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読み終わってしまった〜
ヴァンの民族の『独角』という生き方も『鹿の王』の言い伝えがあるからこそ 許された生き方なんだろうな
生きる死ぬを 国 民族 個人 から 細菌まで いろんな角度から その営みを繰り返し語る物語でした
ああ もう少し この世界に浸っていたかった〜
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いやー、面白かった!文句なしに面白かった!そして遂にというかなんというか、読み終わってしまったなぁ…明日からはヴァンやサエ、ユナちゃに会えないのかと思うと淋しいなぁ。あ、あとマコウカンも何気にお気に入りキャラだったなぁ。
こんな感じで登場人物が皆魅力的なのは言わずもがな、どことなく東洋と中東を思わせる文化と西洋的な要素もちりばめられたモザイク的な世界がすばらしい。舞台となる東乎瑠、アカファ、オタワルといった国々がファンタジーの中の世界でありながら、きちんと地に足のついた実体感のある存在だったのが良かったなぁ。
この作品、もし映像化するなら実写じゃなくてアニメでお願いしたいな。
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「鹿の王」の真の意味に心が震える。アカファの王は、その他の国の王たちは「王」たれるのか?最後の最後まで入り組んだ人の思惑と事情に気を抜けなかった。そういうしがらみから生きている限りヴァン達も誰も、これからも抜け出せないのだろうが、皆、生きる喜びと共に命を燃やして生きて欲しいと願う。
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面白かった!!もう本当に面白かった!!
先が気になるため、スラスラ読んでしまう半面、矛盾してるけど、終わってほしくない感情が半面。そんな感情になれました。満足。
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2015年の本屋大賞受賞作です。
死を諦観している戦士団「独角」の頭ヴァン、かつて存在したオタワル王国の医術師・ホッサル。
二人の数奇な運命から、やがて訪れる邂逅。
脇を固めるキャラクターも個性的で侮れない。
そしてもう一点、この小説の特徴は、ファンタジーと生物学が融合した、今までに無い世界観であることです。
物語の中核には伝染病が深く関わりますが、この要素が加わる事で、作品に更に奥行きが出ているように感じます。
壮大なスケールの物語に仕上がっています。
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壮大な物語に完、ではなく広がりを持たせた終わり方。
さまざまな民族、生きてきた環境や生きる目的も違った人たちが、ただ家族のような絆を頼りに生きていこうとする最後。それが今までじっくりと描かれてきたので、一層感極まる。
ヴァンと父親との会話がすごく心に残った。
鹿の王なんて英雄に祭り上げるな、そのような才を持ったものがいるだけだ、みたいな話から、命のあり方のようなものを感じる。自己犠牲を美しいとしない。
最後、そのヴァンがやれるものがやるだけだ、とばかりに最期を遂げようとしていた時は、生きてほしいと切実に願った。
ユナちゃんの明るさ、サエの愛情が物語の救い。なんかユナちゃんがいるならこれから大丈夫だろう、という気になるもんな~
ホッサルもこれから色んな意味で強く、いい医者になるだろうな~
政治、民族、医療、家族愛、いろんなものがさまざまに混ざり合ってるが深く広く、素晴らしい物語だった。
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病や世の在り方への暗い諦念が感じられる場面もありましたが、結末を迎えるとあたたかく明るい気持ちに。ユナの存在が常に物語を光さす方向へ導いていたように感じます。
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物語は終わっても、物語の中の世界は終わらない
明るい期待をもたせて締めくくってくれた。
ユナという存在が最初から最後までこの物語の光だった。
正直、読み始めた時は泥臭いおっさんが主人公か、、、
と思ったけれど、
ヴァンと寄り添っていく中で
彼の人間的な魅力にすっかりやられてしまった。
ヴァンと、ユナの言葉を必要としないつながりに
胸が熱くなった。
もう一度、「獣の奏者」の外伝を読みたい。
この著者の描く親子が好きなんだな、と気づかされた。
生まれおち、一度だけの生を生きていく。
ヴァンも、ユナも、サエも、ホッサルも、ミラルも
身の内で起こる事、外で起こる事を事象として受け止めつつ
賢くも愚かにも生きていく。
できる力を持つヴァンが半仔たちを率いて去って行き
迎えに行ける力を持つユナたちが迎えに行く
鹿の王をたらしめるのは、他者という事で
ユナという存在がヴァンを救ってくれる事を信じ
暖かい気持ちで本を閉じる事ができた。
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鹿の王,という題目に込められた思いが,最終刊で詳らかにされる.人類に対する医学という存在意義を文化人類学的見地から論じてはいるが,その先には人そのものの存在意義,そして賛歌としての温かな側面を感じる.他作と同様,上橋先生の作品は,生きて本作を読めて良かった,と心から思わせる何かを持つ.
