紙の本
小川洋子氏厳選の16短篇と彼女の解説エッセイで極上のひと時が味わえる一冊です!
2020/05/17 09:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『博士の愛した数式』、『ブラフマンの埋葬』、『ミーナの行進』など数々の素晴らしい小説をこの世に送り出し、読者の心を和ませてくれた作家、小川洋子氏が厳選した珠玉の短篇に彼女の解説エッセイが付された最上級に楽しめるアンソロジーです。同書には、川上弘美氏の「河童玉」、泉鏡花氏の「外科室」など16篇が収録されており、読者は同書と一緒に最高の時を過ごすことができると思います。ぜひ、同書の短篇で陶酔してみてください。
紙の本
待ってた!
2017/06/15 21:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待っていた文庫化。やっと読めた。小川さんのエッセイもとても心地よいけれど、やはり魅力は選出された数々の短編小説。知らない作家さんに出会える興奮。中にはすでに読んだことがあるお話もあるけれど、もう一度読むのも悪くない。川上弘美さんや梶井基次郎の話はなんど読んでもいいものだ。初お目見えでは日和聡子さんの『行方』が良かった。この世界観、空気感、小川さんに通じる。あとは最終話の『ラプンツェル未遂事件』。塔に暮らしたいなんて思ったことなかったから、驚き。そこまで外界と切り離された生活への心構え、まだないなあ。
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小川洋子さんが編集した短編集第2弾です。
こちらも面白かったです。
初読も既読もあって、色々な色の短編が収められていました。
中井英夫「牧神の春」、魚住陽子「雨の中で最初に濡れる」、小池真理子「流山寺」、武者小路実篤「空想」、日和聡子「行方」、岸本佐知子「ラプンツェル未遂事件」が特に心にひっかかりました。
特に、始めて知った日和聡子さんの物語世界は圧倒されました。ちょっと硬質で不思議な空気です。
武者小路さんと岸本さんは笑いました。武者小路さんのオチが秀逸で、わたしも涙します。
こちらも各話の後に小川さんのエッセイがあるのですが、「五人の男」の後のものがとても可愛くて好きです。
小川さんの新刊もいつも待っていますが、短編を選ばれるこのシリーズもまた出たら良いなぁと思います。
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待ちに待っていた文庫化。やっと読めた。小川さんのエッセイもとても心地よいけれど、やはり魅力は選出された数々の短編小説。知らない作家さんに出会える興奮。中にはすでに読んだことがあるお話もあるけれど、もう一度読むのも悪くない。川上弘美さんや梶井基次郎の話はなんど読んでもいいものだ。初お目見えでは日和聡子さんの『行方』が良かった。この世界観、空気感、小川さんに通じる。あとは最終話の『ラプンツェル未遂事件』。塔に暮らしたいなんて思ったことなかったから、驚き。そこまで外界と切り離された生活への心構え、まだないなあ。
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「博士の愛した数式」で有名な小川洋子さん。彼女の選んだ16人の作家さんの短篇集。ほぼ読んだことのない作家さんたちで新たな出会いが純粋に楽しかったです。
「雨の中で最初に濡れる」魚住陽子
「流山寺」小池真理子
「行方」日和聡子
この3つが印象深かったです。どれも不思議な話でたんたんと静かに進みます。これをきっかけに気になる作家さんの別の作品も読んでみたいと思いました。
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小川洋子さんの小説が好きだからと言って小川洋子さんの選出が好きだと言えるかというと、そうでもないのだなと思った。好きな人の好きなものが何でも好きになれるわけじゃないように。
小川さんはこういった小説を読んでいて、そして私が好きな小川洋子さんの世界観に昇華しているのだなと思うと楽しめた。収録されている林真理子さんの小説が好き。
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川上弘美『河童玉』★★★/葛西善蔵『遊動円木』★★/泉鏡花『外科室』★★★★★/梶井基次郎『愛撫』★★/中井英夫『牧神の春』★★★/木山捷平『逢びき』★★/魚住陽子『雨のなかで最初に濡れる』★★/井伏鱒二『鯉』★★/武田泰淳『いりみだれた散歩』★★★★/色川武大『雀』★★★★★/平岡篤頼『犯された兎』★★★★/小池真理子『流山寺』★★/
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短編集。
川上弘美の河童玉
霊験あらたかな、故障を治す聖なる石。
小池真理子の流山寺
帰ってくる夫
色川武大の雀
雀の戸籍を作っている父に、俺たちの人生よりいくらかよさそうだな、とは素敵。
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16編からなる、小川洋子編による日本人作家の短編集。
泉鏡花や井伏鱒二といった古い人たちから、川上弘美、岸本佐知子といった小川洋子と同世代の人たちまで、幅広く収録されている。
どこがどう、と具体的には示せないのだけれど、どことなく「ああ、小川洋子さんらしいセレクトだな」と思わせてくれる。
すでに知っている作品も結構あったが、初めて読む作者も数名おり、例えば魚住陽子などは他の作品もちょっと読んでみたいなぁと思わせてくれる。
あくまでもオムニバスなので、このようなカタログ的な読み方でいいのだろうな、と思っている。
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小川洋子先生のラジオで紹介されていた、雨の中で最初に濡れるを読みたくて手に取った。期待を裏切らず。この作品は割と最近のものだけど、戦後あたりの昔の短編が多い印象。このあたりの文学の良さがまだいまいちわからない未熟な自分には、河童玉や流山寺など近代のものの方が面白く読めた。でも牧神の春はかなり好き。作品ごとに書かれた小川先生の短いエッセイは想像力豊かでもう、さすが。しばらくしたらまた読んでみたい。その頃にはさらに面白く読めるようになってる気がする。
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小川洋子さんの偏愛短編箱より、見逃してしまうような魅力が詰まる陶酔短編箱。わかりやすく、これ、小川洋子さんというより、細く奥深い水脈をなぞるようにたどり着いた、小川洋子さんとの重なる陶酔、表立って言えない心情。既読のものが好きなものだから、未読なものまで既に好きであったという幻想。小川洋子さん作はもちろんのことだが、編著も大好きだ。