紙の本
懐かしい…
2019/11/06 22:41
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投稿者:にま玉子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
札南ではないですが、著者の成田先生のもと図書局の活動に携わりました。懐かしさというのでしょうか、読んでいるうちにあの頃の思い出が目に浮かびました。
13人の元生徒たちの読んでいる本もさることながら、本が人生に与えるものの大きさ。
活字離れが進んでいる昨今、本好きな人を増やすべく、教え子に勧めました。
紙の本
高校生と本と学校図書館と
2017/09/06 05:47
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名から高校図書館で働く学校司書の、生徒たちとのふれあいを綴った本だと思っていたが、案に違えて、高校図書館にやってくる生徒たちの思いが綴られた内容になっていた。
もちろんそこには本があるのだが。
舞台は北海道札幌南高校。この本の中でも高校生が触れ合うことになる卒業生として外岡秀俊さんの名前が出てくる。1976年に『北帰行』という作品で文藝賞を受賞した作家である。
そういう作家を輩出した高校だけあって、本に対する精神的なレベルは高いような気がする。
この本で紹介されている13人の高校生およびその卒業生の話は、著者の成田康子さんが彼らの話をもとに書きおろしたものだそうだが、どの人たちも相当意識的には高いレベルの高校生ではないだろうか。
それが本をたくさん読んでいる、あるいは本が好きということと関係しているのだろうか。
例えば、小説が好きで自分でも小説を書いているという男子生徒を紹介する文章にこんな一節がある。
「考えなかったために後悔することってあると思う。だから、考えなくてはだめだと思う」。
なんとストレートな思いだろう。自分のこの当時と比べても、この生徒はすごいと思うし、考えないといけないと語る生徒は彼だけでなく、ほかにもいるのだから、この高校そのもののレベルが高いと言っていいのだと思う。
彼の場合、その節の最後に「本を読むことって、実は、積極的な知識の受容ということなのかもしれない」と、おとなだってなかなか言えない。
この本はそんな高校生の話だが、きっとそうではない高校生が世間にはうんといる。
高校図書館はそんな高校生のためにもあるのだが。
紙の本
青春読書
2018/05/30 12:45
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投稿者:アンパン - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校の図書館にはこんな素敵な青春読書体験があったのか!と、羨ましく、そしてちょっと口惜しく思った。
大人が読んでも楽しい一冊。
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ずっと、若者の書籍離れについて少し考えていました。
大学生が本を読まなくなったとのこと。
ある程度本当だろうとは思いますが、この本を読んでも
やっぱり思っていたことが正しいのではないかと
思いました。それは、現在の若者も本を読むことが好きな
人はいっぱいいるということ。本を読むこと、それを
頭の中で整理すること、いろんな本を挑戦しようとすること
は世間が言うほど途絶えているわけではないと思いました。
ただ、やはり若い人の文書はまだまだ練れていないものが
多く、読みづらい文章があった気がします。でもそれも
若いというか、青いというか、好印象に受け取れるような
気がします。
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とある高校の図書室に通う、人生に本がある生徒たちからの聞き書き。あぁ高校生だなぁというとんがりや粋がった感じや青さなどが伝わってくる一方で、高校生でももうそんなことまで考えているのだなぁ、ひとくくりにはできないなぁという驚きもある。本の好みも、本との付き合い方も十人十色な13人の話をきいていると、自分が高校の図書室に潜んでいた頃がなつかしく思い出される。図書委員には一度もならなかったのに、授業時間以外の居場所が図書館になり、いつのまにか裏の仕事を手伝わせてもらったり本の購入に参加させてもらうようになって、部活を引退してからは図書館棟が朝夕の昇降口だった時代が、わたしにもあったなぁと。
