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「会社でやる気を出してはいけない」Susan Fowler
他人のモチベーションをうまく引き出せないのは、相手にはすでになにがしかのやる気があるから。
人間に備わったモチベーションの真の3姿は、「自律性・関係性・有能感」この三つの心理的欲求が満たされている事。これはどれが欠けていても一気に倒れる。
人はやる気がないのではなく、言語化できない欲求を抱いているだけ。
自律性とは、選択肢が欲しい、自らの行動は主体的なものだと考えたい、自分の意思で行動を起こしたいという欲求。
コーチから激励を受けながら取り組む運動者のほうが、黙々と取り組む運動者より結果が悪い。激励の言葉によって集中力やエネルギーが外在化する為。
コーチ付きとコーチなしではコーチ付きのほうが良い結果が出る。声がけしないコーチが良い。
報酬は短期的であり、さらに長期的パフォーマンスを逓減させる。
関係性とは、人とのつながり合いにおいて尊重したい、されたいという欲求であり、下心や思惑を抜きにして他者とつながり合いたい、自分よりも大きな何かに貢献したいという思い。
有能感とは、日常で問題やチャンスに遭遇した時、自分には対処能力が備わっていると感じる事。時間をかけてスキルを示す事、成長している、成功していると実感する事。
1日の終わりに、自分が今日何を達成したかだけでなく、何を学んだか?どう成長したか?を問う事。
6種類のモチベーションタイプ
内在的、、、会議そのものが楽しいと考えている。フロー。
統合的、、、会議を会社や仕事の目的と結びつけている。重要課題に意見を提供できると考えている。
協調的、、、出席すれば互いに得るものがあると考えている。
義務的、、、他に選択肢がなく、状況に対処する手段は一つしかないと感じている。
外発的、、、みずからが行使するパワーに酔っている。あるいは他人より高い自分の立場に喜びを感じたり、外的報酬やインセンティブに操られたりしている。
無関心、、、関与しようという気持ちがない。熟慮したわけでも意識的に選択したわけでもなく、どう対処したらいいか分からず困惑している。その行為に価値や意味を見出せない。
協調的から上が前向きタイプ、下が後ろ向きタイプ。
後ろ向きタイプは中毒性があり、同時に人を疲弊させる。独善的な義憤や燃え盛る怒り、競争相手を打ち負かそうとする闘争心でアドレナリンがほとばしり、人を煽る。
長期的な利益を享受できる可能性が極めて少ない環境にいると、子供達は目の前の利益を最大化する事を選ぶ。
人はみずからを駆り立てる方法を学ぶ必要がある。心理的欲求を満足させる事が目的だとすると、その手段は自己制御。
自己制御力を高めるには、MVP(マインドフルネス、価値観、パーパス)を活用する事。
人がマインドフルな状態にいない時
・プレッシャーにさらされている時や他人や状況をコントロールできない時。(自律性の欠如)
・���人や組織に失望したり、裏切られたりした時。(関係性の欠如)
・他人や状況に効率的に対処できないと感じた時。(有能感の欠如)
パーパスとは、崇高な思いを胸に行うものであり、その行動は社会的意義を帯びている。
職務上の価値観や目的に関する部下の考えと、上司としての考えを調和できるように力を合わせる事。
外発的モチベーションとは、金銭報酬や立派なオフィス、肩書き、周囲の承認や知名度、羞恥心や不安といったものによって引き起こされ、これに夢中になると自律性を失う。
人は自律性を損ねるような職場を作るリーダーに対して憤りを感じる。
前向きなモチベーションへのシフト方法
1.みずからのウェルビーイングと、目下の仕事や状況の背景にある理由を把握して、自分が現在抱いているモチベーションタイプを知る。
2.後ろ向きと前向きのモチベーションの違いに目を向けてみずからを振り返る。
3.自己制御力を育むマインドフルネス、価値観、目的を働かせて3つの心理的欲求を満たし、前向きタイプのモチベーションにシフトする。
・設定した仕事や目標、状況に関係する自己制御力は高いですか?
・心理的欲求は満たされてますか?
・みずからを制御する為にマインドフルネス、価値観、目的を働かせていますか?
内在的モチベーションは統合的モチベーションよりも自己制御力が下がるが、それは無心に楽しむ行為や元々好きな行為には自己制御力は不要だから。
内在的モチベーションを持って取り組めるような純粋に楽しい仕事はほとんどない。だからこそ、価値観や目的を土台にした協調的や統合的モチベーションが重要となる。
マインドフルネスの練習法
1.マインドフルな時間を作る
2.自分に「なぜ?」と疑問を続ける
3.価値観との調和を図る
4.崇高な目的と結びつける
モチベーションに関する対話でのタブー
・問題を解決しようとしない
・価値観を押し付けない
・モチベーションをシフトできると期待しない
相手が後ろ向きのモチベーションを持っている時は、問題解決に取り組ませる事はほぼ不可能。問題解決や行動計画はまず相手がモチベーションを前向きタイプにシフトしてから。
対話プロセス
1.現時点で相手がどんなモチベーションを持っているかを見極める。相手の了解を得た上で、仕事や目標、状況に対する思いや意見を掘り下げる。
2.モチベーションスペクトラムを紹介し、前向きモチベーションにシフトした際に考えられる利点と欠点を検討してもらう。
3.対話の中で振り返りを促す。役立った事、不快だった事、難しかった事、勉強になった事を尋ねる。
ビジネスには私情がつきもの。
部下が後ろ向きなモチベーションを持つ上司の権力各種
・報酬力
・強制力
・準拠力、、、部下から共感を得ている時に上司が有する力。自分のウェルビーイングが上司次第になるので自律性、関係性、有能感が損なわれる。
・正当権力、、、地位や肩書きによってもたらされる力。
・専門力、、、深く幅広い知識がもた��す力。強要、圧倒を誘引する。
・情報力、、、上司が提示する判断材料や論理の説得力に部下が納得するかで決まる力。
目標設定のSMARTゴール
Specific、、具体的に
Measurable、、測定可能な
Achievement、、、達成可能な
Related、、、関連した
Time bound。、、、時間の制約がある
従業員に必要な事は何かに着目すれば、期待する結果が得られる。
シチュエーショナルリーダーは部下と整合のための話し合いを持って目標の合意形成を行う。