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マグマの活発化とその動きを短時間に凝縮するとう大胆な設定が味噌。
2019/06/26 11:25
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マグマの活発化とその動きを短時間に凝縮するとう大胆な設定が味噌。題名から地震が主役かと思ったらその原因であるマグマの活性化であり、その誘因がバベルシステムかと思ったら、政府が秘密裡に進めたCCSシステムだったなど、捻りも十分に加えられている。原因と主役(マグマ)が明らかとなった中盤以降の迫力ある展開は流石です。但し、これ程の世界的規模の超災害では日本の存続自体が危うくなるのでその辺の対応の議論が無いことや、逆に香月の個人的暴走にしか見えない煽動工作が若干物語の展開に水を差した感じが否めない。とは言え、大胆な設定と、資料を駆使した展開は刺激的であり読み応え十分でした。
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ゼロシリーズ今回は地震
2017/11/23 21:56
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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
木龍のもとに奥立という老人が現れ、今起こっている大規模災害を止めるために力を貸してほしいと言ってきた。マグマが原因らしくこのままでは東京が大変なことになると。東京湾第一発電所は、マントル層に到達した世界初の立坑50キロの深さで、600度を超える地熱の中へ取水口から海水を投入するシステム。木龍は、そのシールド技術者だった。しかし事故の責任をとり、現在高校教師をしている。事故のショックでPTSDを発症。今は落ち着いている。木龍の大学の恩師氏次から一連の災害の状況と見解を聞かされ、再び現場復帰せざるを得なくなる。何故、マグマが移動するのか、何故離れたところで噴火するのか、次第に原因らしきものが見えてくる。
土木技術で自然を相手に挑むという、有り得無さそうな、もしかしたら有りうるものかと、思わせながらのストーリー展開。映像で見てみたい。
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くわばら
2017/07/04 20:00
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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然を支配した気になりがちな人間。
現在把握している知識だけですべてを悟った気になり、さまざまな方策を展開する。
エネルギー資源に対するアプローチはその典型か。
本書は関東地方で大災害が発生するが、その引き金は人間が引いたものだった。
パニックノベルとして読み応え十分だが、それに加えて自然との関りを考えさせる1冊だ。
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よくもこんなシチュエーションを思いつく。自然が相手の話だから、どんなことでも起こりえるんだろうけど、首都圏を舞台にここまで苛烈なシチュエーションを描いている作品はあまりないんじゃないだろうか。
あと解説にも書かれてるけど極端に女性の登場がない。ガテン系でもないけど、非常に男臭い作品です。
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三作目。今回は突然の地震から、関東一帯壊滅かという、将来起きたら本当に怖い話。
常々、マントルって誰も見たことないし、地球の中心に向けて穴掘ったら人類のロマンが、、、なんて夢想してたけど、人間のエゴ以外何物でもないのかも。呆気なく飲み込まれる人々に日本どうなるの?と、映像化されたらかなり衝撃的な画になるに違いない。
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人が追い求める世界って何だろう。先を見通せない技術は何の為になるのだろう?関東がマグマに沈む!!
なぜ?? どうしたら良いのか?? 対応するのは人しかない。人を救うために取る行動に心を奪われる。この先も続く世界のために行動するそのことが美しい。
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ゼロシリーズの第三段。日本をパニックに陥れるこの手のシリーズですけど、今回は凄いことになっていました。1作目の生存者ゼロは病原菌や細菌を題材に、2作目のゼロの迎撃はテロを題材にしていますが、3作目は地震を題材にしています。
アルマゲドンや日本沈没などカタストロフィ的な流れで話が進みます。日本を救おうと自然の猛威に立ち向かう教授や政府。そして、建設会社の面々。
男ばかりの世界だけど、男同士の友情って素敵だなと思いました。
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不可思議な大規模災害が頻発する北関東。そんな折、元大手建設会社で技術者だった木龍のもとに奥立という男が現れる。すべてはマグマ活動にともなう火山性事象が原因であり、これ以上の被害を阻止すべく木龍の力を借りたいという。やがてマグマは東京へと南下していく。このままでは関東が壊滅、日本が滅んでしまう―。未曾有の危機にゼネコン技術者たちが挑む、パニックサスペンス。『生存者ゼロ』『ゼロの迎撃』に続く“ゼロ”シリーズ、最新文庫!『このミス』大賞シリーズ。
このネタなら、スケールを大きくして、上下巻にしてもよいような気もする。
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ともすれば荒唐無稽とも取られかねないテーマは壮大で、比較的科学的にも正しい描かれ方はしているんですが、なんかね、上滑りしてるんだよねぇ。理系の人の文章らしく、確からしくはあるけど、物語に深みが無い。もっと、人の心情、周辺の物語を深堀出来れば、もっといい作品になるんだと思いますが、ちょっと残念。
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29年7月21日読了。
安生正 ゼロシリーズ3作目。迫り来るマグマが、首都東京を壊滅させる。土木技術者達が、自然の猛威の中 いかにして日本を救うのか。
道定めし者は闇を恐れない。
己が積み上げてきたものを信じるからだ。
学び、考え、打ちのめされ、我々は成長してき
た。
壁にぶつかり、跳ね返されても我々は挑み続けてき
た。
技術者の誇りはどんな困難も乗り越えてしまう。
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<ゼロ>シリーズの三弾目。
今回は、地震により関東地方が絶滅の危機に瀕するかという現実感たっぷりのパニックサスペンス。
北関東から始まった大規模災害が、やがて東京に押し寄せる。
しかし、この事象は効率性ばかりを考え技術的検証をおろそかにした人類の都合で進められたプロジェクトがもたらしたもの?
