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内容(「BOOK」データベースより)
彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり…。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。文庫書き下ろし。
見ていないけれども詰まらなそうなドラマで大分株を落としたような気がする書店ガール。所がこの本結構シビアな本で、ほんわかした表紙に騙されずに是非手に取って頂きたい。毎回登場人物やテーマが変わりその度に読み所が変わって、マンネリに陥る事を回避できています。
初期の頃は最後にフェアをみんなで成功させたりして結構カタルシスがあったのですが、近作はシビア度が増して結構切ないです。店長も編集長も楽じゃないですね。
僕の憧れの職業は本屋さんです。これは今でも変わらないです。でも現実的に出来るかと言われたら無理ですね。時間も不規則だし賃金は安いし。それでもそれ以上のものがあるんでしょうね。一度体験してみたいものです。
閉店の話しではうっかり涙が出てしまいました。
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2018/1 17冊目(通算17冊目)。作品を読んで2つの感想を持った。まず、最近の作品のメディアミックス化には色々な手間がかかったり、利害が絡んだりして大変だということが分かる。アニメを見たりコミックを読んだりして、自分が作品に抱いたイメージと乖離していることで作品を批判することは簡単だが、作る側にとっては誰もが血のにじむような努力をしていることなのだと認識してほしいなとも思う。あと、「世界はあなたのためにはない」。この言葉は、中古ショップで働いていた時のことを思い出させられた。その会社は、「明日から違うことをやってください」という辞令を急に言ってくる会社だったし、自分の興味のある好きな分野からいきなり前触れもなく(噂は伝わってくるので異動の予感は察することはできたけど)外され、違うことを仕事にしなければいけない辛さは、今までの自分の頑張りを否定されたみたいでとてもつらい気分になってくる。そういった経験から、彩加の境遇に共感した。ただ、ふと視点を変えてみると仕事は仕事、会社という組織の中で働く上では切り替えは必要なのかなとも異動を重ねるたびに思えるようになってきた。本当に自分の「好きな事」を仕事で続けていきたいなら、独立してやっていくという手も一つの選択肢だと思う。そんな決断をした彩加は逆に凄いなとも思った。そろそろネタ切れという感もあるが、シリーズの続きが出てきたら読んでいきたいと思う。感想はこんなところです。
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彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり……。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。
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今回の主役は、取手のエキナカ書店、本の森の店長の彩加と、東京の疾風文庫の編集長・小幡である。片や、やっと軌道に乗ってきた書店の閉店を告げられ、片や、小説のアニメ化に伴う駆け引きに悩まされ、それぞれがこの先進むべき道を手探りするなかで、周囲との関わりに助けられ、一歩ずつ進んでいく物語である。たくさんの理不尽と、本音と建て前、大人の事情や思いやるからこその葛藤。それぞれの心の動きが、それはもう溢れるほどに伝わってきて、読んでいるこちらまで苦しくなってくる。あっちもこっちも切ないが、助けてくれる人も必ずそばにいて、なんとか拓けていくのである。新しい一歩を踏み出そうと思わせてくれる一冊である。
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書店ガールシリーズも第6弾になりましたね!
取手駅の駅ナカ店の店長となった宮崎彩加。
厳しい経営状況の中、3年で軌道に乗せるという本部の指令を達成すべく、彩加なりの書店づくりに励んでいたのだが、突然本部から閉店を言い渡される。
それも4か月後!
なんて非常な~!!
取手店のバイトである田中。
実は作家の原滉一。
彼の『鋼と銀の森に雨が降る』が大ヒットし、アニメ化が決定。
が、問題は山積。
担当編集者である小幡伸光は作家を守るため、『鋼と銀』を守るため、アニメ制作者たちとの軋轢に悩み…
碧野圭さんの本と出会ったのが『書店ガール1』。
第1弾より、第2弾、そして第3弾と、シリーズを重ねるごとにどんどん『書店ガールの』魅力にはまっていきました。
第6弾ももちろん面白かった!