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生きる理由、死ぬ理由。
自分の魂と体は別で、体の中に生きるさまざまな生物が動かしている。
昔、自分の手が動くことを不思議に思ったことを思い出す。ここの細胞は何を思っているんだろうかと疑問に感じていた。
人の死。今読んだからわかったこともあったはず。
上橋さんの本は、何を読んでも睡眠時間が削られる笑
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読み終えました。
かなり満足感を得る事が出来る作品でした。
RPGゲーム化しても面白いかも。
架空の国で描かれた、壮大な医療ストーリー。
主人公ヴァンは僕の中ではキングダムの「信」のイメージ。ユナはトトロの「メイ」。
そんなイメージで読んでました。
アニメ化も良いかも。
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病む者の悲しみを見過ごせなかった主人公ヴァンが愛する者たちが生きる世界のために決断を下す。
見事な物語世界を構築し、深く大きいテーマで貫かれ、読み応えのあった作品でした。
異世界の物語ではあるが、現代の世界情勢、民族、戦争、平和、医療、命、そして人の生き方と照らし合わされるかのように考えさせられました。
主人公ヴァンの生き方を一人の男の生き方としてとても感銘を受けました。
そして、題名の「鹿の王」の意味も深く心に伝わってきました。
この世界とそこに生きる人たちに触れることができて幸せを感じることができました。
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タイトルの意味がやっと分かりました。鹿の群れのボスだとばかり思っていたら、そんな役割があっただなんて。
物語の初めは孤独だったヴァン。この巻では、たくさんの仲間たちに囲まれています。
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4巻まとめて読了。登場人物と長い間一緒に旅してきた感覚で不思議な疲労感がある。ライトな文体で読み易いが内容が濃い。生と死、生命の複雑な営みについて考える思考の旅でもあった。
物語を通して独角、犬の王、鹿の王が重要な存在だった。特にタイトルになった鹿の王については、主人公ヴァンの父親の言葉が、ラストの展開に重要な意味を持たせていると思う。盛りを過ぎた牡鹿が自分を捨てて狼から群れを守る。助けられた側は感謝すべきだが、そんな行為を英雄視する周囲の感覚が嫌で仕方ない、と。
物語のラストで、ヴァンはキンマの犬を率いる犬の王の体でありながら、人々を守る鹿の王となる。死に場所を求める独角だったヴァンが、やっと居場所を見つけたのに。その苦悩を思うと泣けて来る。でもそんなヴァンを屈託無く追いかけ寄り添おうとする、血の繋がりもなく氏族も異なる人々が物語の希望となる。
ファンタジーながら、立場は違えど登場人物の内面にそれぞれの苦悩があり、絶対的な正義も悪も存在しないのが現実世界とマッチしている。オーファンもシカンも人間臭い。
読後数日経っても感動が薄れないのはだからかも。
スピンオフ的には、ミラルときちんと家庭を持とうしない一方で『ミラルが死んだら間違いなく自分も自害する』と言い切ったホッサルも複雑で興味深い人物だった。
落ち着いたらまた読みたい。
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死に場所を探していた独角でありながら、真実、彼は生きる意味を求めていた。ようやく戻るべき場所を得たのに、キンマの犬たちを見捨てることができずに、犬の王として鹿の王になる道を選んだヴァン。そしてそんな彼の後を追う人々。あえて描ききらずに、読者の想像に任せる形のラスト。
結局この病を利用していたのは火馬の民、リムエッル、与多瑠の三者、で合ってるかな?火馬の民は己の理を主張するため、リムエッルはオタワル医術の未来のために、与多瑠は東乎瑠を統べる上での政治的目論見として。
生物学や医学の部分は大人が読むと既知の事実で少しくどいと感じてしまうかもしれないが、児童小説に分類されることを考えると、子どもたちにはとても興味深い部分なのではないのだろうか。子どもは新たな知識と壮大なファンタジーを、大人は加えてミステリー要素を楽しむことができる、テーマも広く深い物語だった。