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アフリカにいるサバクトビバッタの生体を書いたものではなく、研究しにモーリタニアに行っての紆余曲折と昆虫学者になる夢を叶えるまでの話。
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オーディオブックにて読了。何の後ろ盾もなく、著者がバッタ研究の為にアフリカ・モーリタニアへ行くお話。研究者ってこんなサバイバル能力も必要なのか……!
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京大の白眉プロジェクトのところと、ついにバッタの群れを見つけ、対峙するシーンは感動的。映像が思い浮かぶよう。
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「バッタを倒しにアフリカへ」
その者、緑の衣を纏い、砂の大地に降り立つべし。
「バッタを倒しにアフリカへ」タイトルだけからみたら「妻が椎茸だったころ」みたいな小説と思いきや、裏を見るとモーリタニアで研究成果が認められたウルド(子孫)による研究記録でした。因みに、このウルド、アフリカにきて3か月後辺り(時系列が明確ではないため、詳細は不明)でババ所長との熱いバッタ会話から受け取ったミドルネームで最も尊敬を集める名称とのこと。その後、モーニタニアで、このウルドは廃止されるというオチ付き(みんな誰かの子孫なんだから、ウルドっていらなくね?となったらしい)である。
本書の面白さはたくさんあるのですが、まずは、粒揃いの登場人物でしょう。著者である前野氏は、ファーブルに憧れ、昆虫学者を目指し、その中でもバッタに愛し、愛され、そしてバッタアレルギーなった男。熱いエネルギーに狂気すら感じるバッタ愛。こんな風にのめり込めるのは才能だと思いました。バッタだけではなく異国での生活・研究の難しさ、研究者としての苦労、無収入生活危機、そしてサソリを始めとするモーニタニアでの様々な体験と色んなものを乗り越えるこのタフネス。最高です。一番は、白眉とグリーンタイツの件。面白かったです。
続いて、ババ所長。モーニタニアで前野氏が大変世話になる人物です。敬意を忘れず熱熱なバックアップを行いながらもバッタ研究所の最高権威として各国を歩く日々。エピソードからは偉大なる父のような凄い人でした。このような人と出会えたことはラッキーだったと前野氏は言っていますが、その通り。異国で何もわからない中、ババ所長に出会えたことは、今後のバッタ研究の成功に大きく寄与していたこと間違いなし。
そして、ティジャニ。運転が得意でモーニタニアでは外国人との付き合いに慣れており、気遣いが出来るドライバー兼研究パートナー。現地人との交渉も難なくこなし、前野氏にはモーニタニアに馴染むよう色々ケアできたりする出来る人。一方で、サラリーをこそっと値上げしようと交渉してきたり、前野氏と仕事をしていることを周りに自慢し(サラリーが高いから)、それにより他の人たちも前野氏のパートナーに立候補してきて、結果自分が首のピンチになる。さらに、第2夫人と喧嘩して別れることになったけど3日後にはもう結婚していたりと色々おちゃおちゃする人。
これら主要メンバーとバッタ、現地人が絡んでとても面白いものになってます。次いでやはりバッタ研究が随所に盛り込まれていることも面白さの1つ。大群で押し寄せるバッタの群れは、害しか運んでこない。そのため、政府は駆除しようとするのだけど、バッタを研究しなければ一時的な被害は防げても長期的な効果としては見込めない。実際、前野氏がバッタの大群を研究するためにその発生源に移動している最中に、別の調査隊が殺虫剤でバッタを駆除してしまったり。色々とあるわけです。勉強になりますね。
そして、前野氏の広報活動。徐々に輪が色がっていく経緯がとても心地良い。バッタ博士、大変、刺激的です。
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装丁からして、ウケ狙いのハチャメチャ旅行記かと思いきや、バッタ研究の第一人者とは!!
ブログをされているからなのか文章が面白く、グイグイ引き込まれます。
モーリタニアの文化にも触れられていて、国際交流の側面もありとても面白い。
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ポスドク研究者のアフリカフィールドワークの話。学術的なことは少なく、研究やモーリタニアでの生活についてが中心です。物語の終盤に向かうほどに胸が熱くなります。思わず、涙がほろりする場面も。
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昆虫学者である前野ウルド浩太郎氏の著書、研究の対象は「サバクトビバッタ」で、ミドルネームの「ウルド」はモーリタニアで誰々の子孫という意味らしい。前野氏がアフリカのモーリタニアで行ったフィールドワークと、日本国内での活動を綴った作品。
彼の研究対象であるサバクトビバッタは、定期的に大量発生しては農作物に甚大な被害を与える事から、「神の罰」と呼ばれ恐れられている。アフリカ諸国では年間数億円という予算を投じて駆除を行っているが、もっとバッタの生態が解明できればより効果的な駆除が期待できるらしい、前野氏は世界でも希少な研究者なのだ。
前半のフィールドワークの部分は、よくある研究者の面白エピソード紹介本みたいでチョット退屈だったけど、収入を失ってからの第7章以降は展開もスピーディーで非常に面白かった。特に京大総長との面接のシーンでは少し感動してしまった、小ネタはスルーされたけどね。
苦労の甲斐あって新しい職を見つけたようですが、きっとまたモーリタニアに戻り現地の仲間たちとアフリカのために研究を続けることでしょう、次回作も期待してます。
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秋田県立秋田中央高校のご出身だそうで、随所に見栄っ張りの県民性がチラと覗くのもご愛嬌。
モーリタニアの民族衣装での凱旋公演、女子高校生が悲鳴を上げ続ける程、えげつない映像満載の、バッタ塗れプレゼン、私も見たかっ…たことはないです、ハイ。
ハリネズミ、可愛かった〜。
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バッタ博士のエッセイ。
とてもワクワクしながら読めた。
久しぶりに研究したいなと思ったし、そこまで研究したいものに出会えたこの人を羨ましいと思った。
私にとっては”のだめ”的な位置付けの本だなー
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Amazonにお勧めされて衝動買い。バッタ学者(正確にはPD後に無職からの、任期付きで現在つくばにいる研究者)の著者が、アフリカはモーリタニアでバッタ研究をしつつ知名度を上げるためにブログ/ツイッター等SNSや、ニコニコ超会議とかプレジデント誌の連載を駆使して悪戦苦闘、遂には就職を勝ち取る話。色々と人気者になりつつ最終的に就職するまでの苦労も本人の明るさとネタ好きな性格で笑えて読めた。ちょっと関係各位への謝辞が多過ぎて後半だらけたけど。バッタ研究話をもっと掘り下げてもらいたかったが、それは1つ前の著書を読むべきなんだろう。
少し前に読んだ福岡先生の本の方が重苦しくて、同じ理系研究者本として個人的には好みだった。
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一気読み!
