紙の本
最後の原発事故後の日本
2017/04/16 19:45
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
立入制限地域を管理している人工知能ロボット、耐性をもった生物など、未来に起きても可笑しくない設定です。
でも、ゾンビとかも出てきます。しかも、知能をもったゾンビも。
ロボットたちの所に突然現れた公務員の女性。彼女との交流でさらに経験値を積むロボットたちの姿もあり。途中からロボットであることを忘れてしまいます。
立入制限地域を産業化しようとする政府の思惑とかもあり。人間ってコワイ・・・って感じます。
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シュールで深刻な設定なのに笑える!
2017/05/23 07:23
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一応SFに入るのでしょうか?私には近未来予想図のようにしか思えません。政府や政治家に対する痛烈な批判を含んでいる一方、過激な環境保護団体への皮肉も効いています。
人間臭いロボットたち。唯一の人間である財護徳子の言動が相当場違いで、ロボットの方がむしろ常識的に見えることも、ある意味皮肉なのかな、と思います。
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これはサイエンスフィクションではない!
2017/05/05 15:27
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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
今やこの話の中の世界は、もうフィクションではなく、近い将来やってくる世界のように感じた。その中での人間ではないボスや博士の含蓄のある言葉の数々は、本当に心に響きました。まさに、今、読むべき一冊です。
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ロボット、人間、ゾンビ!
2017/04/16 19:57
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
立入制限区域をパトロールするロボットたちの個性が楽しかった。某TVドラマを元にしてたり開発者のセンスが光る設定。
原発の影響で巨大化した凶暴な猫。九尾で青色。それはそれで可愛い。でも、凶暴。
唯一の人間、国税庁の女性が最初はウザかったけど、だんだん慣れてきます。
ロボットたちの方がよっぽどまともに見えてくるくらいウザイですけど、慣れます。大丈夫です。
原発事故の原因とか、妙に「起こりうるかも?」って感じさせる世界観でした。
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最初はなんて本なんだと気分が悪くなったし、楽しみにしていた恩田さんの作品がこれかと、残念に思ったのだけど、読み進めていくとラストになぜか爽快感を味わうという不思議さ!
妙に生々しい現実味と、やっぱりあり得ない設定の中にサブカルな感じも覗き、笑いを誘うというかすこんと抜く感じがさすが。
嫌な空気のまま、物語が進まないところが憎い。
なんだかんだとコンスタントに恩田さんの新刊が読めて幸せだったーー。
当面刊行はないのだろうか。
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直木賞受賞後、初の長編。
原発を狙ったテロで、施設を爆破され、人が住めなくなった地域をロボット達が守ると言う、近未来を描いた作品。
人工知能を持ったロボット7台が管理する汚染地域に、ある日国税庁の職員と名乗る女性がやってくることから、物語は始まる。
ロボットのネーミングやら、徳子の口上やら、小ネタがいっぱい!最近は真面目な作品を続けて、読んでいたので、この人、こんな作品も描くんだっけ?と最初はついていけなかった。
軽いタッチは最後まで続くものの、北朝鮮問題で核が今の日本において、全然関係ないものではないことを考えると、ただの架空の話とは受け止められない部分も…
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SFでミステリー、ホラーにシリアス。卓絶で秀抜な作品。
ロミオ的なサブカル昭和ネタぷんぷんでついてけるかと心配したけど、杞憂だった。そんくらいしなきゃ押しつぶされる重厚なテーマ。
エンターテイメントとして昇華できる、彼女はやはり天才。
「人間を信じ切るには、あまりにも彼らは前科が有りすぎる」
恐ろしい終末を回避できるのもやっぱり人間だからと信じたい。
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図書館で。面白かった。胸が痛かった。笑った。泣いた。現実では無い世界を舞台にしているけれども、紛れもなく今私が生きている世界のことなんだと思った。
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恩田陸の最新作。直木賞受賞後に立て続けに新刊が出たが、発行日としては本書が一番新しい。
SFのようでもあり、ミステリのようでもあり、ジャンルがよく解らないところは何時もの恩田陸だった。主人公のエキセントリックなキャラクターはやりすぎ感が漂い始めるギリギリのところに留まっていて、その辺りも非常に上手い。
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恩田陸×ロボット×ゾンビの化学変化!