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彩加にかなり感情移入して読んでしまった。
ゼロから創り上げてきたものがなくなってしまうというのは、どれだけ悔しく悲しいだろうか。でも、悲しいのも、それは一生懸命に向き合ってきたからだと気づく。
店長は孤独だ。その孤独に呑みこまれないように。打ちひしがれないように。無理をしすぎないように。自分らしく。その自分らしくというのがいちばん難しいのだけれど…。それでも彼女は自分の進むべき道を選ぶことができた。
私にそれができるのだろうか。この3か月、そんなことをずっとぐるぐる考えて、自分で思っている以上に疲労していることにようやく気付いた。
こういう結果になってしまったけれど、彼女についてきてくれるアルバイトの子たちがいる。私はどうだろうか。
とても身につまされるというか考えさせられた。
そして、
「何度も何度も味わって、友達みたいにずっとそばにいて欲しいって思う本が一冊もない人生って、寂しくないかな」
という彩加の言葉が心に残った。
そう、私も本を読む楽しさを教えてもらえたから、生涯大切に読み重ねていきたい本に出合えているから、こうしてここにいられるのだ!
それにしても、本屋さんの置かれる状況は厳しいのだなと思う。よく利用する近所の本屋さんも、形態が少し変わってしまった。コミックと文房具のスペースが増えた。たぶん店長さんも変わった。ちょっとこだわりがあるのだろうなぁという本がちらりとあったのに、それもなくなってしまった。きっとその店長さんのささやかなこだわりだったのだろう。あの店長さんは今、どうしているのかな。そんなことも思いながら読んだ。
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彩加が取手の駅中書店の店長になってから1年半、
本社から突然の閉店を告げられる。
一方、編集者の伸光は担当作品のアニメ化が
決定するが、思わぬトラブル続きとなり…。
書店が舞台のお仕事エンタテイメント第6弾。
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今回も安定の面白さ。書店ガール、何故にこんなに面白いのか。
ラノベ作家の田中君がしっかりしてて、今回光ってました。
それにしても、書店の経営、小説からのアニメ制作、一筋縄ではいかない世界なんですね。勉強になりました。
続き、またありますよね。楽しみです。
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書店ガールシリーズ第6弾
今回は、取手駅の中にある書店、本の森チェーンの店長を務める、宮崎彩加のエピソードと、出版社で、若者向け小説「疾風文庫」の編集長を務める、小幡伸光のエピソードが、2本のストーリーとして交互に出てくる。
最初はそのつくりに戸惑ったが、彩加のストーリーは、まだオープン1年半、新米店長として頑張ってきたのに、会社の経営方針が変わり、突然の閉店を告げられるというつらい展開。
無力感と、この先の人生の航路変更を考えなくてはいけない心細さなどが女性視点で描かれている。
伸光の方は、コミックのノベライズで、漫画と小説の見せ方の違いで原作側と揉めたり、担当していた作品がアニメ化される運びになったことで、映像と小説、コミカライズという作り方の違うメディアミックスでの、今度は原作側として、また揉めたり。
緊迫する会議のシーンのやり取りなど、まさに戦いで、男性的な雰囲気だ。
「迷い」と「戦い」が交互に描かれることで、メリハリが付いている。
そして、2つのストーリーを繋げるキーマンとなるのが、作家・原滉一こと、彩加の書店のアルバイト田中幹(つよし)だ。
5巻から登場した彼は、オタクっぽくてコミュ障、引きこもりからやっと脱した感じの少々情けない青年だったが、アルバイトとしての責任感にも芽生え、作家としての立場も自覚し、めざましい成長を遂げた。
学校司書になった高梨愛奈の、読書離れしていく子供たちに、どう、本の面白さを教えてあげたらいいのかという悩みも深刻だ。
徐々に主役が交代していく感じのこのシリーズ、毎回、真剣勝負な仕事の場を紹介してくれる。
次回も楽しみ。
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彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり…。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。
エキナカ書店の宿命、メディアミックス展開(小説↔︎コミック、小説→アニメなど)の難しさなど、出版・書店関係者ではない私でも分かりやすく、丁寧に描かれている。
5巻では頼りなかった、取手店バイトで作家の田中くんが、今回は頼りになる男に成長している!
