紙の本
奇妙で美しい石の模様に興味あるなら、まずはこの一冊を!
2019/01/12 11:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者は、ロジェ・カイヨワの『石が書く』をきっかけに石の模様に興味をもつようになったそうだ。この本で扱われている石は、瑪瑙、ジャスパー、オパールといったシリカ(二酸化ケイ素)を主成分にしたものらしい。新書サイズなのに、写真が美しい上に充実している。何せ本書の約半分が写真なのだから。同じ筆者による『不思議で美しい石の図鑑』が気になるが、大きすぎるな、高いなと思う方は、まず本書を手に入れられることをおすすめする。
写真を見て、自然が石のなかに描き出す模様や柄の不思議さ、美しさに驚いたり、感動してたりし、合間に挟まれた文章を読めば、不思議・美しいだけでもない世界も垣間見える。
紙の本
模様の美しい石
2021/01/11 20:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
メノウを中心に不思議な模様の石が紹介されてます。
美しい石ばかりで見てて楽しい。
石に魅了された人たちの歴史なども載ってます。
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奇妙で美しく、面白くて一気読み! 石の、なんとまあ、綺麗で不思議なことよ。
カイヨワしかり宮沢賢治しかり、その他文学にも石は数多く登場し、人を魅了する。
知っている石もたくさん出てくるが、知らないこともたくさんあった。前からサンダーエッグの実物を是非見てみたいと思っていたが、写真を見て思いはますます募る。
この著者の「石の卵」もとてもよかったけれど、こちらは石を巡るエッセイであり放浪記とも言える。
終章には憧憬の淋しさが漂っていて、石へのラヴレターでもあるよね、これ。
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ページをパラパラとめくって、石の 様々な模様になんだかドキドキしてしまい 即購入。
石のことなんか考えたこともなかったわたしですが、写真だけでなくて その文章にも大変ときめきながら楽しく読むことができました。著者の石に対する興味・ときめきが伝わってきたのだと思います。むかし、河原で石ころ拾っていたこともあったなー とか その時のわくわくとかも思い出しました。
本当に多種多様な模様があるけれど、なぜだかわたしには人体に関わるもののように見えたりしてきた。細胞だとかCT画像だとか なんかそんなものに見えたりする。気持ち悪い!と綺麗!とただただ未知との遭遇!!という いろんな感情を 石の模様に対して抱きました。
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瑪瑙を中心とした、単結晶ではない鉱物が描く文様の写真が多数掲載された本。
ヴンターカンマー(驚異の部屋)、クンストカンマー(アートのキャビネット)、廃墟大理石などのそわそわする言葉をちりばめたエッセイの中で風景の石パエジナ・ストーン、クレーの絵を思わせるアルノーの緑、魔除けの効果があるとされた瑪瑙の縞模様、目玉模様の護符ナザール、小花文様を思わせるジャスパー、虹が見えるイーリス・アゲート、樹木を描いたようなデンドリック・アゲート、シマウマのようなゼブラロック、人造と見紛う球形のコンクリーション、白亜層に描かれた原始アートのようなセプタリア、女王が愛したスコティッシュペブルス、ロシアの孔雀石、リトル・グリーン・モンスターのヴァリサイトなどが紹介されている。
文章と写真が見開きごとに交互に配置されているので写真だけを先に追うのも楽しいが読み方がやや難しい。
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世の中にはいろいろなものを集めている人がある。それがフィギュアだったり、シューズだったりするが、今回の本の著者は英語でいう「アゲート」、日本語では、「瑪瑙(メノウ)」のコレクターとして世界的に有名。
石は人を魅了して人を狂わしてきた。ダイヤモンドなどいい例だ。権力者がこぞって欲しがり、あるダイヤなんて呪いのダイヤなんて言われるものがあるくらいだからなあ。人間の欲は無限だ。地獄絵でも見て悔い改めた方がいいのではないかとふと思った。
