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【「鬼平」決定版、アニメ化で読者じわじわ拡大中】読みやすく、何度読んでも新たな発見があると大人気の決定版シリーズ。今月刊行の8巻と9巻では、密偵たちの関係が大きく動く。
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「鬼平犯科帳」に登場する盗賊には、急ぎ働き、畜生働きをする悪人がいる一方で、本格派や義侠心に富む者もいる。彼らもまた人間なのだ。「雨引きの文五郎」「鯉肝のお里」「本門寺暮雪」「白い粉」などを収録。
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鬼平さんの危機を命がけで救った柴犬ちゃんのお話が良かったです。
貰い受けたあと、しばらく元の飼い主を思ってクンクン言ってたというのも人情(この場合「犬情」かな?)深くって良し!
しかし、鬼平さんは犬にまで好かれるのか。
若い頃はさぞ女性にもモテたんだろうねぇ…。
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女密偵・「おまさ」と、かつては本格派の盗賊の首領であった「大滝の五郎蔵」二人は平蔵の指示で一つ家に住み、火付盗賊改の仕事を手伝うが・・・。この9巻では平蔵夫婦は二組の仲人をつとめる。一つは岸井左馬之助と小野田治平の娘・お静。一つは密偵同士の大滝の五郎蔵とおまさ。
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『雨引の文五郎』
まるで名物のような盗人だった。雨引の文五郎は、昔は西尾の長兵衛親分の片腕だったが、長兵衛が死ぬと跡目を断りきっぱりと一人働きへ鞍替えした。そのおつとめ(盗み)の見事さは「隙間風」と呼ばれるくらいだ。
こんなに有名なのに誰も顔を知らない。その文五郎の人相書きを鬼平に送りつけてきたのは文五郎自身だった。こうして鬼平をからかう洒落っ気に鬼平は苦るしかなかった。
その文五郎に恨みを持つ落針の彦蔵という押し込み強盗がいた。鬼平はまとめて彼らを相手にすることにして…。
※※※芸達者で他の盗人から「お縄にさせるにはもったいない」と言われるようなひょうきんな顔立ちで筋の通った盗賊。鬼平も真剣に勝ちたがっています。
『鯉肝のお里』
鯉は肝を潰すとその苦味臭味がなかなか抜けない。それを通り名にする女賊というからにはいかばかりか。
偶然そのお里を見かけた鬼平の女密偵おまさは、同じ鬼平の密偵で元盗賊の頭の大滝の五郎蔵とともに張り込むことになり…。
※※※裏社会でのストレス解消はセックス…というサガがなんとも言えない。そして元盗賊である密偵たちへも心遣いを持つ鬼平が、粋な仲人働きを見せる。
「鬼平犯科帳」では、鬼平と密偵たち、鬼平と町人たちのふとした交流も良い感じで書かれています。
『泥亀』
かつて盗人宿を預かっていた泥亀の七蔵爺さんは、隠居金をもらいかたぎ暮らしをしている。だがかつて世話になった親分が死に、残された妻子が貧乏暮らしに喘いでいると聞き、なんとか助けたいと一人働きを画策する。でもうまくは行かないのだ。だって七蔵爺さんはただの田舎の盗人宿の親父だし、引退の理由も痔が悪化して歩行にも支障をきたすからなのだ。別の線から事情を知り七蔵を捉えた鬼平でさえ、尻を痛がるこの爺さんを処罰する気にはなれなかったくらいだ。そこで鬼平は…
※※※いい感じで人情噺が進みちょっと緩んだ人が出てきます。やっぱりあまり情け容赦ない展開は読んでいて辛いからね。
『本門寺暮雪』
かつて鬼平と剣術を習った井関緑之助は、今では気楽な乞食坊主暮らしで、たま〜に鬼平の密偵めいたことをしている。だがそんな呑気な緑之助が鋭い目線を向ける相手がいた。かつて緑之助に斬り付け大怪我を追わせた゛凄い奴゛が江戸に現れたのだ…。
※※※名前も目的もわからず”凄い奴”としか形容されない人斬り。ドラマで見たらさぞかし緊迫感があっただろう。
決着の付け方はうまくいきすぎな気もするが、犬がいい働きしたから良し。
『浅草・鳥越橋』
大店に盗みに入る場合には一味のものを奉公人や下女として店に入れる。そうして何年もかけて準備をするのだ。
そのような”引き込み役”である仁助のもとに相棒の定七から思いがけない知らせが届く。家に残している女房が、盗人のお頭に寝取られたというのだ。あまりの仕打ちにお頭への恨みを募らせる仁助に定七が持ちかけた話は…。
※※※盗賊同士の裏切りやら酷い騙しやらなんか怪しい人間関係やらで、巻き込まれて犠牲になった人たちが気の毒な。
前作「本門寺暮雪���で出てきた柴犬は、鬼平が連れて帰り”クマ”と名付けられて長谷川家の愛犬に。そのうち市中見廻りにも連れて行くつもりらしい。かわいい。
『白い粉』
鬼平の屋敷の料理人勘助は悩み抜いていた。鬼平に毒を盛らなければ女房を殺すと脅されたのだ。もともと博打好きで何度も足を踏み外しては料理の師匠や鬼平により助けられた勘助。だがそのような危機を迎えてさらに博打へとのめり込むのだった。
『狐雨』
最近鬼平の部下になった同心の青木助五郎は、冴えない風貌と人付き合いの悪さとは裏腹に次々と手柄を挙げていた。同僚たちからはやっかみともつかない悪い噂も流れている。
そんな時青木はいきなり鬼平の屋敷に押しかけ、人間とも思えない振る舞いに及び出した。
極悪犯罪者に慣はれている鬼平も、いきなり狐憑きとなった相手にはさすがに畏れを感じ…。
※※※現在で言えば脳障害をきたしたのでしょうが、この裏にある人間関係や幼い時の体験話がなんとも物の哀れを感じる。
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長谷川平蔵夫妻は、岸井左馬之助とお静、密偵同士の五郎蔵とおまさの仲人を。この二組のその後の活躍が楽しみです。池波正太郎 著「鬼平犯科帳 9」、2000.7発行、7話。第2話「鯉肝(こいぎも)のお里」(女賊)がお気に入りです。
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内容(「BOOK」データベースより)
女密偵・おまさと、かつては本格派の盗賊の首領であった大滝の五郎蔵。二人は平蔵の指示で一つ家に住み、盗賊の見張りを続けるが、その顛末は―(「鯉肝のお里」)。平蔵の愛犬となるクマとの出会いを描く名作(「本門寺暮雪」)ほか、「雨引の文五郎」「泥亀」「浅草・鳥越橋」「白い粉」「狐雨」の全七篇に、エッセイ一篇を特別収録。
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厚い全集で鬼平犯科帳を読んでいましたが文庫が出てそちらにして読んでます。舞台の浅草など歩いてみたいな。