電子書籍
避難所生活
2019/02/05 07:14
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が子供の頃、阪神淡路大震災があり、長引く避難所生活に、ケンカが巻き起こっている…という話を聞いた。当時は、なぜ助け合って生きれないのか?と思っていたが、自分もきっと揉めてしまうだろう。
テレビでは報道されない、日常の部分は興味深い。
紙の本
『避難所』を文庫化時『女たちの避難所』に改題
2017/12/11 19:18
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
震災をきっかけに女性の立場を見直す話。
綿密な取材で感動いたしました。
改題した理由も、よくわかりました。
ぜひ、ご一読を。
紙の本
考えさせられました
2021/05/13 16:29
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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎の閉鎖的なコミュニティを知っているだけに、叔母や母の苦労を知っているだけに、凄く分かるし、でも何も出来ない(変える事の出来ない)無力さを感じました。
きっと、分かって欲しい変わらなけれないけない世代や性別の人ほど、読む事はないんだろうなあ。と思いました。
私はこんな風に出来るだろうか?
でも、死ぬ気になれば出来るのかな?
私にできる事は何だろう?
色んな事を考えさせられました。
直ぐに本に引き込まれ、一気に読みました。
日頃から、色んな事に対して、覚悟や準備をしなきゃ!と思いました。
読んで良かったです。
電子書籍
立ち上がり、踏み出して行く
2021/03/14 01:59
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投稿者:すずめっ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
きっかけは、東日本大震災を生き延びて避難所に暮らす境遇になったことから。
見ない振りをしてもそこにあり、いつかは都合よく変わっていってくれるはず、と根拠もなく思いながらぼんやり遠ざけていたもの、「それ」が降り積もって既に窒息寸前になっていた三人の女性たちが主人公。
「それ」自体は以前から彼女たちの内面に重く降り積もっていたおりのようなもの。
三人の女性がもがきつつ、各々の場所から立ち上がって自分を生きようと踏み出していく姿には凛々しさを感じる。
久しぶりに半徹で一気読みしてしまった。
あれから10年過ぎるが、わが国の避難所や仮設の状況は今もあまりにも貧弱で時代遅れだ。
誰もがいつその立場になるかもしれないのに、なぜいつまでも避難所は個人の忍耐や我慢で覆い尽くされているのだろう。心の底に怒りが沸いてきた。
電子書籍
私も一応被災地でした
2022/03/12 17:17
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投稿者:K - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時は一切この事のニュース映像見れませんでした。
見るつもりなかったけどネットで一回見てしまったのさえ今も生々しく心が痛み辛い。
この本を読んでも大丈夫だろうかと迷いましたが、垣谷さんは生々しく書く人ではないし、ハッピーエンドの方なので大丈夫でした。
しかし現実ではこんなものではなかっただろう。
こんなに上手く行くわけないだろう。
今も苦しんでいられるだろう。
紙の本
これって実際に
2023/10/08 10:22
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
避難所では実際にもっと悲惨なことが起きてたと聞きました。
この話も実際にあったことを参考に書かれてるんですよね。
食べ物を母親だけに配るようななった理由とか、
人間ってほんと信じられないですね、、
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さまざまな理不尽に腹が立って腹が立って、ほぼ一気読みでした。前回読んだ『嫁をやめる日』もそうですが、最終的には女性たちが現状から外へ踏み出す(精神的・物理的に)、でも大団円のエンディングではなく、まだまだ問題はあって、あとは本人の頑張り次第!というところが、かえってスカッとしていて好きですわぁ。
今回は小5の少年、昌也くんが大活躍でしたね。いるいる、こういう「理解してしまう」利発な子ども。そして、そんな昌也くんを尊重して、その時々に合った言葉をかけてあげられる福子さんも素敵でした。
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読みながら、怒りで何度も拳を握りしめてしまったので、なんか肩こった。
当時マスコミで報道する被災地には「美談」しかなかったような印象だが、ある文芸誌に多くの小説家が寄稿した「震災」についての文章は、まったく色合いが違っていた。
支援物資の分配の不平等や、避難所によっては、危険な感じのリーダー出現でとんでもない「自治」状態だったこと。思いのほか多くの文化人(かな?)が放射能を避けて海外や遠方に避難したこと。
あれから6年もの年月が流れ、別のところで起きた大地震や様々な事件の奥に記憶は薄れがちだが、まだ全然終わっていないし、当時起きた問題が解決されたわけではない。