これは面白かった~前著作も読もうかしら!
新書にしては内容もページもボリュウム満点な気がします。
自然は偉大だけれども、人もその自然の一部だったね、と云う事を思い出させてくれるような、著者の力強い生き様がページの至る所から溢れ出ています。
著者と同世代なので、細かいネタがいちいちツボでした。勿論まとも(!?)な論文もたくさん書かれてらっしゃるのでしょうから、端からの文章力も大した物なのでしょうが、ブログやプレジデント誌の連載で、一般人(やネット民)にウケる書き方を磨いたとの事、存分に発揮されていらっしゃる。前半でティジャ二からプレゼントされた民族衣装の着こなしが笑っちゃう感じでしたが、後半の着こなしの定着ぶりが惚れてしまいそうになる!着こなしも文章も経験値を貯めてのレベルアップと云う事ですね。
きっとアフリカのバッタ被害を鎮静化に導いて下さることでしょう。その時にも、これくらい面白い一冊を上梓して欲しいです。ずっと待ってます!!
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光文社新書なのに、タイトルといい、「前野ウルド浩太郎」という著者名といい、表紙といい、怪しい感じ満載だが、本屋で手にとってパラパラと眺めているうちに、このまま置いて立ち去れない訴求力があり、思わず買ってしまった。
読んでみると、これが面白い。ポスドクという不安定な立場で、将来を憂えながらも、昆虫学者を志した初心に立ち返って、モーリタニアでのフィールドワークに突き進んだ著者の熱さもそうだし、モーリタニアでの生活という未知の領域に関するレポートも、豊富な現地での写真も、どれもこれも面白い。発見あり、落胆あり、成功あり、失敗あり、とにかく波乱に富んだモーリタニアでの研究生活が活き活きと語られている。大発生したサバクトビバッタを追っての調査による成果が報告されていないのは残念だが、今後の論文発表の後に、また一般向けに解説があることを楽しみにしたい。
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一人のバッタ博士がアフリカでバッタと、いや人生と格闘する話。
本屋で偶然手に取り読んだ本だが、結果的に2017年上半期一番面白い本となった。
新書にしては厚めだが、文章・言い回しが面白く、飽きずに笑いながらスイスイ読める。
スイスイ読んでるうちに、サバクトビバッタの生態からモーリタニアの生活・文化、
はたまた研究者の苦悩から東北弁の雑学まで、様々ものを垣間見ることができた。
それだけで十分面白いのだが本書の魅力はそれだけではない。
筆者はモーリタニア赴任後、いくつもの困難・苦難にぶつかるが、
工夫と努力と忍耐をもってして、また多くの人との出会いと助けを得ることで、
それらを乗り越えて成長していく。その姿に感動するし勇気を貰える。
終盤の「孤独の不安は友やファンが打ち消し、無収入の心配は京都大学が葬り去った」は笑える言い回しなのだが、
多くの苦悩を乗り越え成長した上で決戦を迎えるところで、不覚にもホロっときてしまった。笑。
超おすすめの一冊です。バッタにもアフリカにも興味が無くても十分楽しめるはず。
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私的2017年度ベストブック3に入るのは間違いない。
アフリカで「神の罰」と呼ばれるほどバッタが異常発生すると、植物という植物が喰われ甚大な被害に見舞われる。しかし、バッタ研究業界では、誰もアフリカで腰を据えて研究をしておらず、研究の歴史は止まったままだという。
本書は、少年時代(うっかり)ファーブルにあこがれてしまった著者が「未熟な博士でも、全力かませば、アフリカを救い、そして自分も研究者として就職できるかもしれん」と単身アフリカはモーリタニアに乗り込み、ドタバタしまくった、体験記である。
とにかく構成がうまい。
序盤は著者のへっぽこ話からスタート。笑いながら読み進むにつれ、研究対象への暑っ苦しい熱と、それらを取り巻くあらゆる環境・状況との「戦い」を冷静に分析する頭脳という、”研究者”という種族が持っている二面性がビシバシ伝わってきて、カッコよくすらある。
終盤、最終決戦への盛り上がり方に至っては、著者の苦楽を追体験してしまったことも相まって、不覚にもウルっと来てしまった(そしてクライマックスの脱力感たるや)。
無職の崖っぷちにあり、次に打つ手を間違えると研究者として「死ぬ」感じや、それを回避するために、考え、実行していくリアルさが、肌身に感じられて熱いくらいだった。今後の著者の活躍に大いに期待したい。
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大当たり本。語り口自体がうまいのに、さらにバッタにアフリカにという題材。しかしここまでしないとテニュアはおろか任期付ポストも得られんとはなんなんだろうねいやはや。