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投稿者:ARN - この投稿者のレビュー一覧を見る
多分怖くないゴーストストーリー。
翻訳特有の雰囲気はあるものの、文体は読みやすい。
子ども用墓地にやってきた青年が、子どもたちから自分が死んだ時のことを聞いてほしいと頼まれる、短編連作方式。
ホラー、ミステリー、SFとなんでもあり。
ちょっとすっきりしない終わり方もあるが、子どもたちが死んだ時点で途切れているので仕方がないな。
電子書籍
意外にさわやか
2017/04/06 15:42
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投稿者:鯖 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バッドエンドや厭ミス的なものではなく、ジュブナイルぽいこわいはなしが並び、さらっと読めて読後感も悪くない。どれもオーソドックスなホラーなのも読んでいて楽しい。黄色い壁紙オマージュのエドガーがいちばん好き。
紙の本
幽霊は怖くない?
2017/04/11 15:32
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
たとえ短い人生でも、それぞれに十人十色の人生がある。「ただ話を聞いて欲しいだけ」というのが、単なるオカルトファンタジーであるだけでなく、現代人の病理や欲求に重なるのを感じた。
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ステキな表紙。可愛いゴーストストーリー。
導入に引き込まれる。
「猿の手」とシェイクスピアのミックス少女版「リリー」が気に入りました。
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『忘れ去られた墓地で幽霊たちが語る最期の物語を聞く』というホラー……というよりは、ゴースト・ストーリーと言うべきか。
著者は児童文学ジャンルで活躍している人物のようで、ラストの爽やかさ(というと語弊があるか?)などはけっこう児童文学っぽい。ホラー作家ならもうちょっとこう、『イヤ』な感じで纏めるような気がする。
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シャーリイ・ジャクスンみたいな奇妙に厭な物語を予想して読み始めたが、もう少し軽く、YA小説またはラノベ的なオムニバス作品である。ちょっと違うが高橋葉介の軽めの怪奇漫画に近いかもしれない。翻訳も相応に読みやすい。ジェイコブズ「猿の手」をはじめとして「黄色い壁紙」など古典ホラーへのオマージュが埋め込まれているようだ。
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真夜中、ティーンエイジャーのみが埋葬される墓場に足を踏み入れたマイク。幽霊たちが、死んだときの話を語る。
モンスターあり、怪奇現象あり、運命のいたずらなのか不運なのか、精神異常も。
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可愛らしいさかたきよこさんの表紙画とゴーストストーリー!ということで即買い。怪奇小説へのオマージュあり、19世紀から20世紀のシカゴの歴史にもなぞられていたりと様々な時代のゴーストストーリーが楽しめました。良い意味で予想を裏切られたのは、クラシカルな怪奇ものばかりだろうと思いきや、とても魅力的なモンスターも出てきたりと、なんともアメリカ的!YAブックではありますが、大人でも充分楽しめました。
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読み始めて七ページで鳥肌立った。
子供の幽霊が、自分たちが死んだときのことを語る話。九人分の話と、プロローグ、エピローグ的なもの。さっくり読める。訳文も読みやすかったし。
怪談なんだけど、現実寄りというよりはファンタジィ寄りな怪談。ホラーマンガのコミック雑誌あるじゃん。あんな感じに似てるなって思った。死因が現実的なもの(焼死とか圧死とか)もあるんだけど、モンスターやゴーストが普通(?)に出てくるので、そこを踏まえたうえでそれを楽しめるひとには全力でお勧めします。面白かったんだよ、一気に読んじゃうくらいには!
本当は最後、マイクも死んじゃうのかなって思ってたんだけど、救いのある方向で良かったのかもね。好みだけで語れば、マイクも実は死んでてその墓地の仲間入りをして、次に話を聞いてくれるひとがくるまで順番待ちをしなきゃいけなくなってた、っていうオチだったらよかったのにとは思った。
最後さぁ、子どもたちは話を聞いてもらえて成仏できたってことでいいのかな。成仏って言い方はしないんだろうけど。リリーはコリンに会えたみたいだし。ただでもそしたら、キャロルアンはどうなるの。毎年誰かを墓地に連れてくるって言うけど、キャロルアンはずっと成仏できないままじゃね? かわいそうじゃね?
