紙の本
トータルフットボールの歴史を追う一冊
2021/12/04 08:12
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
サッカー戦術クロニクルから早10年。その間にもサッカーの戦術は変化していき、本書刊行時点での1つのゴールであったティキ・タカの源流となっているトータルフットボールの元なるマジックマージャルから、リベロを置いた戦術とオランダのトータルフットボールへ、ジーコやプラティニが活躍した10番の時代から、プレッシングへ、プレッシングを回避するボゼッションが進化してプレッシングとポゼッションが融合したティキ・タカへと推移していたのが分かる。これらの戦術の代表的なチームや選手のエピソードが面白い。
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西部さんによる、POPな語り口によるトータルフットボール進化史。物事を知るのも、語るのも楽しい!と思える読書体験。ここを抑えると、サッカーに纏わるあれこれをより楽しめるようになるはず!
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10年ぶりに改訂された、サッカー戦術クロニクル。前書は2冊分冊で面白かったが、今回は、前著では最後に出てきた伝道師「ジミー・ホーガン」が最初から出てくるなど、ほぼ時系列な点は読みやすいかもしれない。
カテナチオ → トータルフットボール → ナンバー10 → プレッシングとドリームチーム → ティキタカ という流れはなかなか楽しかった。
戦術史の「偽9番」が繰り返されることや、クライフが捲いた種をベッブが、「ポゼッション」と「プレッシング」で花を咲かせるなどは非常に興味深い。
とにかく戦術に興味がある人、戦術史には興味がある人には、一読の価値があると思う。
Chapter1 トータルフットボールの現在
Chapter2 伝道師
Chapter3 ラ・マキナとマジック・マージャル
Chapter4 ブラジルとレアル・マドリー
Chapter5 カテナチオからトータルフットボールへ
Chapter6 オランダのトータルフットボール
Chapter7 ナンバー10の時代
Chapter8 プレッシングとドリームチーム
Chapter9 ティキ・タカ
Chapter10 フットボールの未来
エピローグ クライフが遺したもの
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「サッカー戦術クロニクル ゼロ トータルフットボールの源流と未来」西部謙司。カンゼン。2017年。
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2019年5月に読了。
この本とは直接の関係は無いのですが、リバプールFCのファンです。そういう人は日本にも数多くいると思いますが、2005年5月25日にイスタンブールで行われたUEFAチャンピオンズリーグの決勝、リバプール対ミラン戦をテレビ生中継で観戦して以来のファンです。スティーブン・ジェラード世代です。
同日、広島県の片田舎の町で仕事していて、仕事の都合でド早朝(というか深夜)に起床しました。
宿の都合で無駄に贅沢なリゾート系のホテルで、偶然、欧州サッカー好きの同僚と相部屋。僕も欧州サッカーはそこそこ好きだったので、朝の身支度をしながら、決勝をテレビ観戦。当時はフジテレビで地上波無料で中継していました。
後半開始からだったんですが、つけたら、リバプールの応援歌”you'll never walk alone”が、トルコの地なのに大合唱が起こっていました。リバプールが勝っているのかと思いきや、0-3で負けていました。サッカーの、このレベルの決勝で0-3は絶望的です。ボロ負けです。
「なーんだ」と思ってながら見していたら、なんと54分,56分,60分と怒濤の反撃で同点に。ジェラードを先頭にしたこの鬼気迫る6分間に、胸打たれて恋に落ちました(笑)。
ただ、そこで走りすぎたのか、その後は劣勢に。仕事の出発の時間が迫っていたのですが、試合は延長戦に。同僚と一瞬で話がまとまり、別の仕事仲間に「ちょっと××で●●があって、小一時間遅れる」と大嘘を(誓って言いますが、そんな背徳的行為は人生でこのときだけです)。
延長戦は、交代枠も使い切って、リバプールの選手たちはばたばたと足が攣り、足が攣ったまま泣きそうになりながら守備に奔走。攻撃的な中心だったジェラードがなぜかサイドバックになって、交代で入った元気いっぱいのミランのセルジーニョと対面。ミランは明らかにセルジーニョにボールを集めてサイドから突破を試みますが、急増サイドバックで足が攣りかけているはずのジェラードが、1対1をことごとく制して守り抜きます。(このサイドバックとしてのプレーが、ジェラードのいちばん感動的な瞬間だったと思います)
それでも何回も崩され、そのたびになぜかバロンドーラーのシェフチェンコのシュートを無名2流のGKデュデクがストップ。信じがたい光景の末、PK戦で優勝・・・。
何が言いたいかというと、明らかに相手より戦力は弱かったんです。
以来、リバプールファンなのですが、基本的にずっと、パっとしません。強豪ではあるけれど、「古豪」との境界線を彷徨うような状態でビッグタイトルとは無縁。そんなこんなで15年くらい見ていたのですが。
サッカー通の方なら語るも無用ですが、昨年から強いんです。
今シーズンはなんとリーグ戦でここまで無敗。わずか1分けで、あとは全勝。独走中で、なんと30年ぶりのリーグ優勝がもはや目前・・・。
で、何が言いたいかと言うと、強すぎて不安・・・。
大きな不吉なことが起こるのでは無いかと・・・。
そういう人は日本にも数多くいると思いますが。
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この本については、タバコを吸うように気分転換にふむふむっと読んで、「ま、あまり新味は無かったけど楽しめた」という感想。
内容はほぼ、覚えていません。