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フランス料理がヨーロッパの貴族の文化により貴族と庶民を区別するためのものとして発展し、その後料理自体を楽しむこととして発展していく流れを知ることができて面白かった。
もともとナイフとフォークで食べるような文化がイタリアから入ってきたものだと言うものは別の本でも読んだので知っていた。
コース料理のように、前菜からメインそしてデザートなど順番に提供されるのは、ロシア式のサービスだということは知らなかった。
フランス料理の歴史がまだ浅い頃は食材や味などと全く関係ない料理名(人の名前など)がつけられており、その後食材や味にちなんだ名前がつけられるようになったのは、貴族階級の自己主張の激しさを感じる。(ロッシーニも人の名前らしい)
ドイツのバーデンバーデンをはじめとした欧州の温泉の文化については友人から聞いて初めて知ったが、それらの療養からバカンスの文化が生まれ、さらにホテルの文化が花開き、同時に料理も進化していったのは意外性があった。
また、フランスは各地域で独特の郷土料理があるが、それらの郷土料理の発展は、貴族階級の料理文化の先にあったという話も意外だった。
フランスに関する他の文献でも日本の記述があったが、この本でもフランス料理の進化の中で、他の国のテイストが取り入れられていく話において日本が紹介されていた。
また、日本の調理師学校についても紹介されていた。
やはり何かを知るためには歴史を知るのが一番だと感じた。
ワインももちろんそうだが、食べ物や飲み物はその味だけでなく歴史をいただくものだと人生28年目にして感じた。
最後には、日本におけるフランス料理の歴史についても書かれていた。
バブル期はフレンチが流行っていたが、バブル崩壊後はビストロに移行して行ったと言う話は納得感があった。
個人的には今カジュアルなビストロというよりもフレンチが盛り返している気がする。
少し古い本だったので、筆者が今どのように考えているか見解を聞いてみたいところだ。
行ったことのあるお店(カンテサンスやキノシタ)が紹介されていたのは少し嬉しかった。
フランス語の単語や料理の名前など