自分の本のアニメ化に苦戦している伸光の姿を見て、ここぞという場面で、自分の意見をアニメ制作会社に訴えるシーン、かっこよかった!
「がんばったね!」と肩を叩いて握手したくなった!
副題「遅れて来た客」の意味が、最後の最後に分かる。
彩加にも、「よくがんばったね」と抱きしめてあげたくなる。
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「書店ガール」の第6弾。
店長として店に特徴をだすポリシーの彩加。
学校司書として「本はいらない」という子どもの言葉に悩みながらも本の楽しさを伝えようと奮闘する愛奈。
慣れないメディアミックスの折衝に忙殺される伸光。
前半は、お店が閉店することになり誰にも言えなく自分一人で悩む彩加、学校での本を進めることに悩み、前任者のプレッシャーに押し潰されそうな愛奈、慣れない仕事や交渉事に押し潰されそうな伸光と重苦しい雰囲気のまま進みます。一体どうなる、登場人物はこの仕事を乗り切れるのかとドキドキします。しかし、作者は登場人物達を落とすだけではなく、きちんと新しいいきる道や考えを最後にだしてくれます。
前作から登場した田中くんが成長して「百万の提言より、ひとつの行動の方が役に立つ」その言葉でしっかりしたなぁとじんとしました。
「一人では出来ないことも誰かと協力すれば、出来るかもしれない。」そんな思いを持てる読後感に包まれます。
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いつも、いつも、心にくる何かが、あって、私も頑張ろうと思えます。このシリーズを読むと自分が自分なりに本好きでうれしいなって思う。
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シリーズ6巻目。
直前の5巻の続きで、中心人物のシフトは無い。
1巻からの設定・登場人物が要所で出て来るので、ストーリーに現実味?と言うか深みを感じられるのが嬉しい。
かと言って、決して散漫にはなっていないと思う。
一気読みしてしまったのが勿体ない...
敢えて区切りながら、数日かけて読んだ方がジックリ楽しめる気がするんだけど、我慢なんか出来ないんだよねえ。
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今回はせっかく軌道に乗りつつあった書店の閉鎖が決まった店長の彩加と看板作品となったラノベ小説のアニメ化が決まった編集長の信光、二人の物語。特にラノベがアニメになる過程は興味深く面白かった。アニメ制作側の人や漫画編集者など我の強い(と言うのかわがままなのか)難敵が出てきたりもするが、みんなそれぞれの作品に対する愛情があるのだろうと思うとあまり憎めない。そして書店閉鎖にしてもアニメ化にしても、みんなが本への愛情に溢れている部分は共感してしまう。次回は誰が主人公になって本への愛情を語るのだろうか。
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駅中書店でがんばる彩加とそれを支えるバイトの雰囲気,いい感じなのに会社の方針で閉店になる理不尽.一方,編集長の伸光,「鋼と銀」のアニメ部門やコミック部門との不和で血を吐くことに!作家田中の真摯な気持ちからいろいろなことが好転する様子は,読んでいてとても納得できる嬉しさに満ちたものだった.八方ふさがりに見える時でも,どこかに光明が隠れているんだと,信じて進めという気持ちになる物語だった.
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本の森書店取手エキナカ店の若き店長、宮崎彩加に突然降りかかってきた閉店の話。
またひとつ書店が消える、その瞬間に向けてのストーリーに、バイトの田中幹(つよし)=売り出し中のラノベ作家原滉一の、作品アニメ化の話が絡んでくる。
こちらの主人公は、小幡伸光。
メディアミックスの一筋縄ではいかない現場の様子が生々しく描かれる。
前巻に登場した、彩加の故郷、沼津のトルコパン屋の大田も登場する。
原のストーカーの男、出現?
遅れてきた客とは誰なのか?
いろいろな糸が絡み合って紡がれていく。
一つのお店の消滅の物語ともいえる本作だけれど、読後感は爽やかだった。
本についての今のトピックがうまく盛り込まれているのは相変わらず。
書物占い=ビブリオマンシーなんてのも出てくる。
名古屋の書店組織、NSKというのが出ていて、著者は愛知の人らしいので、この先何か出てきたりするのだろうか?