投稿元:
レビューを見る
作中の「リズと青い鳥」にの展開になぞらえてみえてくる希美とみぞれの関係性であったり、技術と継続力・才能の部分をどうやって今後の将来に示すかを高校生活の流れに沿って描写していく。
中川・吉川の部長副部長コンビでは技術論よりも人の輪を重視した運営。
終盤になって出てきた久美子・塚本・高坂の部活首脳陣がどうなるかが期待できる引きになっている。
次の話を見据えての引きを作るのが上手くなったと同時に次回まで見ないと楽しめないようなモヤモヤした感覚も。
久美子と秀一の恋愛やあすかの連絡先の書かれた絵葉書、夢や求なんかの結末に対しては次回を読まない限り中途半端な感覚を受けざるを得ないし、続刊が出ないというパターンになったという場合もそれなりに見てきているので続きが出ることを祈りたい。
希美とみぞれ、この2人の関係性においてどちらが青い鳥でどちらがリズかという面も含めてが話の中で見えてくるが、一つ気になったこととしては希美の演奏技術的な部分で、希美自身の技量はおそらく大したことのない、と本人が自覚するに至った要素として、新山先生からの誘いがみぞれだけであったり練習にひたすら打ち込み続ける姿勢が自身には無いことだったが、本人が諦めるということより客観的な技量が見えてこなかったのが少し不満だった。
もちろん本人の性格が起因した部分であるために、合宿で決定的な違いを自身が受けることで決別してしまうという点では十分説得性はあるが、どこかこの人物はどの程度の実力が作中にあったのかわからなくなった。社会人の楽団にいた時からみるとどういう伸びしろをたどっていたのかは気になった。
久美子に関してははっきりと人の姿勢に対して「それはない」と言えたり、指導側としてのポジションだったり強さが成長として見える話だったと同時に、塚本との関係がモヤモヤし過ぎたかそれを巡っての話になる。
夢の口調というか会話のトーンは何となく早口でいいそうなこのキャラだけ現実でもいそうという意味でリアル感のある性格。
続編につながる展開をある意味終盤にあえて用意してポンと終わらせているので、そういう意味で次巻以降への期待も。
追記
この作品は全体的に拒絶を肯定する物語であり、別れというリズの家から解き放たれた人(主に卒業した先輩であったり久美子の姉、別れを経験した新山先生)は幸福を手に入れており、その先をうまく見えるように提示しつつも希美とみぞれの拒絶、久美子と秀一の拒絶を畫く話だった。
全体的には損失の感覚を受けるし、大会の結果も目減りしつつ反省点では人間関係の修復に課題をあてていたという告白めいた終わり方をしていたのかもしれない。
だからこその次に対しての期待へ先走りと、今回これらの登場人物が心に抱えた別離の部分を受け入れやすいような受け入れきれないような部分があったのかも。
投稿元:
レビューを見る
2018/8 12冊目(2018年通算125冊目)。タイトルに「波乱」とあったので、どんなものかと思いきや、「そう来ましたか」という感じ。改めて、全国大会へ行くということの厳しさを思い知らされたという読了後の感想です。決して手を抜いていたわけではないのだけど、他の学校も宇治北に負けないぐらい練習をしているのだから、その中で全国大会に出続けるというのは並大抵ではないということなのかなと読んでいて思いました。新体制となって、今度は念願がかなうのか?。続編が出たらまた読んでいきたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
まさに波乱の第二楽章。希美とみぞれの関係が想像していた形と全然違っていて、最後も切ない気持ちになった。これで終わりではなく、二人の関係がこれから変化してくれることを願わずにはいられない。「リズと青い鳥」になぞらえて二人の関係性を考えてしまうが、それだとうまく消化できない終わり方だった。
そして関西大会演奏まえの夏紀の言葉が胸を刺す。小説でうるっときたのは久しぶりだった。一年目以上を目指した二年目が終わったが、いろいろと気になることが残っている。三年生編が待ちきれない!
