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私の歌舞伎鑑賞歴ではまだ凄さがわからない。けど衛星劇場で先代團十郎の弁慶見れば別物だと思う感覚に言葉を与えてくれる。
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著者の言う「叔父の時代」からはリアルタイムで見ているので、大半は共感を持って読めた。著者の言う「前近代」「近代」「現代」の内容と流れが若干わかりにくい部分があるので、必ずしも一刀両断に納得できる論ではないのだが、スタイルの変遷についてのだいたいの感覚についてはほぼ同意できる。
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歌舞伎が戦後の明治の名優がいたころから、如何に古典芸能から変わって来たのかを、時代背景・時代の精神性、近代演劇の影響などから、現代演劇としての古典劇に至った歌舞伎の歩みを役者の舞台を機軸に読み解いていく。
歌舞伎役者が歌舞伎の世界にだけ生きてきた封建性が色濃く残る戦前から、近代の生活人として生きるようになった中で歌舞伎の役とどう向き合い演じてきたのか。古典であることと、現代の観客と自らが納得できる、型ではなく一個の個人としての登場人物の解釈。
そうした葛藤や踊りの身体性向上が導いた現代の歌舞伎は、伝統でもあり近代でもあり現代の演芸でも演劇でもある。