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<目次>
はじめに~食文化は、「ケンミン」単位では語れない!
第1章 「藩」がつくった食文化
第2章 豚に追われた牛、王国守った鶏
第3章 歴史が語る食の「産業遺産」
第4章 「関西=うどん 関東=蕎麦」と思っていないか?
第5章 海の幸が教えてくれる食物地図
第6章 家計調査から見るケンミン食
第7章 地域によって変わる呼称
第8章 食の多様性の代表格「雑煮」を検証する
<内容>
食について、日経の新聞記者が分析したもの。この著者の本は以前も『納豆に砂糖を入れますか?』を読んだが、あまり変わりはない。タイトルに「県民性」では語れない、と言っておきながら、家計調査や雑煮の分析は県単位の話が多いし…。読む側はその方がわかりやすいのだが、どうなのかな?まあ、文献にあたっているし(小説なんかも駆使するのには驚いたが)、それなりに妥当性はあるし、こういう蘊蓄を飯食いながら語ると面白いんだよね。お好み焼きの話とか…
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この人の本はこのまとまりのなさを楽しめるかどうか、こちらの精神状態で評価が変わってしまう。今回はプラスに効いている。雑煮論争は永遠の課題なのね。旧藩の3世紀はやはり長いのだなあ。旧藩時代の遺産が戦後里帰りした高遠のそばの大根おろしはへえが一山。おそらく、30年後には平成の特産品つくりの影響というのがこの項に入るのでは。
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深く掘り下げたら
この部分だけで 一冊になるよね
という話題も多くて
さら~~っと上澄みを知る
ということになってしまいますが
大阪人の私は
「お好み焼きの発祥の地は大阪じゃない」
に 非常に納得です
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「地域限定、その都道府県限定」の食はテレビを始めとするマスコミにも最近多く取り上げられる。
しかし著者の細かな調査と分析で県民性として語られる簡単なものではないことがよくわかる。歴史、気候、地質、土地柄、多種多様な影響を受け、食文化というものができあがっていることが理解出来る。
戦後70年以上がたち、経済的な格差が少なくなり、交通流通も整備され、日本中どこへでもいける、また情報網の発達でどのような小さな出来事も即、日本中世界中に拡散されていく世の中になっても、なかなか食文化は画一化されないところが面白い。
日本人の食に関する文化度の高さを痛感する。海外の食を取り入れながら、なお日本人としての個性を残していると感じる。
しかし100年ほど前に比べれば、人の交流は格段の差で多く、広くなっている。これから先日本の食文化の多様性はどこまで続いていけるだろうか?
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■江戸の中期までは,西と東でうどんと蕎麦の消費傾向に大差はなく,どちらでも同じような方法で食べられていたらしい。
■醤油の発達とだしの素となる材料の流通が,西のうどん文化と東の蕎麦文化を生んだ決定打になった。うどんと蕎麦の好みがあらかじめあったわけではない。
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都道府県の特徴が詳しく書かれており、取材力が素晴らしいです。
漫画版なんかが出れば、楽しく知ることができると思います。
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こないだの『藩民性』が
食文化にも影響してるのね〜。
言葉と一緒で
都で流行ったものが同心円的に広まり
端と端で消えずに残っていたり。
藩替えになったお殿様が
故郷の味だけは持って行きたかったのも
わかる気がするなぁ。
確かに旅先でいろいろ食べていると
結局は「県民性」というより
自分の舌が好むかどうかだと
思えてきたわ。
関西人だから関西の食べものが
全部好きかって言われると
そうでもないし、逆も真なり。
津々浦々でおいしいものが食べられる
日本列島は、なが〜くて嬉しいよ。
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日本の食文化について、著者が日本中を巡った経験をもとに考察する。
日本の食文化は多種多様で、テレビ番組でやっているような単純な県民性だけで区分できるようなものではない。それぞれの料理の歴史を追っていくと、食文化の成立の経緯がわかる。テーマは、食に纏わる要素~藩、肉の食習慣、地域性、産業、麺、海産物、家計調査、雑煮の検証など。食文化を長年取材した著者の独自の視点で、文献や体験を基に考察されていて大変面白かった。 蘊蓄も多くて楽しい読み物になっている。 特に著者の出身地である九州北部の料理についての記述も多く、自分の居住地に近いこともあって親近感がもてた。 お店で出された料理がどのようなものなのか、由来を考えながら食べる。そういう楽しみ方のヒントになる本だ。