いやはや、こんなコトになるんですね(笑)
なかなかテンション高めなSF、なのにちょいちょい昭和っていう絶妙なバランス感。
ただね、これが現実に(ゾンビは置いといて)日本が陥りそうな未来だなーなんて思えちゃうあたりが陸さんの怖いトコ。
コンパクトに面白かった。
映像にしたら、より滑稽さとのコントラストが際立って面白いだろうね。
あ、ヤマさんて発言してた??
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ディープラーニングで自己学習していくとロボットはどんどん経験値を積んでいき、もはや、ソフトウェアの”部分更新”なんかしたらどこにどう影響するかわからなくなってしまうかも、というのがなにやらリアル。
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原発事故で汚染された地域を巡回する
ロボットたちの居住区に、謎の女・財護徳子が
やってきた。ロボットたちは人間である徳子の
指令に従おうとするのだが…。
彼女の目的は一体何なのか?
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ありえない設定だけど、光景がはっきり浮かぶ不思議な感覚。屈強なボス達と抜け目ない国税の女の掛け合いが面白い!久しぶりに乗り過ごした。
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たまたま重なったのだろうが、すごい新刊ラッシュである。東日本大震災から6年。福島第1原発周辺の一部地域で、避難指示解除が迫る中、恩田陸さんの新刊のテーマは…原発問題?
テロリストによって原発を爆破され、各地に立入制限区域ができてしまった、作中の日本。ロボットが働いているその区域に、ある日、人間の女性が訪問してきた。国税庁所属だというが、人間に接したことがないロボットたちは、戸惑う。
ロボットといっても、外見は人間そのもの。彼ら(?)と、人間・財護徳子との掛け合いは、やたらと軽妙で漫才のようだ。さぞかし重いテーマかと思いきや、すいすい読めてしまう。危険地帯を舞台にしながら、緊張感がない。
とはいえ、現実の原発事故や、福島県民の苦悩を連想させる描写は、随所に見られるし、読みながら苦い気持ちにもなる。それを漫才というオブラートに包み、飲み下しているような作品だろうか。うーむ、真面目なような、ふざけているような…。
そもそも、徳子の目的は何か。彼女の行動は、あまりにも無謀で命知らずである。人間を保護しなくてはならないロボットたちは、振り回されるが、あまり迷惑そうに感じていないように思えるのは、気のせいだろうか。何だか馬が合っているし。
さて、財政が危機的状況の日本が、立入制限区域で極秘に進めていた計画とは。薄々予想できたし、正直驚かなかった。だって、現実にありそうな話なんだもの。やっぱり、軽妙なようで、全体的には苦い話だったのだ。
現在進行のテーマでもあり、重くしようと思えば、いくらでも重くできたはずである。それでも、敢えてガチガチのディストピア小説にしなかったのは、恩田陸らしい。あまり構えずに手に取ってほしいが、訴えるべきところは訴えている。福島第1原発の廃炉作業は、自分が生きているうちに終わらないだろう。
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昭和30年代・40年代生まれの方にとっては懐かしいフレーズが随所に散りばめられていて、いちいち立ち止まらずに文章をテンポ良く読み進めることができた。パロディを知らない世代の人には面白さが半減するのでは?
状況設定・背景がこの時期難しいものなので少々世間の反応を気にはしましたが、文学にあまりタブーを設けるべきではないと私は思います。いずれにせよ、核ミサイルがいつ打ち込まれてもおかしくない状況に我々は置かれている訳でありますから。日本政府が国民に隠し事をしているといった文章も、何故かすんなり受け入れている自分が情けなくなってしまいました。
読んでいるページの10ページ先も同時に読んでいるような疾風感がある文章なので、あっという間に読了してしまいました。