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【選考委員大絶賛! 第二十四回松本清張賞受賞作】明治中期、高等師範学校女子部に通う夏と咲たちは、鹿鳴館の舞踏会に招待を受ける。そこには暴徒の魔の手が忍び寄っていた……。
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女に教養は必要ない。今の時代では考えられない事です。でも、この時代は日本だけでなく欧米諸国も同じようなもの。今の時代に生きている私は当たり前過ぎて、勉強なんてやっても意味がないとか言ったこともあるけど、教育を受けられる事は幸せな事なのだと感じた。
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題材は悪くないが、ラノベのような稚拙な文体にげんなり。いっそ車夫を主人公にした方が良かった。
あとthose whoの後3人称単数?
英語に違和感
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明治中期の高等師範学校女子部で学ぶ咲と夏。
女性が学問をすることに対して圧力がある中、のびのび自由に学問を楽しむ咲と常識にとらわれてしまう夏。
学校の講堂での舞踏会の日の爆弾騒ぎから一気に物語は緊張感が増し、ミステリ色が強くなっていきます。
犯人は、目的は、咲や夏は大丈夫なのか。
明治の著名人が多数登場し、リアリティにあふれた物語は鹿鳴館で終結を見ます。最後は緊張の連続です。
巻末の参考資料を見れば、作者が念入りな下調べをした歴史の中に物語を描いていることがわかると思います。
明治の雰囲気を味わうとともに、ミステリを味わえるお勧めの一作です。
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歴史で一番苦手だった近代、明治初期が舞台なのに、こんなに面白い時代だったのか、もっと知りたいと思えるようになりました。
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彼女たちの時代を切り拓いていこうとしている感じや学ぶことが好きって気持ちきらきら眩しかったです。こういう先駆者がいたから私たちは不自由なく勉強ができていたんだなと思いました。大学時代もっと勉強すれば良かった…明治時代の女性の口調が丁寧で好きですが、それも今自由に好きな言葉を使えているからこそなのかもしれないです。
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大河ドラマ「八重の桜」に出てきた八重ちゃんの
親戚筋がいる!そんなミーハーな興味から読み進めると
いやはや、とんでもない事であった。
あの鹿鳴館を舞台に切ない思いを抱えた青年や女学生が
それぞれの立場で任務を全うしようとしている。
誰かに進めたくなる一冊。
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明治初期の女子教育と井上馨の暗殺に唐人お吉の悲哀を軸に,高等師範学校と鹿鳴館の爆弾事件を絡めて料理している,咲と夏の友情も微笑ましく.この事件を通じて二人が使命感に燃えて自立する姿が,いかにも明治初期の先頭を行く女性という感じだ.
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これは青春キャピキャピの明治時代の乙女たちの物語ではない。
作者の主観があるとは言え実在の歴史上の人物が
小説の中でその時代を彼らなりに生き抜いていく。
明治という時代の空気感がよく伝わってくる。
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第24回松本清張賞受賞作。
タイトルが示すとおり、
明治になったばかりの「鹿鳴館時代の」日本が舞台だ。
御茶ノ水にある高等師範学校女子部(通称・女高師)。
女教師を夢見て勉学に励んでいる寄宿舎暮らしの女学生たちがいた。
野原咲、駒井夏、小澤キン、先輩後輩はあるが、
賢く美しい17歳から21歳の女学生たちだった。
明治21年のこと。
文部大臣・森有礼が女高師の講堂で主催した舞踏会の最中に
爆破物事件がおこる。
咲と夏は事件がおこる少し前に一人の人力車夫を見かけていた。
西洋人のように彫りの深い顔立ちで、
灰色がかかった藍色の瞳を持つ柿崎久蔵だった。
久蔵は遊女と暗殺された外国人通訳者との間に生まれた子供だ。
両親とも早くに亡くし、知り合いの女性の元で育てられた久蔵だが、
実は、久蔵と咲は幼少の頃に元町で出会っていたのだ。
咲は当時幼かったので久蔵のことは分からなかったが、久蔵は分かり、
咲たちにそれとなく部屋の中にいるように告げていた。
