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現実世界での物語の体験を提供する会社の面接で本は読まないと言明し不合格を確信するも何故か採用された美月と、不可能犯罪小説の体験依頼。役者として加わる中用意した台本から逸れて起こる殺人未遂達。飄々としてとぼけた美月が明るくて楽しい。本書が初登場ではないらしい、秘密の過去を思わせる有能さにわくわくした。
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ディスられても苦笑して逆にちょっと嬉しくなってしまうミステリマニアのさがってば。まあ、変態ですね(褒め言葉)。二重構造はきれいに決まると気持ちがいい。次巻も読んでみたい。
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物語を現実世界で体験できるメタブックを提供するディリュージョン社の新人エディター森永美月は、不可能犯罪を体験したいという上得意客の依頼を受け、天才作家の手塚和志と取り組むことになる。しかしメタブック開始早々予定外の出来事が起こり、現実の事件へと発展するのだった。
メタブックという物語の現実化の仕組みと、ミステリに全く触れたことのない新人を語り手にすることにより、二重三重にメタ要素を含んだミステリとなっています。
所謂本格ミステリの「お約束」もミステリ音痴ゆえに通じず、通じないから現実と虚構のない交ぜになった世界からひとり離れた目を持つ。なるほどこれが「探偵の目」なのかもしれないと思わせる構造に、ミステリ好きとして膝を打ちました。
真犯人はこの人以外にはいないだろうなとあたりはつくのですが、動機までには考えが及ばず。明かされた動機に、そういうことがあるかと驚く。これまたミステリの醍醐味ですね。いやあ、楽しい。
しかしミステリの世界を体験するとなると、やはり探偵役をやりたいものでしょうかね。犯人役も楽しそうですけどねえ。
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sg
ミステリーだけれど、怖くない。会社の事業内容は実現したら本当に楽しそうだと思ったが、文体がそんなに合わない気がした。
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本を読まないのに本の内容を具現化する会社に就職、というのは割とスタンダードな設定だと思うけれど、主人公が妙にサバイバル能力に長けているのははやみね作品だからだろうか…。犯人(?)の動機も「これは実際に介護してるとわかる~!!」。そしてちゃんとしたミステリーだった。見立て殺人のこととか…探偵が推理始めるまで殺人が止まらないとか…言わないであげて…ミステリーってそういうものだから
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はやみねかおるさんの児童書がおもしろいらしいので、息子に勧める前に自分で読んでみようと、大人用のこちらを図書館で借りてみました。
物語を現実世界で体験できる新しいエンターテイメント「メタブック」。要は一般人が俳優になってドラマの主人公を演じられるという感じで、このサービス内容が私にはあまり魅力的に感じず…。そこがずっと引っかかりながらも、テンポよいミステリーで気軽に読めました。
「メタブック」というサービスには疑問を持ちながらも、自分がもし体験するならどの本を選ぶかも考えながら読んだのですが、何も思い浮かびませんでした。本の世界に浸るのと演じるのって違うので、私は演じてみたいとは思えませんでした。遊園地のアトラクションか、バーチャルの世界なら体験したいです。
続きがあるので読むか迷うところです。
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はやみね先生の書く女の子の典型で、良かったです。というか、森永美月の名前、どこかで読んだような……?
現実とフィクションを混同してしまうようなメタブック、作中では全容が明かされませんでしたが、ぜひリーディングしてみたいですね。
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小学生の時に好きだったはやみねかおるを久しぶりに。大人向けとはいいつつ文体は児童書と変わらないため、懐かしい気持ちになりつつサクサク読めた。リーディングが始まってから話が大きく動き出し、後半は一気に読めた。
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小学生の頃「夢水清志郎」シリーズが大好きだった私にとっては久しぶりのはやみね氏作品。
大人向けに書かれた本作、メタブックという中々入り組んだ設定ですが読みやすさは健在。
懐かしい感慨に浸りつつ、楽しく読めました。
読後感の良さが魅力ですね
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物語を現実世界で体験できる新しいエンターテインメント「メタブック」を提供するディリュージョン社。
そこで働く事となった新人エディターの森永は、天才ライターの手塚と共に「不可能犯罪を体験したい」という依頼人のため完璧な舞台と台本を用意する。
しかし、怪しい手紙や殺意を感じる事件など、不測の事態が続き……。
現実世界に舞台を作り、物語を実際に体験させてくれる会社・ディリュージョン社を舞台にした小説です。
『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』に、こちらの短編が載っていて、本編をやっと読めました。
ワクワクする物語を現実で、しかも自分の希望するポジションで(安全に)楽しみたい。まさに夢のような体験。憧れる読書家さんも多いんじゃないでしょうか。私も出来る事なら体験してみたい。探偵役はさすがに荷が重すぎるけど……! それこそ助手とかトリックスター的なポジションとかやってみたい。子供の頃ごっこ遊びばかりしていた個人的にはめちゃくちゃ心惹かれます。
主人公が、こういった会社に勤めている割に全く本を読んだりしない女性なので、それゆえに小説・ミステリならではの「お約束」に捕らわれない存在なのは分かるのですが、でも、そうだとしても、そして書いてるのが小説家さんだとしても、自分の好きな物(=読書)を軽く扱われるのってあまり面白いものじゃないなと感じてしまいました(笑)
今は、今年(2024年)できたばかりのイマーシブ・フォート東京などで、物語への没入体験ができるとか。現実世界とフィクション境界もだんだんと近づいていっている気がします。