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怖い本である
2018/06/16 21:07
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が途中から変わったように感じられ、読み進めるのが怖くなった。構成も少年時代と現代とがうまく織り交ぜられ、読みやすい反面何か恐ろしさを感じた。『流』とは全く異なる小説である。
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気の毒な人生
2018/02/02 00:24
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
語り手のユン、牛肉麺屋の息子・アガン、喧嘩っぱやいジェイの3人の少年が、13歳の夏の濃厚な時間を過ごします。兄を亡くしたばかりのユンは、心を病む母親の療養で両親が渡米したため、幼馴染のアガンの家に居候することに。不良少年のジェイもまた、家庭にややこしい問題を抱えていて、3人は葛藤や苛立いらだちをそれぞれ胸に秘めながら友情を育んでいきます。女性の私から見るとかなり暴力的な友情の育み方ですが(笑)なんというか、拳で分かり合う関係?
アガンの弟ダーダーを交えて4人でブレークダンスに夢中になり、ストリートデビューとか、縄張り争いだとか、およそ私には無縁の青春ドラマが展開していきます。また、何か重要なことをする前にそれをしてよいものかどうかを神仏に問うと言って、「ボエ」という赤い三日月型の木片を二つ地面に投げて、それぞれが裏と表に分かれると神仏の承認が得られたことになる風習が登場するのも興味深いですね。『流』の時と同様、台北の情景描写が非常に生き生きとしています。著者の原風景みたいなものなのかもしれませんね。
その少年たちが立てた計画の不幸な顛末が、30年後の「わたし」がサックマンの弁護を引き受ける理由に繋がっているということが徐々に分かってきます。そこに至るまでに相当のページ数が費やされているので、現在の時間軸を見失いそうになるくらいです。
「ぼく」(ユン)の人生は1984年を境に狂い出し、どう30年後の連続殺人犯サックマンに繋がっていくのかが最後に明かされていますが、運命のいたずらというか、気の毒な人生ですね。彼に殺された子供たちももちろん気の毒ですが。
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時代と国を越えた設定がよい
2019/03/11 10:41
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投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
何十年前の事件が、思いもよらない事件につながる、、という小説は多いが、国(台湾は「国」ではないが、、)と時代の舞台設定によって、物語のよみごたえがでてきた、面白い内容。
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商品の説明
一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。超弩級の青春ミステリ。
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【直木賞受賞作『流』と双璧をなす長編小説】一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。超弩級の青春ミステリ。
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作者の得意とする台湾土着物だが、なぜか米国での連続少年殺人事件が絡む。
途中で読者の先入観が覆され、瞬間混乱するが、後半できちんと回収される。
「路」ほどのインパクトはないが、作者の特長は十分味わえる。
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『流』に続いて2冊目。東山さんの文章は、金城一紀さんに似ていて好きだな。
さて、今回もやっぱり台湾が舞台。現在の『私』と小学生から中学生までの『僕』とで、2つの時代の物語。
現在では、「サックマン」なる連続児童殺人鬼が捕まり、その弁護士としての「私」の目線から一人称で語られる。
また、1980年代には、悪ガキたちの瑞々しい日々を「僕」目線で一人称で語られる。
現在と過去が交互に語られるわけだが、サックマンはあの男なんだろうなぁと思いながら読むも、終盤でえっ⁉︎となった。
私が勝手に騙されたのか、全くの思い違いをしていることになる。
この物語は、サックマンが誰かという点と、何故連続児童殺人鬼になったのかという点がメインになっている。誰かという点についてはすっかり騙されてしまったが、何故という点については、少し弱いような気も。
でも、逆に納得できたかも。でも、切ない。
それはさておき、この作者、悪ガキの日常を描かせると本当に上手い。痛いほど少年たちの心情が伝わって来るし、私自身、その少年たちの仲間になったような気持ちで読むことができた。
ミステリとしても、青春ものとしても良い小説でした。
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米国で起きた連続殺人事件で捕まった犯人とその弁護士。
二人をつなぐ消えない過ち。
一人称で綴る物語と、少しずつ明らかになる犯人であるサックマンの正体。
直木賞受賞作より好きです。
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著者初読み。
直木賞を受賞した作家さんであることは知っていたけど、受賞作にはあまり興味がなく、この作品もネットニュースで取り上げられていたこと、タイトルからミステリーだと思い込んで読んでしまった…
7人の少年を殺害したことで、アメリカで逮捕された「サックマン」この事件の謎を解く話かと思いきや、「サックマン」が犯罪に手を染めてしまった原因があったと思われる青春時代の話を描いている。
「サックマン」の正体、この物語の書き手である「わたし」が分からないように、ストーリーが展開する。青春時代である1984年と、「サックマン」が逮捕された2015年を行ったり来たりする展開だが、主点が変わるので、私には読みにくかった。舞台が台湾なので、普通にカナ表記されるものを漢字で表しているのも、かなり苦戦した。
友情の物語と称賛している意見も多いが、少なくても、私はこの4人に感情を移入することも出来ず…残念…
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複雑ぅ~。
なるほど、あの人がああなって
この人がこうなって
で、あの伏線が……
でも結局、子供たちを殺してしまわなければ
ならない理由にはならんなぁ。
映画「セブン」を思い出した。
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素晴らしくおもしろい本。読んでよかった。東山さんの本は「流」を読んだことがあり、この本が2冊目。「流」を読み、この本を読む間に、映画「クーリンチェ少年殺人事件」を観た。私にとって、台湾は特別な場所になりました。
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初出 2016〜17「別冊文藝春秋」
まるでノンフィクションのように社会的なリアリティと重みのある作品。この読後感をどう表現したらいいものか。
2016年のデトロイトで、連続少年殺人犯として逮捕された”サックマン”。その弁護を依頼された弁護士が警察署に面会に行く。
1984年の台北で中学生だったユンは仲間の2人の少年たちと日本の漫画やアメリカの音楽、ブレイクダンスなどに傾倒していたが、一人が継父からの激しい暴力を受けていることに怒り、毒蛇を使って殺そうと計画するのだが、手違いで悲劇が起きる。
2つのストーリーが意外な形で繋がっていく。
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30年前、それぞれの事情のもと、絶望し、怒り、それでも家族を愛し、葛藤しながら友と過ごした日々。秘密を、闇を、贖罪を抱きながら別々の道を歩んだ彼らが、30年後に見た現実は?正しいことは何なのか?受け入れること、与えること、罪の重さ、友情。何とも云えぬ読後感だ。
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サックマンという連続殺人犯と台湾を舞台にした1984年の悪ガキ三人組.二つの重ならないはずの物語が交差した時,震えが来るほどの衝撃を受けた.どこで運命が狂ったのか,どこにも持って行きようのない運の悪さに,哀しみだけが残った.表紙の絵もどことなく不気味な予感がして,いい.
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20015年アメリカで7人の少年を殺した連続殺人鬼が逮捕された。犯人は台湾人…。というところで舞台は80年代の台湾に移る。兄を亡くし両親と別れて暮らすユン、牛肉麺屋のアガンとその弟、喧嘩っ早いジェイ。4人が過ごした少年時代が描かれる。その中の一人が後の殺人鬼に?!。牛肉麺屋で煮立つ八角とスープの香り、街の雑踏や、暑い夏の空気…。目の前にありありと浮かぶような描写の数々…。ストーリーは映画「スタンド・バイ・ミー」や「ミスティック・リバー」を思い出させます。青少年時代のノスタルジックで苦い思い出と現在の交錯する傑作小説!