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テロを起こす人、被害者、その家族、憤りを感じる人、行動できる人、傍観者。。
テロを通して、様々なタイプの人間が描かれる。私はタイトルの意味は、あなたはどのタイプ?と聞かれているように思えて、背筋がぞくぞくした。私は、、、。
最後の話が良かった。復讐を実行したら、悲しみの連鎖はいつまでたってもなくならない。誰かがその犠牲になるのではなく、そういう環境を元から作らないこと。それが大事なんだろうな。
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2014年発売の単行本の文庫化。
近年の貫井徳郎は1作ごとに作風が変わるような印象がある中で、本書は今後のターニングポイントになる1冊ではないか……と思った。
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◯私に似た人
最初の一文から心が揺らいだ。テロが始まったのは2001年のアメリカ同時多発テロが最初だろうか。
今まで何度のテロがあり、今では驚きも少ない。
何故慣れてしまったのか、慣れていい事なのか。
スマホも同じ。社会の変化はいつの間にか起き、気づいてみれば当たり前になっている。
世の中の全ての事象に右か左のどちらかひとつの結論を出す必要があるのだろうか。
テロを起こす人の気持ち。テロを批判する人は、弱者が見えていない人たち。
たった1つの失敗や挫折が時には取り返しのつかない事になる。自分には考えられないこともその人にとってはかけがえのない事もある。
日本人のダメなところは考えない所
自分の意志で理由があって『右に倣え(ならえ)』であればそれはいいと思う。ただ、出る杭は打たれるから出ない、何も考えずに出ないでいる事を選ぶのがいけない。
憎んでも何も始まらない。憎しみの連鎖は止めなければ止まらない。
自分の好きな人がテロリストだったら、嫌いになるのか。過去に罪を犯していたら、その人を社会から追い出すのか。それが正しいのか。
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明日の日本の話。
そして、明日の自分や隣人の話である。
寛容さのなくなったこの国の近未来の物語と言えるかもしれない。
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201706/無理やりな人間関係もありつつ、ほっとする結末や後味悪い結末を織り交ぜたちょっとリンクしていく形式の短編集。やっぱりヘイトさんの話が一番印象的。
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貫井先生、ゴメンナサイ…あなたを最後まで信じ切れなかった——。奈良坂俊和まで読んでこれは(※前[読んだ]作『ドミノ倒し』が貫井作品一の駄作だったので)はまた駄作か?と頭を過ぎりました、が、最後の章で評価は一変。まさかこう来るとは…。そう遠くない未来を見ているようでした。星4つ半。
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大きなものではないけれど、頻発する小口テロ。
小口テロに関わる10人の目線から描かれている。
人に無関心、でも関係のない人までを巻き込むテロ。
貧富の差や日本人や国の変化。
何か深い…ちょっと、考え込んでしまう…
2020.9.16
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大好きな貫井さんの新刊!だったんだけど、今回はあまり入り込めなかった。いつもなら読む手が止まらない感じなのに、なかなか読み進められないというか。
小口テロが繰り返される日本。その小口テロを起こす人々を唆している黒幕は"トベ"という人物らしいのだが…という連作短篇集。
社会に疑問を抱いても、実際にテロを起こせる人は少ない。でも確かに"トベ"のように背中を押す人がいれば、もっと多くの人が行動しそうな気はする。でも小口テロって、今あってる無差別殺人とかと変わらない気もする。私は許せない。行動するなら、別の方法にしてよ、と。
ラストの一篇は意外だった。そこは想定してなかった。でも…内容に反して暗くなり過ぎない終わり方は、貫井さんぽくないけど、嫌いじゃないわ。
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イマイチかなぁ
あっと驚く仕掛けにはさすが!って唸ったけども、そこ以外はなんかネットとテロとって、あわないなぁ。少し期待しすぎたかな。
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日常的に小口テロが起きる社会。十人の主人公たちの生活の変化と感情の揺れを精巧に描く連作長編小説。
タイトルのとおり、登場人物は私たち自身である。幸せの価値観を自分なりに持ち、他人との優越感と劣等感を感じながら日々を過ごす毎日。そして不満は社会のせいにする。人間の本質なのか、日本人特有なのか。よく考えると背筋が凍る怖い物語である。
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舞台は小口テロが頻発し問題となっている日本。自らの境遇を嘆く若者、日本人そして日本国に対する怒りと失望を露わにする会社員、自らは比較的恵まれた生活を送りつつも弱者に対するシンパシーを持ち、弱者の救済について何か出来ないかと考える者等、何らかの闇を抱える男女が登場する物語です。それら男女の物語に共通するキーパンソンはネット上で若者を教唆していると疑われている”トベ”。“トベ”はいったい何者なのか?そもそも実在する人物なのか?貫井さんの作品らしく、もう一寸ひねって欲しかったかな。
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登場人物が多くて混乱しつつ読みました。もう一度読み返せばいろいろと伏線があるんでしょうか?
社会に対する抵抗としての無差別テロを起こすもの、支持するもの、教唆するもの、いろんな人間の思惑の描写は面白かったけど、なんだか最後の結末が無理矢理な気がしたなぁ…。共感できる部分は多かったですが、物語としてはやや退屈でした。
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小規模なテロが頻発する日本が舞台。でも全然架空っぽくなくリアルな世界。組み立ても見事。そしてなによりこの小説にこのタイトルをつけたことが衝撃。
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ちょっと飽きたかな。
もともと、短編少し苦手なので、繋がるとは思っていても、少し退屈だったかな。貫井さんだから最後まで読んだけど。小口テロ、これからの日本を見るようなテーマは考えさせられるものでした。
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ミステリ...なのだろうか?(^ ^;
はっきりした主義主張や目的が分からないまま、
人を巻き込み自殺する「小口テロ」が蔓延する時代、
という舞台背景。
小口テロ実行犯たちは、宗教や思想など
「横のつながり」が見えてこない。
ただ「トベ」と名乗る謎の人物から、
ネットを介して教唆された形跡が見えてくる。
が、「トベ」を捕まえてみると、実は複数いて...
というストーリーが、様々な登場人物たちの
「それぞれのテロとの関わり方」を描くことで
ちょっとずつ見えてくる、という凝った構成。
私には「オチ」が弱い気がしましたが...(^ ^;
ネット上だけの、人との危ういつながりや、
頑ななまでの「正義感」、衝動的な「行動力」など、
今の現実世界と全く同じと言えるのでは。
そう、小口テロは、明日、いや今ここで起きても
全くもって不思議ではない話なのだ(^ ^;
...ということを考えると、じわじわと恐怖感が(^ ^;
こんなん防ぎようもなし、本当に運・不運だけ(^ ^;
鋭い視点から淡々とした筆致で切り取る、
貫井氏らしい社会派の一冊です。