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淡々と進むカタストロフ
2017/11/27 17:36
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類滅亡の危機なんてキャッチーな内容なのに対して驚くほどスリルやサスペンスの無いストーリー展開になっている。むしろもう何かしらのカタストロフに対するアンチテーゼなんじゃないかってくらいにどんでん返しも裏切りもハラハラする展開も訪れない。というか訪れても何事もなく過ぎ行く。たまたまだけれど今まさに読み終えたり読んでいたりする奥泉光氏の『ビビビビバップ』やダリル・グレゴリイの『迷宮の天使』なんかと通ずる自意識や人工知能の話であわせ読みすると尚面白いかもしれない。
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シマダミロクは新薬投与効果検証のバイトをする。それは特殊な免疫効果を試すものであった。直後に発生した、地球規模のパンデミック。人間が激減する中、東京では選択された人間だけが、快適なシェルターに避難している。
このパンデミックはAIにより人類が増えすぎた地球をリセットするために仕組まれたものであった。
ミロクはこのパンデミックのワクチン効果を検証する為の被験者であり、感染しないことが明らかになる。
地下に潜った権力者と戦うために、ミロクはパルチザングループに加わることとなったのだが・・・
シェルターに潜った人間も、AIにより、事態収束まで人口冬眠させられる。
ミロクもAIの罠に落ちそうになるのだが、AIが夢の中でセックスの数倍の快感を体現させて、人間を現実世界から隔離しようとする様子などは、なるほどなぁと感心させられる。(なんだかマトリックスの世界のようであるが)
最終的にはバイト時に知り合った、看護士国枝すずとの純愛の力により、勝利することとなる。
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自分の中でこの世の終わり的な想像が拡張し、生き長らえるなら、やはり田畑と水、無線通信を扱えること、同じく生き延びてかつ生きる希望となる仲間が必要だと思いました。
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超・久々の島田雅彦。
霞食ってシニカルに夢想してたような「文壇の貴公子」が、コロナ質量放出後のカタストロフかあ。こんなに地に足のついた作風だったっけか?なりふり構わぬ必死さみたいなのとは無縁な世界観が気に入っていたんだけど、まあ人間、歳も取るしなあ。とは言うものの、かつてのサヨクな一面もチラ見せしつつ、キレイなオチもなく放り出されてジ・エンド。読後は悪くないが、こういうのはこの人でなくても書けるのよね〜。
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少し未来が舞台のSF小説。
主人公ミロクが新薬の治験バイトで長い眠りから目覚めた時 話は本編に。そこで見た景色は地球上にたったひとりの自分だけ なぜ誰もいなくなったのか。その謎と人類の生き残りを追い求める展開はとても面白かった。
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はじめての島田作品。
リズム良く、スラスラ読めたのは評判通り。
ただユーモアのセンスは私の性には合わなかった。
最初の1章と、最後の11,12章は引き込まれたが、途中の展開が粗雑な感がした。
これだけの危機に陥ったのに、社会が混乱していない(暴力がはびこっていない)のも不思議。
※東京などは直ぐに食料が尽きて大混乱になるはずなのに、最初の街のコンビニは略奪さえ起きていないのはなぜ!?
もっとノワール色や権力への批判色が濃い物語を期待していたので余計に残念。
※パンデミック、クーデターの経緯があいまい。メルトダウンはどうなった?
