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なんて素敵な家族だろう。
理由なんて、ないものの方が強いのかもしれない。
その後も、彼らが家族として過ごしていてくれていたたらいいな。
お父さんもお母さんも、兄弟みんなも、とても愛しい!
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面白いしさくさく読める。温かくて優しい物語だけど、意外な驚きや胸に突き刺さるようなところは、、なかったかもしれない。
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デビュー作と読後に知り、今後チェックすべき作者が一人増えた気がする。
天盆(将棋ような?)が人々の娯楽でもあり、また政を司る人を選ぶ科挙制度を持つ時代、一人の童が歴史に挑む。
凡天の家族はなんて素敵なんだろう。物語の終わり方には寂しさも感じるが、どこか空の下で、家族揃ってまた百楽門食堂を開いていて欲しい。
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「天盆」という名の(将棋に似た?)盤戯。幼い頃、天盆に魅せられた凡天。彼は 大好き という気持ち一つで強くなっていく。父と母、十二人の兄弟たちのことも大好きな彼は貧しいけれども幸せな家族の中にいる。父母の覚悟、兄弟の思いやりも美しい。
強い凡天を見て思い浮かべるのは中学生でプロ棋士になった彼ですね。やっぱり
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万民が熱狂する伝統の盤戯「天盆」。家族の想いを背負い、歴史に挑む十歳の少年の神手が、国の運命を大きく変える。圧倒的疾走感で描く放熱ファンタジー!
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独特の言い回しなんで、好みが分かれる気もする。自分のイメージは石川啄木。あくまで個人の感想です。
この言い回しから繰り出される言葉の数々がなかなかに強力で、いちいちうまい感じで出てくるもんだから、もう、ね。個人的には小勇を子供らが助けに行って暴動が起きる下りが強烈だった。映像無しでここまでやるのは相当やで。
しかし傍から見れば娯楽にうつつを抜かしてる間に国が亡びるんだから、ろくでもない。
でもそれが良い。
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面白かったです。
H×Hを彷彿とさせられました。
なんとなく天地明察も。
家族の絆の物語と天盆を究める物語。
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『青の数学』から作者の原点である本作を読了。
人物の心情の機微を描くのが非常に上手いと改めて思う。本作では、主人公の凡天よりも兄の二秀と十偉が印象に残った。二秀は才能があるものの、頂点には届かない、非常に我々に近い人間らしさを持ち合わせて、その中で「勝つとは何か」に苦悩し、自らの向かう道を見つけていく。十偉は兄妹に比べて劣っていることに苛立ち反発を見せるも、家族の意味を知り、衆駒としての役割を自覚する。
「すべての駒に、意味がある」
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面白かったです。盤戯「天盆」を制した人が国政を取り仕切る蓋という国で、平民の末っ子・凡天が勝ち進んでいく。
国政を取り仕切れると言っても、何年も為政者に平民出の人はいなくて形骸化してるし、蓋は他国の侵略に常にさらされてる。社会の格差も大きい。
名声や権力のために天盆へ挑む人がほとんどの中、ただ「天盆が楽しい」だけの凡天に敵う人はいないと思いました。無欲は強いし、上達するには好きでいることです。
全ての人を破って頂点に立った凡天の姿は蓋の人々の力になっただろうけど、その為に他国から全力で攻撃されて滅ぼされるとはなんとも皮肉。精一杯生ききったんだろうな。
おすすめされた、初読みの作家さんでした。他の作品も読みたいです。
天盆のイメージは、将棋やチェスより、HUNTER×HUNTERでメルエムとコムギがやってた軍儀です。
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かつてどこかにあった国「蓋」。そこでは盤技「天盆」を制するものが国を動かす。天盆に魅入られた少年凡天が、歴史を変える天盆に挑む。
天盆とは将棋に似た架空の遊戯。しかしその大会で勝ち進んだものは、政治の世界での立身出世が約束されているという。その設定からして面白いのです。天盆の細かいルールーは書かれていません。しかし駒が盤上を動き、相手を攻め牽制し駆け引きが行なわれ勝敗を決する、その様子が活き活きと描写され手に汗を握ります。
これはもう表現力の勝利でしょう。具体的でない描写で、盛り上がりだけを見せる。しかしその反面、具体性だけでキャラクターを書き分けることもするのです。
主人公凡天は13人きょうだいの末っ子。兄姉が12人もいる訳ですが、それらの人々は登場して一言二言話すだけでキャラクターが掴め、それぞれが活き活きと動き回るのです。
そのため主人公なのにほとんど語らず心の内も明かさない凡天が浮き立つのです。取り憑かれたかのように、ただ天盆のみに興味を示す。天盆を打つこと以外は何もせず、何もできない。そんな一途さのみが凡天を表わすのです。
天盆しかなかった少年が人々を動かし歴史を動かします。しかし凡天とそれを取り巻く人々の動きは、大きな歴史の濁流に飲み込まれていきます。そして迎える終焉。歴史の中で生きた人々の強い思いが光り輝き、記憶に留まるのでしょう。
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将棋のような盤戯、天盆。平民であれどこの盤戯ひとつで国を動かす地位につける可能性がある。
頂点を目指す彼らは、ただの私欲のものもある。地位そのものが欲しいのではなく、地位に着くことで得られるこの腐敗した国を変える力が欲しいものもある。思惑はそれぞれ。
凡天はただこの盤戯を楽しみ夢中になり追究するのだが、いつしか家族の希望となり平民たちの希望となってゆく。
実際将棋で、終局が見えて尚くつがえせるものなのかはわからないけれど
、諦めない気持ちの熱さを感じた。
全員血の繋がりがない、それがなんだと母は言う。これを心底すごいと思った。
このところ家族ってなにかね?と考えさせられる本によく出会う。
「流浪の月」「52ヘルツのくじらたち」
家族のかたちはそれぞれ、血縁に拘らず、モヤモヤせず家族だと言える繋がりが誰にもありますように。