本が大好きで図書委員となり、ビブリオバトルや読書感想文のような活動に積極的にでていったりする人もいれば、他の趣味と並行して自分のペースで読書を生活の一部にしている人もいる。どんな人にとっても開かれた場所なんだな、と気づいて、近くの図書館にふらっとでかける読者がいるといいなと思う一方で、ちゃんと司書がいてなにげない会話があって居心地よく感じられるような図書館がどこにでもあるといいのだけど…と願わずにはいられない。
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札幌の高校の司書である著者が、図書室を訪れた生徒たちの等身大の声をまとめた本書。
10代後半、13人の高校生が主人公です。本好きになったきっかけはこの本だった、あの本は読む前と後では印象がまるで違った、その本は主人公も素敵だが周囲の登場人物が特に輝いていた――本への想いや思い出を通して歩んできた道のりを振り返り、それらに背中を押されながら真っ直ぐ未来を見据える視線が印象的です。
自分も通ってきた道だけど、自分が高校生の頃ってこんなに物事を深く考えていたかな。10代特有のくすぐったさが時折顔を出すのに内心ほっとしつつも、鋭い感性に思わず背筋が伸びる想いです。
各々が自由に過ごせる空間も、多種多彩な本も、自分たちを温かく見守る大人の目も、学校の片隅に図書室というかたちで存在する。そして自分を例外なく受け入れる。図書室は誰に対しても居心地良く開かれた場所であってほしいと願います。
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同時期に出た木下通子著『読みたい心に火をつけろ』(岩波ジュニア新書)は学校司書の仕事に焦点をあてて書かれた本だが、こちらは同じ高校図書館の司書が書いた本ではあるが、読書によって変化・成長する生徒の姿に焦点をあてている。時々ちょっと司書と生徒のやり取りが出てくるが、司書はあくまで黒子。
読み物としては『読みたい心』の方が内容に変化があって読みやすいが、これはこれで、「学校図書館の主役は、あくまで生徒。司書はそっと見守ったり、ときどき手を貸したりする存在」という著者の思いが伝わってくる。
しかし、何よりの違いは紹介されている本。
『読みたい心』にはこれでもかというほど流行作家の文学作品ばかり出てきたのに、こちらは森絵都や柚木麻子、宮下奈都、漫画もあるけれど、『わたしはマララ』『広辞苑』『康煕字典』『書を捨てよ、町へ出よう』「皮膚と心」『美術の物語』『草枕』『石原吉郎詩集』『華氏四五一度』『砂の女』など、ちゃんと古典も名作も翻訳物も入っている。文学作品がほとんどなのがちょっと残念だが。
高校の図書館だもの、こうあるべきではないかと思ってしまう私はおかしいのか。流行りの本もあっていいけれど、古典や名作にきちんとアクセスできるようにするのもまた学校司書の務めではないかと思う。
「杜子春」を読めばすぐ『唐代伝奇』が出てくる。学校司書はこうありたい。
なぜ同じ高校で、ここまで違うのか。読み手の能力の差、とは言ってほしくない。自分では古典や名作や文芸作品以外の本には巡り合えないような生徒だからこそ、司書がつなげてやるべきだと思う。
巻末に紹介された本のリストが付いていて、これもとても良い。
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図書館の本なんだけど、視点が生徒で語られて、短編みたいで面白いなぁ→羨ましいなぁ→幸せだなぁと読み進めるごとに感じ方が変わっていきました
時々、生徒と司書が1対1で深く熱く関われることにちょっと嫉妬したりして、反省したり(笑)
彼らの人生の中のホンの一時に、図書館で人生を変えるような一冊に出会う手伝いができれば本望だと思いました
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【読了】
すごいすごい。この子達すごい。この本すごい。
札幌南高校の司書の先生と生徒の話。サブタイトルに「本をめぐる語らい」って言葉に惹かれて読んでみたけど、ほんとに素敵で、きっと本音で話しているんだろうなって思う。
すごい高校生たち。
こんな風に、自己分析をしたり、自分の思いを書き綴れるって素敵なことだと思う。いったいどんな生活を送ってきたのかな。もっと言えば、どんな小学校生活を送ってきたのかが気になる。
今、受け持っている子どもたちがこんな風に自己表現ができるようになったら素晴らしいなと思うし、こうやって語りたいとも思う。
高校生なりの伝えたい事がぎっしりとつまった、中身のこ〜い一冊です。
この本を読んでわかったことが一つ。
ボクは「学校が好きだ」ってこと。
