投稿元:
レビューを見る
★第23回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞作
【ラスト、読む人全ての心を揺さぶる――。 痛切で歪な“愛”を描いた、圧倒的衝撃作!】
『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後にあなたは――』
突然見知らぬ女にそう問いかけられた雪の日。僕はその女、大野千草と夫婦になった。
互いについて何も知らない僕らを結ぶのは【三つ目の質問】だけ。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に捨て去ったはずの過去を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。
これは、誰も愛せなくなった僕が君と出会い、愛を知る物語だ。
投稿元:
レビューを見る
てっきり主人公がひきこもりなのかと思っていた。実際ひきこもりだったのは、主人公のお兄さん。ハッピーエンドなんだけど、なんだか小骨が引っかかるような、読後感。
投稿元:
レビューを見る
大変面白かった。
もう少し抑揚が欲しかった。
結末は普通だった。
一つの物語が終わったって感じだった。
確かにひきこもりの弟だったけど、それ以外に特別なことは何も無い、普通の人だった。
そもそも、本人の努力があるとはいえ、充分に順風満帆な人生を送っている。
なにも憐れむことなんてない。
いい人生じゃないか。
投稿元:
レビューを見る
お互いを大切に思うからこそ、
答えまでは連れていかずに、ゆっくりと歩いて、答えの輪郭を探しにいくような優しさのお話だと、感じた。
投稿元:
レビューを見る
読みながら母親との会話で歯がゆいイライラを感じつつも、彼がどう成長していったのか気になって一気に読んだ。
昔はヒーローのような兄が年とともに足枷になるというのはわかるのだけれどどこか切ないものがあるなぁ。
傷の舐め合いの二人も好きだけれど、そうでなかったこの結末は幸せが溢れてて好き。幸せなら、過去を憎む必要がなくなるのかもしれないね。
ただ千草との話の関係がなんとなく私にはしっくりこなかったなぁ。なんでだろ。
投稿元:
レビューを見る
本を買うきっかけはいくつかある。ブクログのレビューを見て、装丁が綺麗で。あるいは、タイトルが気になって。
本作も、タイトルの妙、というのか、ひきこもりは自分自身か自分の兄かぱっと見ではわからない。序盤ですぐに知るところとなるんだけど、その頃にはもう二人の関係の終着を見届けたくなっている。
主人公の生い立ちについては、かきみだされる、と、思った。これは、なんていうか、全くの想像だけど、著者のノンフィクションを孕んだフィクションなのではないか、と、そうでなければどうしてこれほど切実な怨嗟が描けるだろう、と考えてしまう。
内臓を無遠慮にかき回されるような不快感を覚える回想に比べ、結婚生活はファンタジーだ。どこか現実感がなく、だからこそ定規を持たない人間のモラトリアムたりえた。
最後の、人によっては取って付けた、と受け取られかねないシーンは、私には縋るような祈りに感じられた。どうかこうなりますように。どうかこういう未来が待っていますように、と。
投稿元:
レビューを見る
ラスト、読む人に【幸せとは何か】を問いかける――。
誰も愛せなくなった「僕」が、「君」と出会って愛を知る物語。
『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後に、あなたは――』
【三つ目の質問】を中が予想しつつも、気になって読んでしまったw
突然、見知らぬ女にそう問いかけられ、僕はその女――大野千草と“夫婦”になった。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に過ぎ去った日々を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。
理不尽な辛い思いをした人も、自分の人生を投げ出さず、前に進み続けることでしあわせを手にして欲しい、と願う。
投稿元:
レビューを見る
親から肉体的な虐待を受けた千草と、同じように親から精神的な虐待を受けた啓太は、残念ながらお互いを大切にしながらも埋め合うことはできなかった。でも、ふたりで過ごした時間があったからこそ自分たちが欲しい物に手が伸ばすことができたんだと思う。
啓太が、〝千草がちゃんと欲しい物に手を伸ばしますように〟と思う場面が、オイラは痛かったなあ。オイラがガキたちに思う気持ちもそうだから。叶えてあげられればいいんだけど、むしろ我慢させてばかりいる。きっと啓太のように自分で切り開いていくんだろう、何かしらトラウマみたいなものを抱えて。
結果はどうであれ欲しいものは欲しいと言って手を伸ばして、もしそれが手に入ったら手を離さないでほしいな。