投稿元:
レビューを見る
〉切なさに満ちたオーボエの調べが、周囲の演奏をかき消した。音量が大きいわけではない。それなのに、周りの音が聞こえない。かけ合いをしているはずのフルートの音が、いつの間にか途切れていた。
これで終わりかと思ったらもう一冊短編集出たらしい。
本編ももう少し続けたい終わり方かな?
リズと青い鳥の関係性が逆転するのは腑に落ちる感じがして良かった。でもメインテーマのみぞれ希美の関係性が決着しないのはややもやもやが残る。大好きのハグで本音を全て交換は出来なかったよね。そのへんは映画でどう演出するのかも楽しみ。
トランペット1年生の葛藤と成長は、読みながら応援してしまった。頑張ることができて良かった。
YouTubeで実際の演奏を聞きながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
私は最後まで、久美子のことを好きにはなれなかった。
映画「リズと青い鳥」を見て感動し、この原作を読んだわけだが、あの映画はあくまでスピンオフであり正直に言えばこれでは物足りないと感じた。
傘木希美と鎧塚みぞれの関係がもっと見たかったが、どうにも私には久美子の存在が邪魔に思えて仕方なかった。
そこだけはどうしても、ごまかすことはできなかった。
投稿元:
レビューを見る
ユーフォシリーズ本編(『ユーフォ』、②③、第二楽章前後編)を全部読んで。
音大を卒業してプロのオーボエ奏者になった鎧塚みぞれ先輩がアウト×デラックスに出演、
マツコ「中学、高校の吹奏楽部時代には、ずっとひとりのお友だちのために吹いてたらしたってうかがったんですけど」
みぞれ「今でもそうです」
マツコ「え、でもそれって恋愛感情とかじゃ・・・」
ここでモーツァルトの交響曲25番のあの不穏なメロディーが流れはじめ、
みぞれ「じゃなくて。オーボエは希美なんです」
矢部「アウトォォォーッ(-_-;)」
・・・てなことになったら楽しいな、と妄想しました。
投稿元:
レビューを見る
パラパラしていた一年生達も馴染みいざコンクールや合宿へ。皆で行くプール、緊張しいで極度の自虐に走る夢、みぞれに対する希美の進路等に関する明るさの裏の陰り、独り立ち、久美子の決断等。予想を避けたくなる一体感。みぞれの実力の解放が凄まじすぎて演奏に泣きそうになった。あすかと香織の指輪とか変わらないなあ。
投稿元:
レビューを見る
中学の時に吹奏楽をやっていたせいで、このシリーズを読むと中学のころを思い出す。すっかり忘れていたけれど、休み前の練習後、大掃除でワックスがけとかやってた気がする。去年の水着が入らないかもってのは男性作家では気づきにくい視点かも。友達の、彼氏との予定を気遣いつつ、予定がなければ一緒に行動したいというのは女子らしい。アニメ化すると、小説で後から登場してくる人物の描写がビジュアルとズレたりしないんだろかと心配になった。最後の方のページ数から考えてやっぱり予想通りの結末に。残りのページ数が分からなければ、いろいろな可能性が想像できただろうに。紙の本であるがゆえの宿命かな。
投稿元:
レビューを見る
青春ものっていいなあ。皆が少しずつ成長していくのを追うことができるのって楽しい。2年生編も終わり、ついにかつての1年生が最上級生に。漫画キャプテンを読んでるようだ。
投稿元:
レビューを見る
第二楽章も相変わらず、トラブルエンカウンター・黄前久美子が部内の厄介事(主に人間関係)に振り回されながら、人たらし力でフォローしつつ合奏コンクールに挑んでいる。ちょっとストーリー展開が枠にはまりつつあるのかと思いきや、人の数だけ人生があるを体現するごとく、個性豊かなキャラクター同士の掛け合いと絡み合いが、豊かなドラマを生み出してくれるので面白さは減速しない。