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北海道・札幌南高校の図書館。ここを訪れる生徒たちは、本を介して司書の先生に自分のことを語り出す。生徒たちの数だけある、彼らの青春と本にまつわるかけがえのない話。
本を読むことと、それを介して考えること、その考えを言葉で伝えること。
13人の高校生たちがその行為を楽しんでいること、喜びを感じていることがストレートに伝わってくる。
もう高校時代が遠い昔になってしまった私も、その純粋な感性と楽しみ方を、もう一度取り戻そう。一冊一冊、読んで感じた気持ちとちゃんと向き合って、それを誰かに伝えたい、とワクワクした。
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札幌南高校の学校司書だった方が、実際に図書館を訪れていた生徒たちの姿を紹介していくという新書。
まさかそんな本が母校から出るとは・・・(時期的に自分は著者の方とは重なっていないか?? 仮に重なっていたとしても図書局には入っていないしなあ)
出て来る生徒たちがみんな「うわ南高に超いそう」って感じで、数名については(前述のとおりで違うとわかっていても)「え、これあいつじゃないよな・・・?」とか思ったりも。いかにも南高生が言いそう・考えてそうな、というか。
読んでると襟を正さねばなあというか、OBとしてこういう皆さんに顔向けできる人間であらねばなあ・・・と思ったりもするんだけど、当の本人は電子書籍万歳&全然心温まらないテーマばかり扱っている不良図書館情報学者なので、ここに出てくる皆さんの図書館に対するイメージは裏切ってしまいそうだ。
しかし、それにしても、あとがきでも触れられてるけど、クラフト・エヴィング商會に自分の本デザインしてもらえるの、いいなあー! もしまかり間違って単著で新書を出せるならちくまプリマーから出したい・・・!
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札幌南高校の司書が描く南高図書局に集まる生徒たちの本との関わり方。実際に司書の成田氏が出会った生徒のうち13人からの聞き取り(?)により、彼ら・彼女らが本とどう出会いどう読んできたかをまとめています。
出来上がった文章は、本人が読み了解を得ての書籍化とのこと。本を読まなくなったという現代で、本を通して様々な自分たちの将来を見据えている彼ら・彼女らが素晴らしい。そして、それをそっと支えている司書の存在は理想的です。
札幌南高は、札幌では名の知れた進学高であることは知っていたし、甲子園に出場したりして文武両道的な校風もなんとなく知っていた。そんな高校ならではと言ってしまってはつまらない。他の進学高も皆そうだとは言えないのだから。
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13人の高校生が自らと本の関わりを語る。これが新鮮でいい。プロの文章ではないし、思い込みすぎだったりもするけどとってもいいんだよ。さすが札幌南だね。ここで紹介されるいくつかの作品が読みたくなった。さっそく図書館に予約を入れたくらい。
あ、表紙の装丁はクラフト・エヴィング商會。これまたプロの仕事なんだな。
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札幌南高校の図書館に通う生徒と本との関わりについて、
学校司書の著者が書き留めたお話です。
この本で紹介されているのは13人。
それぞれが語るエピソードからは、若々しさと清々しさで眩しいくらいの気力を感じました。
自分自身、本の楽しさを知り始めた時期が遅かったので、
高校生の時にこういった時間の楽しさを知っていれば、
どんなによかっただろう…と羨ましい限りです。
読む前まではてっきりライトノベルを読んでるのかと思いきや、
古典などもきっちり押さえていて、感心しました。
見習わなければね。
司書の先生とのやり取りも
彼らにとっては とても大切な時間。
何か感じたことを誰かに聞いてもらうって
大切なことかもしれませんね。
ちょっとしたアドバイスで
あたらしい知識のトビラが開くこともありますし。
そういう意味でも
学校図書館への司書の配置を
もっと広げていけるといいですね。
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自分が高校生の時に、ここまで考えて本を読んでいなかったことを反省。自分の世界に閉じこもることも時には必要(冬眠みたいなもの)だけれども、人は人に繋がっていないと生きられないし、繋がっていないと楽しくない。