それを阻止するべく開発技術者が立ち上がる。
太平洋プレート、マントル、マグマ溜まり、関東フラグメント、あるいは関東造盆地運動等々、地震関連用語が飛び交い、まるで大学の講義録を読む様。
巻末の主要参考文献の数々が、著者のこの作品に対する意気込みを伝える。
「今ここにある危機」として、首都直下地震が語られている現在、物語の中で描かれている新宿区や港区とかの惨状は、けっして絵空事とは思えない。
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ゼロシリーズ三作目。相変わらず面白かった。
関東平野の地下深くで活性化した火山活動にどう立ち向かうのか。分からない専門用語が多くても気にならないくらいその他の書き込みも多く、ほとんど休まずに読み切ってしまった。
歴代だとやっぱり生存者ゼロが一番面白かった気はする。
170828
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「ゼロ」シリーズらしい、壮大で恐ろしい話。
発端は、つまらない人間の欲とエゴ。
結果は、このまま行くと日本滅亡。
日本のみならず、アジアはもちろん全世界に
少なからぬ悪影響が予想される。
それを、最悪の事態を避けるために、
それでもかなりひでーアイディアを実行しに行く
市井のヒーローたちの物語。
主人公に感情移入すると、かなり救いのないラスト。
だが、これがこの状況下で選びうる最善の選択。
登場人物がほぼおっさんのみという、男臭い話。
いや、なかなかドキドキしながら読みました(^ ^;
が、ときどき、ちょっとリアリティの点で
いかがなものか...と思う部分も無くはない(^ ^;
例えば「新宿で地割れ噴火が起きてるのに、
首相官邸で会議してる」とかは...??(^ ^;
直線距離で5Km位しか離れてないのでは?(^ ^;
あと、小説だからでしょうが、
日本の首相が「格好良すぎる」(^ ^;
現実は、今の日本の体制だと、
すぐアメリカにお伺いを立てて、
この場合だと「見捨てられて」パニックでおしまい...
となるだろうな、と(^ ^;
それは作者のせいではありませんが(^ ^;
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もう少し未来の日本、マントルにも届くぐらいの杭を打ち地熱発電を行うシステムを開発した。その後、北関東でマグマが発生するなどの事象が起こり、技術者の主人公が国のプロジェクトメンバーによばれ、問題解決に挑むパニックモノ。
他の「ゼロ」シリーズもそう感じたが、シュチュエーション、題材、タイトルは「おお」と思い、興味を引くのだが、長い説明文やストーリー展開はいまいち牽引力にかける感。でも一番の山場では、主人公や周りの漢達の心意気にぐっとくる。
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‹内容紹介より›
不可思議な大規模災害が頻発する北関東。そんな折、元大手建設会社で技術者だった木龍のもとに奥立という男が現れる。すべてはマグマ活動にともなう火山性事象が原因であり、これ以上の被害を阻止すべく木龍の塚らを借りたいという。やがてマグマは東京へと南下していく。このままでは関東が壊滅、日本が滅んでしまうーー。未曽有の危機にゼネコン技術者たちが挑む、パニックサスペンス。
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帯にも「迫りくる巨大マグマ、東日本消滅の危機!」と大きく煽り文句が書かれており、一級品の災害パニック小説だと思います。
技術者たちの意地や矜持、その裏に潜む政治の思惑、それらが不幸な形で実を結んだとき、関東平野の直下に巨大なマグマだまりが形成されました。
都市機能の真下に潜む大地の怒りの脅威。
やがてそのマグマは火山性の地震、そして噴火へとつながり、多くの死者・行方不明者をだします。
全ての情報が開示されず、原因究明や災害予知、避難経路策定などにも困難をきたすなか、一つのアイディアが提案され、木龍に日本の未来が託されることになります。
行政側とゼネコン側の互いに依存しあっているような関係性や、災害の描写、そして災害の原因となる地質学的な部分など、とてもリアルに描かれているように感じました。読んでいてハラハラする場面が多かったです。
ただ、地学の知識がある程度ないと(もちろん、専門的な内容ではないですし、説明もなされているので、問題はないのでしょうが)、読んでいてつらい場面が出てくるかもしれません。
実際、地学の授業をロクに聞いておらず、地層や岩石の特色はおろか名前も覚えていなかったので、この災害の原因はこういうところにあるのだよ、とあかされていく場面を読んでも、いまいちピンときませんでした。
……ピンと来なくてもストーリーを理解する上では全く困りませんでしたけれど。