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東大中退という経歴に恥じない冷静な筆致、みずからは熱狂することなく熱狂の歴史を感じ坦々と辿る。この一冊を読むだけで近年のラップの歴史が網羅できる。
バトルの分析が必要的確で理性的。そしてバトルの分析を通して時代を見つめている。冷徹な視線の中に、ヒップホップへの愛を感じる。
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ダースライダーさんは東大出身と知っていたけど、ここまでRAPに対して博識な解説を入れる人はいないだろうというぐらい、一つ一つのバトルに対して非常に丁寧に説明してくれてます。
後は今のバトルは大抵Youtubeとかで見ればわかりますが、昔のバトルは全然僕らの世代では見れないし、聞ける人も少ないのでこういう本で知り得るのは大変勉強になりました。
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やっぱりダースレイダーは地頭がいいんだろうな。
文章が読みやすい。
自分も90年代をいいと思うことは多いが、やっぱり前に進化していくヒップホップも見たい。
フリースタイルは自分には絶対できない超人技だと思っている。
バカにする人達もいるけど、ヒップホップは幅広く、落ち着く曲も上がる曲も、ほんとに色々あって奥が深いわ。
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今まで素人目にフリースタイルダンジョンを観て、やれあのフロウが、あのコンプラが、と語っていたのですが、この本を読んでそれぞれのラッパーの背負っているもの、スタンスの違いなど学ぶことができ、視野が広がりました。複雑な概念に切り込んでいる割に読みやすく、一気に読んでしまいました。
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"MCバトル"が何倍も面白くなる本。
僕自身は去年ぐらいからMCバトルにハマりました。
最初はただただかっこいいラップを見ていましたが、そのMC達、さらにはそのMCバトルの歴史についても知りたくなりました。
MCバトルだけを見ても十分楽しめますが、そのバックボーン、歴史、彼らの境遇などを知れば、そこに出てくる"言葉"の感じ方が大きく変わります。
また、これからのヒップホップがどのように変化していくのかも楽しみです。
言葉とはその字面以上に大きな意味を持っています。
その意味に気づくだけで世界はもっと明るく見えるんじゃないでしょうか。
ヒップホップに幸あれ!!
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とくに、MCバトル見始めの方に。
これを読むと観客投票で勝敗を決めるシステムやMCバトルのがハイコンテキストさに気づけ、過去に聴いた楽曲やバトルを見返すと再発見できる良書。
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Kindleでたたき売りされていたので読んだ。フリースタイルダンジョンに端を発してMCバトルが大流行し、1つのカルチャーとして成立した今読むと隔世の感があった。著者の主観とはいうもののど真ん中にいた人なので相当網羅されていて勉強になった。特にUMB初期の情報はインターネット黎明期でアーカイブされている情報はかなり少ない中、このように書籍化されたことは大変ありがたい。
KREVAマニアックスとしては、MCバトルにおける彼のスタイルの栄枯盛衰についてかなり詳細に語られているだけで読む価値十分にあると思う。音楽としてのスタイルとMCバトルのスタイルの比較でなぜ彼がフリースタイルバトルを辞めたのか、今もやらない理由がよく分かった。
その後のMCバトルの発展を担った般若と漢の存在の大きさもよく理解できた。彼らはラッパーとしてのアティチュードにこだわりながらバトルに挑んでいるので音源と地続きにいることができた。しかし、バトルシーンが大きくなるにつれて、そこにGAPのあるラッパーが登場して、バトル自体が単なる勝ち負けの競技化していくし、バトルで何を言ってもよい空気になっていく。こういう変化があったことを頭で理解できていたけど、史実ベースで丁寧に解説してくれているのがありがたかった。(ところどころ紫煙ならぬ私怨を燃やしているところがダースレイダーっぽい)
何よりも最高だったのは表紙にも使われているISSUGI vs T-Pabrowのバトル解説。MCバトルそんなに追っかけていないけど、このバトルだけは事あるごとに見返す最高のバトル。何が最高かってお互いのヒップホップイズムを賭けた戦いだから。単純に韻の数、フロウの巧みさだけでは評価できない空気が醸成されていて、どちらも間違っていないし、それぞれかっこいい。2人とも身の丈に合わないハンパなことは言わないし、えぐいラインが両方からバンバン出てくる。こういうバトルが見れるなら、まだまだMCバトルは見たいと思える。
タイトルが肝であくまでMCバトル史は補助輪であり、直結している日本のヒップホップとの関係性に各章で必ず目配せしている。MCバトルが巨大産業となり音源で構成されるシーンとは別のファンダムが形成されるのに対して筆者がなんとかしてヒップホップという1つのファンダムにしたい意思を強く感じた。(実際、著者がコミットしていたKing of kingsという大会は、その分断に橋をかけようとする試みの1つ)なんだかんだ言ってているものの、やっぱりフリースタイルバトルは新しいラッパーの登竜門であることを歴史が証明しているので、今後もなるべくウォッチしたいなと思えた1冊。