投稿元:
レビューを見る
ページをめくる手が止まらなく一気読みした。
ちなみに僕は主人公と似た境遇の現在30歳の男で、兄が2個上で中学1年から今に至るまでひきこもっている。似た立場の方が読む際参考にして頂ければ幸いだ。
この小説を読んでいて、僕はこの物語に出てくるすべての登場人物に嫌悪感を抱いた。特に主人公は自分は決して幸せになれないのだと、悲劇のヒロインよろしく世の不幸を一身に背負っていますみたいなセンチで自分本位な思考回路、表面上はなんでもないふり、まともなふり、そして自分をとりまく家族や環境へ責任転嫁。自分を見ているようで気持ち悪くなった。読了後、丸2日くらい精神的に不安定になった。
僕はこの物語はバッドエンドだと解釈した。これを、ハッピーエンドとまではいかないが、よしとする人は多くいると思うし、そういう人たちは精神的に成熟した大人なのかもしれない。ただ、僕はそんな大人ではなかったしそうはなれないと思う。そしてこの小説を読んで、そんな風になりたくもないと思った。
僕はこの小説がきっかけで、そんな大人には、この主人公のようにはならないと決心できた。幸せになる勇気を持てたと思う。(背中を押してとかそういうのは全くなく、反面教師的に)
ともかく、僕は最良のタイミングで最良の本と出会えたと思う。Google検索の有能さに感謝。いろんな人に感謝。
投稿元:
レビューを見る
他人を愛することが出来なかったふたりが、愛を自覚した結果、別れを決断する。好きだからこそ、相手の為に別れるしかない。何とも皮肉な結末に、とても哀しい気持ちになった。
それでも、きっと啓太も千草もこれから幸せな家庭を築いてくれるだろうと期待が持てる結末に、ほんの少しだけ安堵しました。
投稿元:
レビューを見る
筋道がたった作品が好きな人にはオススメできないというのが感想です。
この本では、ありふれた日常の描写が多いのですが、他の小説と違ってその話が別のところにつながるということはなく、ありふれた日常はありふれた日常として終わってしまいます。だから、話がいろいろとつながっていることが好きな人は違和感を覚えると思います。でも、実際に考えてみると、全てが全て繋がっているということは普通に生きていればなく、繋がることもなく終わってしまうことの方が多くあると思います。そんなことを思わせる作品でもありました。
この本の終わり方に関しても、好きな人、好きじゃない人がはっきりわかれると思います。作者もそれを承知の上で書いたことはわかるのですが、私にとってはあまり好きじゃない終わり方でした。いろいろと矛盾と未解決の問題があるままに終わってしまっているので、綺麗な終わり方が好きな人には受け入れられないかもしれません。
それでも、この本に魅力があります。それは今までに読んできたことがないよな恋愛観だと思います。こんな恋愛、夫婦関係を望んでいる人は少なからずいるのではないでしょうか。少なくとも私はその一人なので、主人公にすごく共感しました。
投稿元:
レビューを見る
2018.6.17 読了
誰も愛せない僕 啓太が、
ある日 偶然 駅で出会った女の子 千草に
質問される。
「彼女はいますか?」
「煙草は吸いますか?」
「最後に、あなたは…」
「そうです」
「そしたら、ケッコンしましょう」
現在の話と 啓太の過去の話が交差しながら
物語が進んでゆく。
徐々に明らかになってゆく過去。
大嫌いな 母と兄。
唯一の親友の変化。
人の温かみを知り、戸惑う啓太。
途中 話に惹き込まれすぎて もどかしくなるくらい。
久々。
ラストは 自分的には モヤモヤした。
でも、面白かった!
投稿元:
レビューを見る
最後にどんなどんでん返しがあるのかと思ったら肩透かし。小学生のうちから不登校だったら小学校の先生がかていほうもんくらいくるでしょう。
投稿元:
レビューを見る
読んでいて、つらくて苦しい本でした。
日常の中にある、自分ではどうしようもない出来事に影響されて、自分の性格や人生までもが捻れていってしまうことの悲しさ、不可避さを感じました。
投稿元:
レビューを見る
引きこもりのきょうだいがいるので、「自分の趣味に合うかどうかはわからないな」とは思いつつタイトル買い。
まぁ、引きこもりが家にいる閉塞感は良い感じに表現されていると思った。
引きこもってしまった兄と共依存関係に陥る母親、兄みたいにはならないと心に誓いつつ、他人にやたらと厳しい大人に育ってしまった主人公、三者三様に不健康。
主人公が千草と結婚するまでの流れ、そして結婚生活はまぁ、ファンタジーと思うしかないか。ラスト、千草と離婚して別の女性と結婚して孫を見せに母親のところに行く主人公に違和感。ここは賛否両論なんだろうな。
あ、あと最後に。引きこもりの兄弟が早めに死んでしまったら、そりゃつらいだろうけど、それ以上にめっちゃ気楽だろうな、と心の底から思った。本気で羨ましい。