そして起こった爆破事件。
咲は久蔵のことが気にかかり、彼のことを調べ始める。
ハーフの車夫の生い立ちを知るにつれてわかるのは
当時の日本の赤裸々な庶民の生活事情だった。
生きるために外人相手の遊女や芸者をすれば
「らしゃめん」と呼ばれて、蔑まれる女性たち。
勉強をしたくて女高師で学んでも
「生意気な女になったのは学問をしたからだ」と陰口をいわれる現実。
謎めいた爆破事件の真実がわかったあと、
咲も夏も、女性への偏見を覆すべき、大活躍をする。
女性の力を認めてもらえない悔しさをばねにして
後の世の女性たちの教育の道しるべを生む出した
咲や夏の真の強さに感心した。
ハーフの久蔵の人生も
この時代特有のもののような気がして、切なくなる。
鹿鳴館時代とは、華々しい印象の影に
このような悩みも苦しみもあった時代なのだと悟る作品だ。
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森有礼、唐人お吉、伊藤博文ら実在の人物を脇役にして、虚構の人物で、史実を元に創作した小説。構成は、良くできている。しかし、内容は漫画だ。漫画を貶めて言うのではなく、漫画の方がこの物語を魅力的に描けただろうということ。
聡明で運動神経も良い、日本人離れした長身の美女と日本人らしい美人のペア主人公に、いわくありげな白人とのハーフの美青年だもん。しかもクライマックスは鹿鳴館の舞踏会。映像だと、あり得ないほどの美男美女はキャスティングが難しいし、鹿鳴館を再現するのは制作費がないと悲惨なことになるから、やっぱり漫画。私の中では大和和紀でしたね。というか、これ大和和紀の漫画じゃないの?っていうくらい大和和紀的な作品。池田理代子とかはもうちょい悲壮感あるけど、適度にコミカルなシーンもあり、基調は明るいところが、大和和紀なんですよ。
もうちょい久蔵と咲の恋愛シーンがあれば、言うことなかった。少女漫画としては。昭和の少女漫画ね。
わざわざ小説で読まなくても良かった気もするけど、漫画化されてないので仕方ない、というのが感想です。
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維新の元勲がチラホラと実名で登場。鹿鳴館時代に彩りを添えた女学生の群像劇。先ず設定が面白い。この時代の彼女たちを描いた小説は少ないだろう。しかもミステリーだ。
設定は新鮮だがミステリー部分は弱い。
其処だけ残念。
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めちゃめちゃおもしろかった!実在の人物もたくさん出てきて、まるで大河ドラマを観ているようでした。この時代すきだからわくわくしながら読んだ!鹿鳴館時代は胸がときめく!
実在のアイドルを題材にしたって聞いていろいろ調べたら、キャラクターの性格もエピソードも盛り込んでいてファンにはたまらないだろうなあと思いました。
この学校がアイドルの事務所だと例えると、学問をする理由=アイドルを続ける理由で、それはただ楽しいからって人もいればこれしかないから必死に追いつこうとしてる、って子もいるというのが胸にきました。結局外国との交渉の道具になってしまう女性の学問は、今のアイドルたちを象徴しているのかなあと思います。純粋に、自分のためにアイドルをしてほしいなあ。
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こんなに面白そうな内容なのにとってもつまらない。主人公も大した活躍しないし、脇役も歯がゆい。時代的に女性が出しゃばれないのは解るが、もっと胸のすく活躍を期待してたんだけど。不愉快な男性は懲らしめられるでもやり込められるでもなく不愉快なままで終わるし、何だかスッとしない。たぶん帯と表紙のせいで自分が期待する方向が間違ったんだろうけど、これが松本清張賞って、そんなんでええのか。 ところで斎藤一が出てることに最後の最後で気づいた。
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明治21年。東京・御茶ノ水の高等師範学校女子部の女学生二人を主人公に据えた物語。
松本清張賞受賞作ということですが、全体としてミステリ風味は薄く、当時の時代風俗を綿密に描きつつ大河ドラマ的な群像劇を描いたエンタメ作品でした。
鹿鳴館のアレなど、芥川龍之介の「舞踏会」を思い出しましたね。(「舞踏会」は面白いのでこの本が気に入った人はぜひ読んでみて下さい。短い作品です)
登場人物やネタも史実がいっぱい。森有礼、伊藤博文、はては藤田姓の刑事が出てきて、ああこれは斉藤一だな…と判る人だけニヤリとさせるところや、萬世橋をわざわざ「よろずよばし」とフリガナを振ってる辺りなど、細部へのこだわりは感じられました。残念なのは群像劇になりすぎて、主人公の魅力が散漫な印象になっちゃったところかなー。