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【アウトレットブック】悩む人ほど、大きく伸びる みんなのレビュー
- 渡部 昇一
- 税込価格:594円(5pt)
- 出版社:イーストプレス
- 発売日:2014/10/04
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アウトレットブック
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紙の本
自分流のやり方の肯定
2018/09/04 05:50
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投稿者:シロップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、著者の体験、偉人たちのエピソード、また日本と西欧の宗教観の違い、戦時での戦略などを具体的な例として、「現状を突破する力」について語られていて、面白かった。
とくに印象に残った部分を挙げれば、日本人における「こころ」というものの概念について語り、それが日本人の宗教観へと影響を与えていくことが推論されている箇所である。
渡部氏によれば、「こころ」は日本人にあっては、「コロコロしたものが心のあたりに固まっていて、それは勾玉のようなものだ、というイメージ」があるという。そして、この「こころ」を磨くこと(「勾玉磨き」)が、日本人の文化で重要視されたという。
宗教観の文脈で言えば、日本以外の宗教は「その宗教を始めた人に近づくこと」や「教義に従うこと」が目標とされるのに対して、日本では「宗教は外皮にすぎ」ず、「そんなことよりも、「こころ」を清くし、「こころ」を正しくすることの方がより一義的だというのが日本人の発想の根本なのだ」(74―80)。そしてこの発想は、「どんな教えにもいい所はある。ならば、そのいい所取りをして、自分の「こころ」を磨けば、それでいいのだということだ」(81)。
個人的なことになるが、これらの部分を読んで、自分の読書(勉強?)のやり方を肯定してくれているように感じてとても嬉しかった。というのも、僕は何かについて体系だった読み方をしてそのことについて知識をつけるのではなく、自分の好きなものを自分にいかせそうな部分だけつまみ食いするといった読み方を、ずっとしてきたからだ。別にそのような読み方をしていて誰かから文句を言われるわけではなかったが、一方で「こんな読み方をしていて良いのだろうか」という自分への疑いをずっともっていた。
それから「何が一番自分の「こころ」にとって磨きやすいのかは、結局、何が自分のためになるのか、ならないのかで判断すればいい」(95)という言葉である。僕はこの言葉も自分の読書のやり方に照らし合わせて読んだが、人の抱える問題や悩みは千差万別であろう。それゆえ、それを乗り越える方法、時期、スピードなども様々である。したがって、自分の抱える問題や悩みへの向かい方も自己流で良いと、この引用の言葉は言ってくれているのだろうと思う。ただ自分に合ったやり方をまず見つけることが難しいことだと思うが。
このように本書は、他にも、現在問題や悩みを抱えている人たちのためにヒントになる事柄、あるいは励みになる言葉が随所に見出せると思う。ただ、あえて批判させていただければ、渡部氏は問題や悩みを乗り越えていく道筋として、「立志」「志を立てること」、サミュエル・スマイルズの「自助努力」の思想に求めている箇所があった。この思想は、えてして「自己責任」という考えに結びつきやすいことが懸念される。それは誰かを社会から排除する方向へ向ってしまうことを私たちは歴史から学んできた。考えすぎかも知れないが、そのことだけ少し気になったので、挙げさせていただいた。
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