この本では避難所を舞台に女性に対する差別的因習が語られているが、それは過去からあったものが表に出ただけ。
そう語って新たな世界に飛び出していった三人の姿に、ホッとした思いで本を閉じた。
希望がある結末でよかった。
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信じられないことの連続。
「品性下劣」が服を着て歩いているような男どもの言動に怒りしか湧いてこない。
どこか上から目線で、被災者に見返りを求めているボランティアにも呆れる。
何より、これらのことが実際に起きたことが元になっているというのだから驚きだ。
現実を知ることができてよかった。
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震災小説。東日本大震災の後、独り身を不安視し結婚する人が増えたと聞くが、本書を読めば結婚は止めておこうと思うだろう。男尊女卑が根強い日本、震災の時ですら男は足枷でしかないというのは何とも酷いものだ。震災の新たな一面が見えた気がした。
あらすじ(背表紙より)
九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。
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避難所で段ボールの仕切りを作る。
そんなんじゃとても完全にプライバシーなんて保てないけど、それでもないよりは絶対にマシだと思う。
生活する上で絶対必需品。
この話にはその仕切りを「私たちは家族同然なんだから」と使わせないようにする、避難所のリーダーが出てきます。
読みながら私は「いや、これは創作でしょ? ま、まさか本当にこんな人、いなかったよね……」と思っていたのですが、あとがきを読んでビックリ。
現実に、いたとは……。
そんなこと言える人って、全然周りが見えてないんだろうなぁ。
どんなところでもそうだけど、リーダーにどんな人がなるかって大切。
福子みたいに話しやすいおばちゃん、みたいな人が一番適任かも。
遠乃に関しては、「役所に行けば、なんか姻戚関係を失くす、みたいな手続きできるよ!!」とそればかり思っていました。
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東日本大震災のときに、おぼろげにある避難所の
仕切りがないということが報道されたような気がします。
その時はちょっとした違和感しか感じませんでしたし、
多分マスコミは好意的に報道していたような気がします。
絆の一言でプライバシーややさしさ、人の尊重などが
ないがしろになっていたのだとすると恐ろしいことだと
思います。
この小説に書かれてあることは、ある程度デフォルメ
しているのではないかと思いますが、そうであって
ほしいというか、そこまで馬鹿な下劣な人たちは
そうそういないような気がします。
本当にこういうことがあるのであれば、人のことを
本当に考えることって、困難なことなのだろうと考えます。
そういう老人にはならないようにしたいと思います。
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私も五十年後ぐれえには、そっちさ行ぎますがら。
(漆山遠乃)
東日本大震災で被災した避難所が舞台。
九死に一生を得た55歳の専業主婦は避難所で将来を不安に思うが、ごくつぶしの夫が行方不明になり、少し安堵している。
夫を亡くし、生後6ヶ月の息子と生き延びた28歳の美人お母さん。しかし、避難所で傲慢な舅や義兄に支配される。
40歳のスナック経営のシングルマザーは震災で母を亡くし、息子が行方不明になり、避難所を巡る。
しかし、この3人が避難した避難所はダンボールの仕切りがない男尊女卑の監視社会。“絆”というフレーズで縛りあげ、授乳するにもままならず、ボランティアは高圧的な態度、意見をするにも田舎の風習で味方はいない。
読んでいて怒りと不快でたまらなかった。
ずっと不快、怒り、不快、怒りで少し希望が!と思ったとこにまた不快と怒り…
「私たち被災者は家族同然なんです。これからも協力して生活していかなければなりません。互いに絆と親睦を深めましょう。 ーだからね、我々に仕切りなんてものは要りません」
これが現実にあったっていうのが驚いた。
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事実に基づいているらしいけれど、一体どこまでが本当でどこまでが創作なのだろうか。主人公たちの周りの「ダメな男性」たちがまるで良いところなしで……。ある程度極端に描写しているのだとは思うけれど。
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東日本大震災の避難所での生活を題材としたフィクション。
ダンボールでの仕切りがあったとしても、いつまで続くかわからない生活には言いようのないご苦労があるだろうが、家族同然の絆が大切と仕切りを使わせない避難所が実際にあったようで、、。
震災後、なんでも絆、連帯といったくくりで、美談めいたまとめ方に違和感を持ったことを思い出す。
力のない人が権力を持ってしまい、そしてその権力にしがみつく怖ろしさ、翻弄される人々のもどかしい気持ち等、全く気持ちいい話ではないものの、登場する女性たちの描写が丁寧で応援したいような気持ちでどしどし読み進められた。
本書で初めて知った作家さんですが、他の著書も読んでみたい。