石をめぐる様々なエピソードが載せられていて、石にもそれぞれドラマがあるのだなあと分かる。写真付きでいろいろな石が紹介されている。
昨日、日本テレビ系列で放送している「アナザースカイ」という番組で、俳優の北村一輝が登場していて、オパールの産地で有名だったクーパーペディを訪れていた。オパールを採掘していた穴を利用したホテルが紹介されていたが、オーストラリアは、オパールの産地で国石にも指定されているそうだ。
著者は、オーストラリアで最も風変わりなものとして、ゼブラ・ロックを取り上げている。キンバリー地方にある堆積岩で、下のリンクに張った著者のツイッターに珍しい石が載っている。地球が生み出した芸術作品と言っていい。
アメリカ、イタリア、南米での石と石とかかわった人の逸話が載っている。
アナザースカイ
http://www.ntv.co.jp/anothersky/contents/2017/07/post-1973.html
著者のツイッター
https://twitter.com/lithosgraphics/status/683824535691378688
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石を割った時にみられる美しい模様。
こんなものがあるのか、と思ったのがバエジナ・ストーン。黄土色の濃淡でマックス・エルンストの「石の森」という絵に似ている。
・表紙右上は「めのう」メキシコ/チワワ州、オホ・ラグーナ産
・右中段は「プルーム・アゲート」アメリカ/オレゴン州、パウエルビュート産
・右下は「オパールの遊色」オーストラリア/クイーンズランド州産
・表紙左上は「アルノーの緑」イタリア/フィレンツェ、アルノー川上流の石灰石
・左中段は「孔雀石」と「アズライト(藍銅鉱)」が一体化したもの。コンゴ。
・左下は「セブタリア」アメリカ/ユタ州 黄色い方解石の結晶が詰まっている。
メモ
めのう、ジャスパー、オパールといったシリカ(二酸化ケイ素)を主成分にした石を割った時にできるものを紹介している。シリカが結晶したものは石英。石英の大きな結晶は水晶。石英の目に見えない微小な結晶が集合して塊になったものは玉髄(カルセドニー)と呼ばれ、この玉髄にいろいろな鉱物が混ざることで色や形のバラエティーが生まれる。これをめのうと呼ぶ。
結晶は原子や分子が規則的なパターンで配列された個体で、せおれぞれの鉱物特有の形の癖である「晶癖」というものがある。水晶は先のとがった六角など。
鉱物の結晶の多くは岩石の穴の中に入っている。
岩石は細かい数種の鉱物の粒の集結したもの。
①「火成岩」地中のマグマ由来
「深成岩」地中のマグマがゆっくり冷え固まった
「花崗岩」「かんらん岩」
「火山岩」流れ出した溶岩が固まった
「玄武岩」「流紋岩」
②「堆積岩」泥や砂などの堆積したものが固まった
③「変成岩」岩石が熱や圧力の作用で変質した
2017.6.10第1刷 図書館
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宝石とか全く詳しくないが、この本は自分のような人にでも瑪瑙を中心に、その断面の写真を掲載させることに加えて、石に関する歴史などを紹介することによって、全くこのような石の世界があるのかと思い知らされた。
ゼリーのような媒質の中でいくつかの化学物資が混ざったときに現れることのある縞、輪のリーゼガング現象により、堆積物が、細かくズレることで独特な形を作り出していき、風景のような模様が現れたパエジナストーンや、草木が封印されたようなデンドリティックアゲートなど、実際にそれを目にしたならば、自然の偉大さ以上に、発見した人々と同様に自分も神秘的な何かを信じてしまうかもしれない。
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自分は鉱物が好きでいくつか持っていたりもするのですが、持っているのはハンマーで割った欠片のようなやつで、この本にあるようなカッターで切ったら綺麗な模様が、というのは見たことなかったです。確かにカットした断面がきれいなんだけど、なんか自分の趣味ではないなぁと。とはいえ、そういう綺麗なカット断面に魅せられた人もいるわけで、この著者がまさにそれです。石を求めて地の果てまで、そのバイタリティは何処から出てくるんですか……。
情熱は伝わるのですが、もう少し鉱物としての科学的な視点も書いてほしかった気がします。