紙の本
最後まで読んでタイトルの意味が分かる
2018/05/07 23:36
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の女性が私の母より少しお姉さんで、その娘息子が私より少し年上の姉兄だからか、何となく「ああ、こうゆう事か」と1人納得、またはなるほどそうだったのか、と発見したり。読み終わった後も何となく余韻が残る一冊です。
紙の本
時代の流れの中で生きること
2017/09/28 08:21
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投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語が長いスパンで描かれており、時代に翻弄されるというほどではないのだが、時代の流れについていけずに、どこかぼんやりと過ごしてきて、いつの間にか老いていく主人公の姿に、自分ももしかしたらこの先こんな風に生きていくのだろうかと、空恐ろしくなった。
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話の内容的には地味かな。左織の一生といったところか。ただ、自分とタイプの違う友人を持つ描写が素晴らしく、嫉妬もあり葛藤もあり、それでも何かのたびに一緒にいる、頼ってしまうというところもなかなか共感できるところが多く、自分と重ねてしまった。
タイトル好きだなー。美しい。
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「本の雑誌」40年の40冊より。文庫化を待ってました。とある家庭3世代の日常を、家族関係の葛藤を中心に綴るという、パターンとしては目新しいものではなかったけど、人物造形と物語構成が絶品でした。家族以上に家族みたいな親友の存在が、要所要所で良い味出してますね。結局本人の口からは真意を明かされなかったけど、その辺もまた、うまく見どころになってますね。あと、帯を見て”ホラー的な要素があるのか?”と思ってしまったけど、全然関係なくてびっくり。”この帯、販売促進に対して有効なの?”とか、余計な心配しちゃいました。「八日目の蝉」よりこっちのがずっと好き。となると、他の作品も読んだ方がいいかも。
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数奇な運命で一生を共にすることになる左織と風美子。
その出会いは疎開先で始まっていたが、左織は覚えていない。そのことが、次第に左織を疑心暗鬼にさせる。
風美子は一体なぜ自分の側にいるのか…。
昭和という時代に型通りの生き方しかできなかった左織の、風美子への複雑な心境がなぜかよく理解できた。そんなことはない、被害妄想だと思っていても、左織の暗い気持ちに引っ張られて読んでいて辛い場面もあった。
左織に限らず、人は60を過ぎてようやくあるがままの人生を受け入れられるようになるのだろうか。
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ストーリーには引き込まれて一気に読みました。
が、主人公の佐織がどうにも好きになれず、自分の母と重なるところも多くて、読むのが苦しかったです。。。
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角田光代著「笹の船で海をわたる」
同じ学童疎開を経験した佐織と風美子はそれぞれその経験を消したい過去、引きずる過去として自分の生き方に絡めて戦後を生きる。自分の人生は自分で作り出していくものなのか、誰かに選択を迫られ自分以外の力に引っ張られて行くものなのか。
戦争という異常事態の中で幼少期を過ごした少女達が、戦後、そして戦争がまるで無かったかのように振る舞う現代までの激しく移り変わっていく世の中で価値観の変化に翻弄されながら、あるいは変化の波に乗りながら生きる。
相反する性格の二人の女性から見る昭和史のようだ。
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さすが、、角田さん。女性の内面が鋭く描かれてる。主人公が、いつも疑心暗鬼でいらいらしながら読み進んだ。が、結局、子供達はまとも?に育ったし、住処も満足なところを見つけたし、羨ましい限り。もっと、ミステリー性あるのかなと思ったけど、ハッピーエンド?