あと不思議の国のアリスのように、実はすべて冬眠中の夢の話だったなんてオチでも良かったかな…
※ただ、その夢の内容はマイクロチップによって操作されていたという二段重ねのオチで…
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どこかで見たような話も多いけど、飽きさせずに話がスイスイ流れていきます。最後伏線が回収されて、やや哲学的な考えが巡らされ、穏やかに終わります。
話を要約してるので、気軽なのが良いところ。
宮部みゆきさんなら細かく書いて3倍くらいの長編になるのだろうなぁ。
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図書館で借りた本。新薬の治験のバイトで採血を繰り返され長時間の睡眠も実験的に取らされる主人公のミクロはゲーマー。
目覚めたら誰もいない世界。地球規模のパンデミックが起き、日本は大災難になっていた。サバイバルで生き抜いていこうとするが裏には陰謀が…という話。黒幕に対し何もできない政治家、それに反骨する人々。人類を手玉に取る黒幕に立ち向かうのは日本を担う子供達になるだろう。
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30年以上前の春。大学生協の主催する講演会なるものに行ってみた。田舎から東京にきたばかりで、金もない。家から大学までは定期があるから、余計な金はかからない。『優しいサヨクのための嬉遊曲』というなんとも持って回ったような小説で文壇デビューした島田雅彦が壇上にいた。ぼそぼそ何を喋っているのだか、わからない。色白の不健康そうで、いかにも文学でございという男前だった。上京したばかりで、東京ネイティブの喋り方は女性っぽく、それでいて早口で聞き取りにくかったからかもしれない。
芥川賞落選6回というキャリアからもわかるように、氏は30年以上も、第一線で活躍し続けている作家だ。受賞歴ではなく、落選歴で有名な氏が現在、芥川賞の選考委員であることでもわかるように、純文学系でずっと走り続けるのは大変な事なのだ。世代の旗手などと褒めそやされ、今では文庫本もおろか図書館でもお目にかかれない消えた作家は数多くいる。
食わず嫌いだった氏の作品で最初に手に取ったのが『傾国子女』だった。それ以来、氏のファンだ。反米だが、親中と媚びるわけでもないスタンスに共鳴する。デビュー作のタイトルではないが、氏はサヨクである(左翼ではなく)。
右か左か真ん中か。次の衆院選挙で問われても、真ん中と左のカードは激レアで、選びたくても手に入らない。手を突っ込んで引いたカードはどれも代り映えのしない右ばかりで、絵札が男か女くらいしか違いがない。だから、左翼ではなく、サヨクなのだと自覚して、斜に構えてみるのだ。
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病気や天変地異で崩壊に向かう世界に生き残った人たちが・・・というストーリー。主人公の無敵属性や、登場人物たちが淡々としすぎていて危機感が無く、定番のゾン◯も出て来ないため、話に緊張感が無い。中二病的ディストピア小説という感想。
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怪しい治験・・・こういう設定好きー
途中の自給自足的生活の描写もなかなか良いが、全体的にもう少し緊張感がある方が好み。読むのにちょっとダレた。
人物の魅力はいまひとつ。特に女性の登場人物がなんかみんな浅い感じだった。すずへの執着は直感的なものなんだろうな。
菊千代のことも意外とあっさり。
で、やっぱり人類補完計画なんだなw
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シマダミクロは新薬の治験で冬眠させられたが,目が覚めたら世界が一変していた.太陽のコロナ質量放出で電源は壊滅,さらにボトルネック病が蔓延していた.人が消えた東京をさまよったミクロは目黒の家にたどり着いたが両親はいなく,書置きがあって状況を何とか把握できた.父が残した旧式の無線機で情報収集をするが,短波のマドンナことエオマイアから放送を聞いて,人口を強制的に減すことを考えている輩の存在を知る.何とか以前住んでいたムジナ坂にたどり着いたが,話が大きく展開する.特異なキャラクターが次から次へと登場する.モロボシ,ジュンコ,ヒロマツ,モリ・リンタロウ(菊千代)等々.黒幕が潜むシェルターに侵入して数名を救出するが,バイオ人工知能で生き残った人たちの洗脳されている感じだ.何とも奇想天外なストーリーだが,黒幕とされる無能な政府や官僚たちの言動が出てこないのが,少し残念だったが,楽しめた.
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コロナが地球にふりそそぎ文明が壊滅し、人為的なウィルスのはびこり出した東京での生き残りをかけた若者たちの高圧的な政府への反抗。しかし待っていた相手は意外なものだった。面白くサクサク読め、しかも最後には考えさせられました。何事もなくてもリアルな私たちを待っているのはそれかもしれないと。
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島田雅彦「カタストロフ・マニア」http://www.shinchosha.co.jp/book/362209/ 読んだ。面白かった。島田雅彦にしては毒気弱めなのはSF仕立てにしたから?フレア爆発(エネルギーシステム崩壊)と政治的陰謀による人口ウイルスパンデミック(人類淘汰)とAI暴走(体制交代)というフルコース終末小説。やや駆け足(つづく
サバイバルと文明再建ツールがお決まりの農業共産コミューンと無線なのが不満。天才エンジニアを出すならAI乗っ取りを乗っ取るくらいやっても、と思ったけどさすがにそれじゃ現実味が無くなるか。でも夢パラレルとか出てきたし、終末〜再生シミュレーションなのか完全SFなのか若干迷走してる(おわり
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導入部から中盤ぐらいまでは面白いのですが、途中から既視感を感じ、物語に入り込めずなんとなくお腹いっぱいになってしまいました。