だけ有名だが、ある程度まとまった書かれた日本語の本はグイド・クノップの「ヒトラーの共犯者」しか読んでいない。といっても、この本はフライスラーの伝記であるとともに、「零時」(ドイツ軍の降伏後)も「褐色の過去」を持った人々が居座ったドイツの法曹界を批判している本だ。どちらかと言えばフライスラーという「看板役者」を通して見たヒトラーの政権掌握後のドイツ法曹界の歴史、といったところだ。
 フライスラーの「人民法廷」(この本での使われている訳語。クノップの本でも「ヒトラーの共犯者」では「民族裁判所」だったり「ドキュメント・ヒトラー暗殺計画」では「民族法廷」だったり、と一貫していないから、定訳がないらしい)で裁かれた人々のリストが巻末に掲載されているが、無罪になった人もそれなりにいる。「収容所群島」の国家保安省と違って、逮捕した正教会の宣教師を取り調べたゲスターポは真理を追究して釈放した、という注釈があるのを思い出した。フライスラーの裁判所では無茶苦茶な「論理」で死刑判決が下された事ばかり書かれるものだが、どういう人が無罪になったか、も書かないと分からなくなる。
 ヘープナー将軍はモスクワ戦で後退したという「理由」で軍籍を剥奪されているのに、7月20日事件の後に設置された「名誉法廷」で軍籍が剥奪されたとか1944年末に「『国防軍補助婦人部隊』が結成された」(実際はもっと早いんじゃないか?)とかいったおかしな記述も目につくが、何と言ってもDDR版フライスラー(又はヴィシンスキー)のヒルデ・ベンヤミンを書いた節で、主語がないが、「被告人に向かって叫び、罵倒するその姿は、当人が何年か前に人民法廷で被告人に対したときと変わらなかった」というのは、どう読んでも彼女を指しているとしか読めない。おそらく著者はDDRの第一検事総長に成り果せた「最高法院顧問官としてすでにナチス司法に貢献した過去を持つ」人物と混同して書いているか、それとも誤訳なのか分からないが、ヒルデ・ベンヤミンはヴァルター・ベンヤミンの義理の妹で「一九二七年以来の共産党員」(「ドイツ総決算」)、彼女の夫は強制収容所で死んだ共産主義者の医者だ。この本には亡命したエーリヒ・マリア・レマルクの代わりに死刑になった彼の妹が出て来るが、いくら似たような人物としてドイツ法曹界に「名声」を残したといっても、ヴァルター・ベンヤミンの義理の妹でKPD党員がフライスラーの同僚になれるはずがないだろうに、何故そこに気がつかないのだろうか。
 ヒルデ・ベンヤミンにも言える事だが、一般の日本の読者に馴染みがない人物に注釈がないのも難点だ。ハンス・カール・フィルビンガーという海軍法務官だった人物が出て来るが、たまたまグロセールの「ドイツ総決算」で名前が出て来るから知っている人物で、「ドイツの秋」についてマンフレート・ロンメルと一緒に名前が登場していたからだ。もっともマンフレート・ロンメルなら注釈などいらないだろうが。

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2018/02/03 20:58

投稿元:ブクログ

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2017/06/19 21:20

投稿元:ブクログ

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