紙の本
時代小説という枠を借りたファンタジー
2020/05/25 23:02
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が入り組んで、一気に集中して読まないと途中でわからなくなる気がする。その意味で、初出は新聞で連載ってことに驚く。
物語は、東北の小さな村が、ある日壊滅してしまうほどの異変が勃発という、スタートダッシュを切って始まり、いきなり読者を集中させる魅力満載。その意味でも、まとまってから読まないとイラついただろうなぁ...と。登場人物をメモしながらと、時間がまとまって使える時の読書におススメ。
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怪獣の話ではありません。
2019/03/26 14:14
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKのドラマでは怪獣をどうやって撮影したかの苦労話が出てきていたが、怪獣にまつわるお話だけではありません。複雑な歴史と人物関係が絡みあって織りなす、江戸時代の東北の小藩の物語です。
主人公の兄妹が辿った不可思議な人生を、体験してください。
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さすが宮部みゆきというしかない
2018/05/20 09:28
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆき『荒神』を読みました。
不気味な“山の神”。
それは強烈な破壊力と凶暴な殺傷力とを持つ、恐ろしい存在で、自然の脅威にも喩えられるし、兵器にも喩えられそうです。
「よかれと思い、より良き明日を望んで日々を生きる我々が、その望み故に二度と同じ間違いをせぬように、心弱い私こそが、しっかりと覚えておかねばならない」
という登場人物の言葉には、平和教育に通じるものがあると思いました。
それにしても、最初から最後まで緊迫感が緩むことはないし、登場人物は魅力的だし、いい意味の裏切りがいっぱいあるし、700ページ近い長さを感じさせない力作です。
さすが宮部みゆきというしかない。
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わくわくする
2017/07/25 08:57
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投稿者:HIRO - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部さんの本はいつもわくわくドキドキする。
主人公のラストが切ない。
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クライマックス
2017/07/17 21:35
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投稿者:フーフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
朱音様が、獣に呑み込まれ変身することは想像していましたが其の光景が頭の中であまりにも美しく、清らかに浮かび上がり心に響き思わず胸が張り裂けそうになり泣けてしまいました、又曽谷弾正を朱音様が呑み込み宗栄様たちに討ち取られる。哀しき運命、人は何かを為すために生まれて来るのでは無いか?と想わずには要られない作品でした。
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怪物の怖さも人間の狂気の描き方も、風景・情景を想像させるところも相変わらず上手い。
導入からクライマックス、オチの付け方。
どこを切り取っても「宮部みゆき」で安心して読めました。
好きな話か、というとそれはまた別なので星4つ。。。
でも、これを100分のドラマにするのは絶対無理があると思うんだけどなー。
内田有紀&平岳大の兄妹はいいとして。
しょぼいCGとかにしないでねー!
原作を読んでないと理解できないような内容にしないでね。と勝手に心配してみたりする。
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市ノ介も朱音も、ただただ不憫だ。
先祖の犯した罪を償う時のため、贄として生かされているようなものだ。
こんな人生を甘んじて受け入れられる朱音は菩薩のような人間だ。
嘆き・恨み・憎み、この人生に抗おうとした市ノ介は、ある意味人間的なのだろう。
やり方は間違っている、でも気持ちは理解できてしまう。。。私も、やはり人間なのだと実感した。
結局のところ一番の被害者は、市ノ介でも朱音でもなく、権力者に振りまわされる庶民ってことかな。
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恐ろしくて、悲しくて、切ない物語。
現代を舞台とせず、江戸時代を舞台にしたことで、人間の醜さ、無力さ、弱さ、そして強さがより際立ったように思う。読みごたえのある作品だった。
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江戸時代物の怪獣小説。
文庫で670ページもあるのに飽きさせない。宮部みゆきが怪獣物を描くとこうなる、という傑作。
怪物の描写は映画を観ているよう。シンゴジラを思い出すが、もっと生臭く気持ち悪く、空気感があり現実感がある。
あ、形態変化するのは同じだなぁ。
それに2つの藩の間の秘密が絡む。その秘密自体はあまりたいしたことないし、間者がいったい何だったのかよくわからないが、登場人物を丹念に描写するのは流石。
がっかりしたくないので下手に映像化しないでほしいです。どうせ観ないけど。
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時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。永津野藩主の側近を務める曽谷弾正の妹・朱音は、村から逃げ延びた少年を助けるが、語られた真相は想像を絶するものだった…。太平の世にあっても常に争いの火種を抱える人びと。その人間が生み出した「悪」に対し、民草はいかに立ち向かうのか。
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宮部みゆきさんがホラー好きなのは存じ上げていましたが、まさかこの類のホラーを書かれるとは思いませんでした。
まだ寒さが残る春先の夜、山中の深い森を必死に走るひとりの子供の描写から始まった話は、その子供の故郷である村の謎の消滅を皮切りに、山という、平地とは異なる畏怖すべき場所を舞台に、不気味で不可思議で不安と怖気がじわりじわりと増してくるエピソードを重ね、ついに圧倒的な恐怖が正体を現します。
その恐怖と人間との戦いを主軸にしつつ、宮部さん、それだけでは終わらせません。
クライマックスで明かされる恐怖の発端の真相、ラスト近くに語られる一つの推測、自分自身もそうである人間というものに対して、いろんな感情が込み上げてきて、ただただ「うーん」と唸るしかありませんでした。
ほんま上手いなぁ。
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ドラマ化は聞いていましたが、特撮ものになる内容とは知らず驚き。文庫の解説は樋口真嗣さん。なるほど。
百足が良い仕事してましたね。
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こうした妖怪ものはバカバカしくて読む気がしないのですが、とうとう最後まで読んでしまいました。やはり作者の文章力でしょうか?
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宮部みゆきの時代小説。小藩どうしの争いと怪物を巡る悲劇。
正体不明な怪物が徐々にその姿と狂暴さを現していく様。訳もわからずひとが無惨に死んでいく様は恐怖の一言でした。
いつの時代も権力者に苦しめられるのは名もなきひとたち。オカルト的な感じもするけれど、ひとがサヨナラをしていく瞬間と言うのはやっぱり、さみしいですね。
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息つく間もなく読み終えました。
東北の2つの小藩にまたがる、とある悲劇が生み出した災い。
村が襲われたという1つの事実から、次々と視点を移しだんだんと怪物の正体が明らかになっていく様は、言いようのない恐怖ではあったものの心を掴んで離してくれませんでした。
特撮、時代物、ヒューマンドラマ…等、見る方によって、いろいろな見方ができるお話だなと思いました。
実際ドラマ化もされるようで、解説は特撮映画監督の樋口真嗣さんと言う方が執筆されています。
どんな風になるのか楽しみです。