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怪物の怖さも人間の狂気の描き方も、風景・情景を想像させるところも相変わらず上手い。
導入からクライマックス、オチの付け方。
どこを切り取っても「宮部みゆき」で安心して読めました。
好きな話か、というとそれはまた別なので星4つ。。。
でも、これを100分のドラマにするのは絶対無理があると思うんだけどなー。
内田有紀&平岳大の兄妹はいいとして。
しょぼいCGとかにしないでねー!
原作を読んでないと理解できないような内容にしないでね。と勝手に心配してみたりする。
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市ノ介も朱音も、ただただ不憫だ。
先祖の犯した罪を償う時のため、贄として生かされているようなものだ。
こんな人生を甘んじて受け入れられる朱音は菩薩のような人間だ。
嘆き・恨み・憎み、この人生に抗おうとした市ノ介は、ある意味人間的なのだろう。
やり方は間違っている、でも気持ちは理解できてしまう。。。私も、やはり人間なのだと実感した。
結局のところ一番の被害者は、市ノ介でも朱音でもなく、権力者に振りまわされる庶民ってことかな。
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恐ろしくて、悲しくて、切ない物語。
現代を舞台とせず、江戸時代を舞台にしたことで、人間の醜さ、無力さ、弱さ、そして強さがより際立ったように思う。読みごたえのある作品だった。
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江戸時代物の怪獣小説。
文庫で670ページもあるのに飽きさせない。宮部みゆきが怪獣物を描くとこうなる、という傑作。
怪物の描写は映画を観ているよう。シンゴジラを思い出すが、もっと生臭く気持ち悪く、空気感があり現実感がある。
あ、形態変化するのは同じだなぁ。
それに2つの藩の間の秘密が絡む。その秘密自体はあまりたいしたことないし、間者がいったい何だったのかよくわからないが、登場人物を丹念に描写するのは流石。
がっかりしたくないので下手に映像化しないでほしいです。どうせ観ないけど。
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時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。永津野藩主の側近を務める曽谷弾正の妹・朱音は、村から逃げ延びた少年を助けるが、語られた真相は想像を絶するものだった…。太平の世にあっても常に争いの火種を抱える人びと。その人間が生み出した「悪」に対し、民草はいかに立ち向かうのか。
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宮部みゆきさんがホラー好きなのは存じ上げていましたが、まさかこの類のホラーを書かれるとは思いませんでした。
まだ寒さが残る春先の夜、山中の深い森を必死に走るひとりの子供の描写から始まった話は、その子供の故郷である村の謎の消滅を皮切りに、山という、平地とは異なる畏怖すべき場所を舞台に、不気味で不可思議で不安と怖気がじわりじわりと増してくるエピソードを重ね、ついに圧倒的な恐怖が正体を現します。
その恐怖と人間との戦いを主軸にしつつ、宮部さん、それだけでは終わらせません。
クライマックスで明かされる恐怖の発端の真相、ラスト近くに語られる一つの推測、自分自身もそうである人間というものに対して、いろんな感情が込み上げてきて、ただただ「うーん」と唸るしかありませんでした。
ほんま上手いなぁ。
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ドラマ化は聞いていましたが、特撮ものになる内容とは知らず驚き。文庫の解説は樋口真嗣さん。なるほど。
百足が良い仕事してましたね。
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こうした妖怪ものはバカバカしくて読む気がしないのですが、とうとう最後まで読んでしまいました。やはり作者の文章力でしょうか?
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宮部みゆきの時代小説。小藩どうしの争いと怪物を巡る悲劇。
正体不明な怪物が徐々にその姿と狂暴さを現していく様。訳もわからずひとが無惨に死んでいく様は恐怖の一言でした。
いつの時代も権力者に苦しめられるのは名もなきひとたち。オカルト的な感じもするけれど、ひとがサヨナラをしていく瞬間と言うのはやっぱり、さみしいですね。
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息つく間もなく読み終えました。
東北の2つの小藩にまたがる、とある悲劇が生み出した災い。
村が襲われたという1つの事実から、次々と視点を移しだんだんと怪物の正体が明らかになっていく様は、言いようのない恐怖ではあったものの心を掴んで離してくれませんでした。
特撮、時代物、ヒューマンドラマ…等、見る方によって、いろいろな見方ができるお話だなと思いました。
実際ドラマ化もされるようで、解説は特撮映画監督の樋口真嗣さんと言う方が執筆されています。
どんな風になるのか楽しみです。
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良くも悪くも宮部節全開の、安心して読める娯楽時代小説、というかモンスターパニックもの。ミステリー的要素もそこそこ強い。もっと重厚で、おどろおどろしく、ひねりの効いた内容を期待していたが…オーソドックスなまとめ方にちょっと拍子抜け。“騒々しい”後半より、怪物が姿を現すまでの前半の方が、流れがスムーズで緊張感もあって楽しめた。実写ドラマ化は、不安。
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巻末解説は、「シン・ゴジラ」などをてがける特撮監督の樋口真嗣。おや、NHK実写ドラマ化はこのひとが? と思ったのだけれど…読んでいくと、そうでもなさそうな…実写化の話を知らずに妄想しているのか、知ってて釘を差しているのか?
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宮部みゆきさんの時代小説。
しかしストーリーはSF的な部分も。
個人的にはゴジラを彷彿とさせられました。
時代小説という設定が怪物の恐怖感をさらに大きくさせてて、人間の無力さが伝わってくる。
現代はある程度科学で解明できる部分もあるけど、当時は信仰的な事象も多かっただろうし、そのあたりをリアルに描いている宮部さんさすがだなぁと。
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一言で素晴らしかった。本好きで良かったと思うのは、こうした作品に出会えるからである。
物語自体、飛び抜けて斬新なものではない。しかし、ひとつひとつの背景が綿密で、散らばった伏線が余韻を残しながら、回収されていくのである。この心地よさと驚きにまして、宮部みゆきならではの人物の豊かさと表情が物語に温かみをまとわりつかせる。時代小説家にはかけない、時代小説に思う。読めてよかった。そう思う。
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