久美子が直接関わることが増えたせいか、トラブルの数はめまぐるしかった気もするけど、蓋を開けてみれば第一楽章より規模は小さいものなのかしら? なんて思っていたから、コンクールの結果でオチが付く。さらに、久美子がトラブルに関わる頻度が増えていた経緯こそが、続く第三楽章への伏線になっていて期待も高まる。
気持ち、見た目の設定がアニメに寄ってる気がするのは、作者の人がきっと京アニの「響け!ユーフォニアム」を好意的に見てくれているからだと思っている。
投稿元:
レビューを見る
映画で筋書きはわかっているのに、読んでいるうちに涙が止まらなくなりました。
原作はより人物描写が丁寧で、わかりやすく感じました。
映画を待つか原作を先に読むか悩むところです。
投稿元:
レビューを見る
『2017年 10月 19日 第1刷 発行』版、読了。
シリーズ二年生編の後編です。
府大会以降のエピソードからはじまり、主人公の久美子の高校二年生が終わる直前までを描いた内容です。
内容の濃い一冊でした。
前編できざしのあった、みぞれ&希美エピソードや新一年生ズのいくつもの伏線、そして三年生たちのそれぞれの思いなどが描かれて……読み応え十分でした!
圧巻だったのは、やはり新山先生の助言を参考にした、みぞれの「リズと青い鳥」のオーボエソロの場面です!
すさまじい……。その卓越した演奏に誰もが驚愕して、打ち震え、涙する部員まで現れ……。顧問の滝先生ですら、急遽、休憩をはさみ、そして、演奏アレンジを余儀なくせざるをえないというその「音」を聞いてみたいと思わせた描写は見事でした!
また、前編では二人のOGが応援にかけつけましたが、後半では、登場してほしかったであろう「あの二人」も応援にかけつけて「おお!」と思ったものです☆
自分は劇場版アニメの『誓いのフィナーレ』を鑑賞しましたが『リズと青い鳥』は未鑑賞だったので、本作のみぞれ&希美エピソードにクローズアップした劇場版での内容がいかほどのものか存じませんが……TVシリーズとしてじっくりと見てみたい衝動にかられました。
もちろん、久美子がいてこその、それぞれの成長であり群像劇です☆ 見せ場も多かったのですが、麗奈に関しては少しすくない気がしました。むしろ優子&夏紀の両先輩、そして緑輝が目立っていいキャラに成長したなあ、と。
そして……。
久美子一年生編から、ここまで読了して……おそらく次巻では、上級生だった先輩たちがみんな卒業して、久美子(たち)が最上級生として最後の高校生活を迎えて、どんな結末が待っているのか……!
引き続き、読まずにはいられない、まさに波乱の二年生編でした!
投稿元:
レビューを見る
うーん、青春(笑)。これを読んでたから、子供の学校の吹奏楽部は2年で引退って聞いてびっくりしちゃった。2年は全国にも行けない結末だったのかぁ。関西全体で3校って厳しいよね。野球とかと違って判断があいまいだしなぁ。なんか、れいなと久美子がレズっぽいよね。みぞれちゃん音大でがんばれ!
投稿元:
レビューを見る
久美子2年生の後編。
劇場版の後半部分のお話。
映画で見るより、優子や夏希の良さやみぞれと希美の関係性など細やかに描かれててよかった。 秀一との関係や久美子自身の心意気を感じるこのシリーズでも秀逸な一品です。
あすか先輩の百合的描写は必要だったのかとちょっと疑問・ 。
投稿元:
レビューを見る
誓いのフィナーレではあまり描かれなかった加部ちゃん先輩の活躍が感動的。
全国へ行けなくて傷心していた部員たちに、優子先輩・加部ちゃんが言う終盤の台詞。久美子たち新3年生&2年生に、力強い後押しをしてくれたと思う。
最終楽章で、北宇治は全国大会金賞に輝けるのか?読むのが楽しみだ。