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舞台のシアトルは、イチローのいたマリナーズやスターバックスなどでなじみはあるが、他の海外ミステリーなどでシアトルが舞台の小説は読んだことがなく、どんな土地であるかはよく分かっていなかった。この小説で、海に面して、カナダ国境が近いことを改めて意識した。
小説は、ミステリ新人賞三冠受賞に違わず、停滞することなく次々と展開し、最後に予想外の事件の結末が待っている。その土地のことが分からなくても、飽きずに読ませる。
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父の本。後、2,30Pで読み終わるという所で父にネタバレされそうになり慌てて読み終えました。まあ私はアイツ怪しいとは思ってたんだけどね、と言ってみる。
昔気質の一本筋の通った悪党とワルとのお話と言ったら大分簡単すぎるけどそんな感じ。今の悪い奴は残虐ですぐ人を殺す感がある。それにしても工業用ダイヤモンドってそれほど価値があるんだろうか、とか考えてしまう。
真犯人はコイツだったか、という思いとあ~あ~という感じがあったり無かったり。第二弾もあるみたいだけど陸軍を退役した後のお話って事なんだろうか。機会があれば読みたいな。
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帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。ベテランのプロの泥棒である祖父の弱気な言葉に胸が騒いだ彼は、10日間の休暇をとって帰郷する。だが空港からなつかしき祖父の家に着くと、そこでは頭に銃撃を受けた祖父が倒れていた! 人事不省の祖父を問い詰めることも出来ないバンは、手掛かりを求め、旧知の仲である祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。どうやら祖父は最後の大仕事を行なっていたらしいが……ミステリ新人賞三冠を制した、昂奮と哀愁がクロスするサスペンス!
冒険小説のエッセンスもあって、なかなか楽しめた。
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カテゴリは”ハードボイルト”と迷わず選べる、カチカチのハードボイルト。
最近は、サイコ的な味付けや派手なアクション場面がウリの作品が多くなってきて、それはそれでいいのだけどこういう硬派な作品が少なくなってきているので嬉しい一作。
10年ぶりに祖父の連絡で軍から帰省してきた主人公の目の前で祖父が襲われる。重体になった祖父を襲った犯人は…。
プロットは一見単純なんだけど、実は良く練ってあってラストまで全く飽きない。しかし、メインプロットと同等、もしくはそれ以上に味わい深いのが主人公と祖父の関係。
現在の物語と交互に描かれるのが、主人公の幼少時代から祖父から逃げるように入隊するまでの日々で、孤独であった二人が反目しながらも関係を築いていく姿はあまりにも切なく厳しく、そして仄かに暖かい。
こういう背景がしっかり描かれているからこそ、どこまでも犯人を追う主人公の姿に共感できるし、ハードボイルトとして成り立っている。
脇の人間の描きこみも過不足なく、安易なシリーズ化は難しかもしれないが、この作者の次作は楽しみ。
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軍の休暇で祖父のもとに帰ると、いきなり銃撃で祖父は瀕死。誰がやったのか。最近の祖父の後ろ暗い犯罪も含め調べるうちに、意外な展開が。ジェットコースター的に読めて悪くないが、深みは今ひとつか。
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偏屈な爺さん、その仲間たち、そして孫、みんな泥臭い。
スタイリッシュでスピーディーな文章とそれが気持ちよくマッチしており、なんとも心地よい。
これ処女作かぁ。
すごいな。
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祖父からの帰って来てほしいという手紙。そして帰ってみると撃たれて瀕死の状態の祖父。特に目新しい物語ではないけれど主人公の子供時代の挿話がいい。プロの泥棒の祖父との日々、友人との危険をくぐり抜けた体験。そういったところの良さが他の作品との違い。でも全体的には少し物足りない。第2弾は少し迷うところ。
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トラブルに巻き込まれた主人公が、戦いながら謎を解き、真相に迫っていく。ハードボイルドミステリーから、冒険活劇まで、贅沢なフルコース料理のような作品。
読んでいて、ギャビン・ライアルとかディック・フランシスとかを思い出した。 ちょっと褒めすぎかも。
ともかく、十分に楽しめた一冊でした。
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ハミルトン2015年発表のデビュー作。
職業軍人バン・ショウが10年振りに帰郷する。音信が途絶えていた祖父ドノの不可解な呼び出しに応えたものだった。だが用件を確認する前に、ドノが何者かに撃たれ重傷を負う。生命を狙われた理由を探るべく、ショウは祖父の仕事仲間をあたる。ドノは現役の泥棒で、かつてショウ自身も盗みの手ほどきを受けていた。やがて工業用ダイヤモンド強奪の「大仕事」にドノが関わっていたことを掴むが、それは同時に新たな暴力の火種へと通じていた。
フレッシュではあるが、全体的に物足りなく、読後には何も残らない。プロットや人物設定は「いつかどこかで読んだ」という印象。いわば著名な犯罪小説を継ぎ接ぎして仕上げた感じなのだが、掘り下げが浅く新鮮味が無い。そもそも本作で重要な役割を担うドノの泥棒稼業について、その技量の凄さが全く伝わってこない。弟子でもある孫に対して大した人生訓を述べる訳でもなく坦々と教えているのだが、風格が無い。主人公が軍人というバックボーンも生かされず、結局は祖父さんの泥棒仲間が、トラブル処理の段取りを殆どこなし、終盤へと繋げている。邦題の「狼」とは、ドノを指しているようだが、冷徹な野生を剥き出すのでもなく眠ったままでは、盛り上がるはずがない。気負いは空回りし、凡庸な展開に終始する。
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陸軍の前線で活躍する軍人が10年ぶりに実家に帰り、銃撃され瀕死状態となった祖父の事件を探っていく、ハードボイルド仕立てのミステリー。
事件を追う本筋の合間に、幼少時から祖父と二人で暮らしてきた主人公の過去が挿入され、二人の絆と周囲の人間関係が語られる。と言っても祖父の稼業は泥棒であり、主人公はシビアな現実を経て成長している。
緊迫感のある場面の作り方はうまいが、全体的に要素が盛りだくさんで表面的に話が進んでしまう。祖父の泥棒としての腕前や主人公との過去の絡みなど、心に訴える部分をもっと読みたかった。
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「帰ってきてほしい」10年前に故郷を離れ海外で軍務に就いていた主人公バンのもとに、ずっと音沙汰の無かった祖父からの手紙が届く。プロの泥棒である祖父の弱気な手紙に胸が騒いだバンは急いで帰郷した。だが、到着した彼を待っていたのは頭に銃撃を受けた祖父の姿だった...。人事不省の祖父を前に事件の真相を追う決心をしたバンは祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。
事件を追う現在のバンと過去の祖父との出会いと別れが交互に語られクライマックスへと向かう
とにかく祖父の頑固さとプロとしての矜持、そして滲み出る優しさがたまらない傑作です。
祖父の仕事仲間の爺さん連中のキャラクターも濃厚で最高なんです(※泥棒です)