作中いつ、タイトルの文が出て来るのか、ワクワクしながら読むのも、楽しみの一つです。
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私は角田さんのファンだから贔屓目で見てしまうのかもしれないけど、にしてもやっぱり良かった。角田さんお得意の、なんかようわからんけどこうなった、的なテーマ。戦時中の疎開体験とか、親からみた子への思いとか、老年の思いとか、が戦後の歴史とともに綴られているのだが、自伝でもないのに、よくもまあこんなに細やかに書けるもんだと、感心する。だからこそ逆に、ところどころサラッと流し過ぎと感じられる箇所もまだあり、本当はもっと書けるんじゃないかとも感じさせる。
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ずっといらいらしながら読んでいた。主人公沙織の心の一人語りが気持ちのいいものじゃない。娘に嫌われ、「お母さんみたいにはなりたくない。自分の頭で考える」という。自分もこの気持ちはよくわかる。戦争を知ってる親を持つ人にはわかるのかな。とても平凡で自分で何かすることができないと子供がこんな風になるのかな、て考えたり。そんなことは誰にもわからないはずだけど沙織の心の内を聞いてるとそんなことも思ってしまう。物語の根幹である風美子、人生を見返すために現れたのか?その夫潤司と一瞬共感していることを知る沙織。今まで誰とも心を通わせていないのでやっと解放された気がした。悲惨な戦争、女性が自分の考えを持つことが浸透していなかった時代背景。そして戦争と同じように自分が人にしたことを人は忘れてしまうのか、というのが全体を通して感じたこと。さ
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最初は暗そうな話だなぁと思いながら読んでいたけど、だんだん引き込まれて行った。
風美子の真意が知りたくて読み進めたけど、結局最後まで左織目線で真意は分からずモヤモヤ。。
風美子みたいな人がずっと自分の近くにいたら、、私も左織みたいになっちゃいそう。
いろんな意味で怖い話だと思った。
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ああ、こういう女性、本当にいそうだなーと思う。
人生って難しい。
長く生きて、自分の経験が拠り所で、そことは違う価値観や生き方に、畏怖を抱いたり、憧れたり、嫉妬や妬みを感じたり。
それでも自分は自分のまま、流されるように生きて行くしかないと思う。
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祖母または、母親の年代の女性の話
中年女性あるあるかな?
戦争は知らないけど、よくないことがあると あのときのバチが当たった?とか、
自分はとても優しくない人間なのではないかとか、ぐずぐず考える時ってあります! 読んでいて なんだかゾクゾクしました。
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何なんだろう、この人。左織。
超マイナス思考?
歳は私の母親と同じ世代。戦争中、親元から離れて疎開をしていたつらい経験を持ち、その疎開先で一緒だったという風美子という女性から、街中で声をかけられる。風美子はどんどん自分の生活の中に入り込んできて、ついには夫の弟と結婚し、義姉妹の関係になる。
風美子は明るく活発で、料理研究家として成功し、友達も多く華やかだが、子供のころ、疎開先で苛め抜かれた経験を持つ。その話を聞かされた時、左織はもしかすると自分はいじめた側で、彼女はその復讐のために近づいたのではないかと不安になる。真相は逆で、優しくしてくれた左織の本当の妹になりたかったと風美子は言うが、猜疑心は消えず、子供たちの風美子へのなつき方や、夫温彦との仲の良さを見るにつけ、家族を乗っ取られたという被害妄想が止まらない。風美子にはさんざん世話になっているのに、娘との関係がうまくいかないのも、息子が性障害になったのもすべて風美子のせい、彼女の思い通りの人生を生かされている、と考え始める。
自分の人生は自分のもの。結果や経過がどうあれ他人に責任を押し付けるものではないと思う。風美子を受け入れたのは誰でもない、自分自身なのだから。
約半世紀にわたる女の物語だが、時代が行ったり来たり、事象から入り、その後やっと状況説明に移るという、凝った作りではあるけれど、少々読みにくかった。
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平凡さを望むあまり、家族にも無意識にそれを押し付ける主婦・佐織の半生を、日本近代史と共に描く長編小説。
幸せ溢れる達成感があるわけでもなく、虚無感だけの寒々しさに陥ったわけでもない。客観的には平凡な人生といえる彼女が、死を迎える時何を思うのか。人生って自分が作るものじゃなく、周りに支えられて成り立つものなんだと思う。