話のなかではエヴリンのやつが一番好き。兄弟ネタに相変わらず弱い。
抜粋はエヴリンより。
わたしたちは別々にこの世界にやってきた。
でも、去るときはいっしょだった。
この話、最後、ブランチが現れるところがすごい好き。
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怖い。ホラーは読みやすいほどに怖いと思うのだけど、作者は児童向けの物語も書いていると知ってなるほどなーと思いました。
ラストでスコットが綺麗にまとめた感あるけど、エドガーだけは…モンスターはどっちかっていうと…
あ、マイク死ななくて良かったね!
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一人ずつの話が短くて面白い。けどちょっと不思議現象でしんでしまうものが多かった。もっと人間のひどさみたいなものが死の理由なのを期待していたから。
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不幸にして十代で死んでしまった子供たちの幽霊が、自分たちが死ぬに至った物語を順に語っていく連作ホラー。リアルに恐ろしく悲しいものや、どこかしらシュールながらやはり恐ろしいものや、さまざまなテイストが楽しめます。そしてその物語を聞き続ける少年マイクがいったいどうなってしまうのか、というところも読みどころです。
さまざまな怪奇小説の要素がたっぷり含まれているのもまた読みどころです。「サルの手」なんかはあまりにわかりやすいけれど。それ以外にも、ホラー好きならぐぐっと引き込まれるガジェットがいっぱいでした。
お気に入りは「ジーナ」。これが一番やるせなくてつらいなあ。リアリティという意味ではもっとも恐ろしく感じた一作でもありました。逆に「デヴィッド」は、現実感がなさ過ぎてシュールで、でもだからこそ実際に起こったら恐ろしいだろうなあ、という物語。あんな死に方は嫌だ。
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TLでなんとなく評判を見た+甲田学人の新刊読んでホラーを読みたい気持ちが高まっていた結果、手を出した本。
若くして死んだ人々、それもミステリ的、ホラー的、あるいはSF的な死を迎えた者たちの、死に様を描いていく連作短編。
要望には十分応えてくれた。登場人物が割りと気持ちいい人物が多い+何かに立ち向かい、時には勝つエンドも多いので、後味が悪くないのも特徴か。エドガーの話とかは別だけど。
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毎日夜遅く帰ってくるマイクは、母親から今日こそは日付の変わらないうちに帰ってくるように言われていたが、今日もギリギリ。真っ暗な郡道を車で飛ばしていると、突然びしょ濡れの女の子が現れる。かろうじて車を止めたマイクは、女の子・キャロルアンを家まで送っていく。ところが、キャロルアンは、脱いでいた靴を車に置きっぱなしだった。マイクが、キャロルアの家に届けると…。
十代で亡くなった少年少女たちのそれぞれの死んだ日を集めたゴーストストーリー集。19世紀から21世紀までのシカゴでの若者たちの一面をのぞかせつつ。
怖い~!
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夜中車を飛ばしてた少年マイク。
偶然道で拾ったメアリアンに導かれ彼が辿り着いたのは、十代の子供ばかりが眠る忘れ去られた墓地。
マイクはそこで幽霊となった子供たちが語る死に際に耳を傾ける事に……
ジュブナイルなテイストのゴーストストーリー。文章は読みやすく茶目っけがきいている。
一遍ごとに語り手が交代する連作短編集で、語り手の生前の境遇は勿論のこと時代背景や舞台設定なども各自異なっており、人喰いモンスターが巻き起こす騒動に兄妹が巻き込まれるB級パニックものから精神疾患の少年のグロテスクな妄想を扱ったサイコホラー、確執を抱く正反対の双子の姉妹が不思議な鏡に翻弄されるゴシックホラーまで、多彩な趣向で楽しませてくれる。
幽霊や悪魔など超自然的なモノから人の心の闇を扱った話までよりどりみどり。「猿の手」や「黄色い壁紙」など、古典をオマージュした話をさりげなくもぐりこませる演出も憎い。
既に死んだ子供たちが忘れられた墓地で話す物語というシチュエーションは、好きな人にはぐっとくるのでは?
子供たちが死んだ年代は100年程遡る昔から2012年の現代まで多岐に渡り、彼らの語り口からその時代ごとの価値観が透けるのも興味深い。
ド直球のホラーではなく、子供たちのユーモラスな語り口やコミカルな日常のエピソードにくすっとしたあと背筋がぞくっとするような感じ。
昔NHKで放送していた「グースハンプス」を思い出した。
ほぼ傍観者に徹するマイクの存在に疑問を呈す向きもあるが、そも彼という一夜限りの「聞き手」が存在しなければ「語り手」も存在しえないので、物語を成立させる重大な要素だと思った。
生きた聞き手を得て初めて物語は完結し、過去にスポットライトがあたるのだ。